青空〜第6話〜
「あたし・・・
健一君のこと…
好きになったかも…」
突然だった
恵理が言ったのは
「え・・・?」
恵理はあたしの気持ちを知らない
恵理の気持ちも
知らなかった…
「で…あたし…」
恵理のバカ…
言ってくれれば…
いいライバルに…
なれたかもしれない…
のに…
「告ろうと思う…」
「マヂで…?」
恵理
そんな気持ちがあったんだね…
あたしもなのに…
あたしも好きなのに…
「が・・・
頑張って…」
頑張ってなんかほしくない
健一君は
あたしが…
「・・・あのさ・・・」
「なによ・・・」
言ってしまってから、
きつい口調だったと思った
「…これ…」
渡されたのは
ピンクの封筒
「これ、健一君に…
渡してくれない?」
なんで!?
なんであたしなのよ!!
「なんで・・・?
自分で渡せば・・・」
「だって、はずいし、それにっ・・・」
?
「それに…何?」
「瑞季…健一君と仲よさそうだし…」
「わかった…」
やだ
渡したくない
破って捨ててしまいたい
恵理と付き合いだしたら
あたし…
でも、恵理とは幼馴染なんだ
恵理と別れるのも…
「ちゃんと届けるよ」
「お願いね…」
次の日
あたしは健一君を待った
「よっ、トロ」
「はい」
「ん?何だこれ」
「じゃあ…」
「おいっ」
走り去ろうとしたのに
彼が…
「これ…
だれから?」
「恵理だよ…」
「そっか…」
俺は健一
今女の子から
手紙をもらった
きっと中身は
ラブレター
俺の勘だけど
「これ…
だれから?」
「恵理だよ…」
そっか
お前じゃないんだ…
じゃあねっ
って言って
行っちゃった
ほんとはずっと
離れてほしくなんかない
ずっと一緒に…




