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99.【番外編:4】第四回定例会

エ:皆さん、こんばんは。本日もお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。只今より、『フィオナ王女を守る五星の会』第四回定例会を始めます。私、エリアノーラ・マ・ノーストキタ、今回も司会進行を務めさせて頂きます。よろしくお願いいたします。


ジ、ゴ、ミ:パチパチパチパチ(拍手)


エ:さっそくですが、始めさせて頂きます。先ずは、お母様に、先月のフィオナ王女様の幻影魔法について発表して頂きます。


ミ:はい。前回の定例会でも申し上げましたが、フィオナ王女様は、先月6の月末日に、ほぼ完璧にご自身の幻影をお作りになることができるようになりました。そして、さらに7の月8日、フェリオ王子様のお姿の幻影をお作りになられました。

フィオナ王女様は、現在、昼間時間で約7時間女児のお姿を保つことが出来ます。しかし、幻影魔法中は約三時間程度しか魔力が持ちません。そして、連続三時間は集中力が持ちません。編入学まで後5ヶ月弱ありますが、やはり、午前中の授業は一時間だけで他は保健室でお休みし、午後からの授業を二時間受け、すぐ帰宅するのが精一杯と思います。

二学期、三学期は様子を見ながら午前中受ける授業の時間を増やしてもいいと思いますが、集中力と精神力が心配です。万が一魔法が解けてしまってはたいへんですので、一昨日、初等学校に行って、フェリオ王子様とフィオナ王女を同じクラスにしてもらえるか聞いてきましたわ。


エ:お母様、私、昨日サラ教授から聞きましたわよ。少し強引過ぎますわ。


ミ:あら。早いわね、エリアノーラ。私、別に提案しただけで命令したわけではなくってよ。サラ教授は、フェリオ王子様とフィオナ王女様は、同じクラスがいいと思うって。そして、二人の担任教師にしてくださいと自ら志願したのよ。私がお願いしたのではないわ。フィオナ王女様の保健室は、サラ教授の計画書通りですわ。サラ教授の手間を省くために、学校教育統括管理局の職員を連れて行っただけですわ。あの人たち、自分から私と一緒に行きたいと言ったのよ。


ジ、ゴ、エ:『『『ウソつけ~。そんなわけない(わ。)。』』』


エ:まっ、まぁ、確かにサラ教授は、お母様の言う通り自分から担任教師に志願したとは言ってましたが、あまり強引なことはしないようにお願いしますわ。


ミ:だから、してないわ。皆、自ら志願しているのよ。私は、強引なことも命令もしてないわ。


エ:自覚のない人は気をつけましょう。

続けて、フィオナ王女様の幻影魔法をご覧になった王女様の従妹レリーリアラ・マ・イーデアル様の反応について、発表してください。


ミ:失礼な子ね。あなたのそういうところが可愛くないのよ。あなたは、昔から素直に私の言うことを聞かない子供よ。


ジ、ゴ、エ:…

ジ:『子供は、お前だろ。』

ゴ:『ノーストキタ公爵様がおっしゃる通りミューラ様は、少し強引と思います。子供なのは、ミューラ様です。』

エ:『子供なのは、お母様ですわ。』


ミ:レリーリアラ様の反応ですが、幻影のフェリオ王子様を見ても幻影だとはお気づきになられませんでした。短い時間でしたが極普通にお話出来ていました。レリーリアラ様は、今月15日にも、王女様のお話相手として王宮に遊びに来ていただく予定になってます。私からは以上です。


エ:ありがとうございました。次に、私から報告申し上げます。お手元の資料をご覧下さい。これは、サラ教授に許可をいただき、サラ教授の研究論文の一部を抜粋しまとめたものです。先ずは資料の説明文と図解をゆっくりお読み下さい。今から10分後を質疑応答時間とします。


……


ジ:サラ教授からある程度の説明は聞いていたが、フィオナの魔力量が普通の王族五星よりも多いのは、異性で異なるMRの双子だったからなのか。そして、フィオナだけでも無事に生きて産まれてこれたのは、エドガーの魔力干渉のおかげだったのだな。


エ:はい。事例が少なく確定事項ではありませんが、そう考えられるそうです。そして、フィオナ王女様の魔力の質ですが、胎児の頃より培われた王女様オリジナルのものと考えられます。胎児の王女様の魔力に、エドガー陛下は毎日外部から魔力干渉をし、魔力の使い方を教えていたらしいのです。

そして、王女様がお産まれになった時、恐ろしく不快な魔力を放っていたのも、生きるために魔力でご自身の体を守っていたのと同時に、2ヶ月近く早産されたため十分な呼吸が出来ず、泣くことが出来なかった王女様が、魔力に不快感を乗せることで自分の感情をアピールしていたのではないかと思われます。


ミ:確かに、産まれたばかりの赤ん坊は、大声で泣きますわ。母親は、その泣き声を聞くと安心します。元気に無事に産まれてきてくれてよかったと思いますわ。でも、赤ん坊にとって、生まれることは不快と思いますわ。


ゴ:私も、フィオナ王女様の魔力の質に関しては、王女様の魔力には王女様の感情が乗っていると思います。フェリオ王子様の魔力は、普通の魔力の質と思いますが、フィオナ王女様の魔力は、温かくて優しくて安心感を感じるのです。

何度か王女様に王子様の時と王女様の時と何か変えているのかと尋ねましたが、ご本人は何も変えていないと言っていました。

なので、無意識に魔力に感情を乗せているのか、もしくは、王女様の魔力は我々五星には触れたことがない上質に感じますので、王女様の感情が魔力を通して伝わってくるのではないかと思います。

いずれにしても、私との魔法の練習の時に私が王女様の魔力をそう感じた通りに王女様が思ってくれていたとしたら、祖父としてこんなに嬉しいことはないです。


ジ:わしも、フィオナの魔力に触れた時だが、魔力で拘束された時は恐ろしい恐怖感だったが、その後のフィオナの魔力は、安心感と幸福感とフィオナの優しさが伝わってくる魔力だった。フィオナは無意識に魔力に自分の感情を乗せれるのか、それとも上質故にフィオナの感情が魔力から伝わってくるのかは分からないが、フィオナオリジナルの質であると思う。サラ教授の研究論文にある全ての条件が揃ったフィオナだからこそのオリジナルの能力だろう。論文では、MRの違う双子が無事生まれてくる確率は1%以下。しかも、五星四星は前例がなく、前例があるのも一星二星の低いMRのみ。マリアンヌと兄王子は残念ではあったが、フィオナだけでも助かった奇跡に感謝したい。


ゴ:はい。私も、娘夫婦が決めたことなので、言いませんでしたが、残念な結果になってしまう覚悟はしてました。王女様だけでも助かって本当によかったです。


エ:問題は、エドガー陛下の呪詛なのですが、サラ教授や、マリアンヌ様付きの侍女の話によると、エドガー陛下は、マリアンヌ様がお亡くなりになられた時、錯乱状態だったのかマリアンヌ様のお体を力任せに揺すられ、周りの者たちに取り押さえられ、部屋の外に出されたそうです。そして、部屋から出されてすぐ王女様のいる部屋に走って行かれたそうです。それから先は、国王陛下とイーデアル公爵様のお話の通りですわ。

サラ教授は、

『もし、生まれたばかりの王女様が、生きるために必死で不快感を伝えようとしていた魔力を、エドガー陛下は、マリアンヌ様と王子様が亡くなったのは王女様のせいだと思われて呪詛をかけたのだとしたら、悲しいこと。魔力にご自身の意志を乗せることが出来る素晴らしい魔力が逆に悲しい結果を招いてしまったとしたのなら。』

とおっしゃってました。

王女様を王子様としたのは、恨む一方で王女様の魔力が王位を継承するにふさわしい五星と認めていたからだとは思いますが、ご自身のお子に呪詛などとあってはならないことです。

私は、王女様が生まれた時のことで王女様が傷付かないよう王女様をお守りしたいと思います。

フィオナ王女様がフェリオ王子様であることは、誰にも知られてはいけません。サラ教授もそのために王女様と王子様の担任の先生になることを決めたとおっしゃってました。サラ教授は、何よりも優先すべきは、王女様であることをミューラ様に教えていただき、感謝しているとおっしゃってました。ですが…


ミ:あらあら、まあまあ。よくわかっているじゃない。サラ教授は。私に感謝しているだなんて。やっぱり、私が信頼して、フィオナ王女様の担任の先生をお任せしただけあるわ。お兄様、サラ教授のお給料上げてあげたらどうかしら?


エ:ですが、それは、サラ教授の過剰評価で、母は、単に自己欲を強引に押し付けているだけと考えられます。ですので、今後母が勝手なことをしないように注意しておきますねとサラ教授には言いました。私からは以上です。


ミ:ちょっと、私の話を邪魔しないで。それに、何よ、それ。失礼な子ね。


エ:私の話の途中なのに割り込んできたのは、お母様ですわ。お母様、初等学校のことは、サラ教授にお任せして、お母様は色々と口出しするのはお止めください。


ミ:言ってないわよ。提案しているだけよ。命令しているわけでもないわ。


エ:その提案が半分命令なのですわ。自ら志願しているのではありません。


ミ:だから、私は、威圧的に言っているのではありませんわ。~したらどうかしら?程度の軽いものよ。命令だなんて心外だわ。


エ:自覚のない人は気をつけましょう。

本日の私の資料ですが、保管所にはお気をつけ下さい。

以上で本日予定していました第四回定例会は終了となりますが、何かご意見、ご質問は、ございますでしょうか?


ミ:はい。私は、命令…


エ:はい。お母様。今日はもう遅いのでまた後日言い訳をしてください。しなくて大丈夫ですが。


ミ:ちょっと…


エ:では、皆様、本日はお疲れ様でした。ありがとうございました。


ジ、ゴ、エ:パチパチパチパチ(拍手)


ミ:……

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