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710/710

710.王国上層会議

なんと、71話と72話の間に入るお話です。


この話がないと後の話が一部繋がらなくなってしまうのに投稿し忘れ、そのままになっていました。


途中で気付いたのですが、なくてもいいかな、と、放置していました。


前話同様、消すのも…と思い投稿。

気になる方は、お読みいただけると幸いに思います。

毎年四回、3、6、9、12の月の13日、侯爵家以上の者たちによる王国上層会議が開かれる。


例年通り6の月13日に、6の月王国上層会議が開かれた。

今回の会議は、前回の3の月13日の3の月王国会議で議題に上がった王族に関する法の改正について、賛成か反対かの是非を問う重要な会議であった。


司会は、現在の王国四大公爵家第一位の権限を持つゴルディオ・マ・イーデアル。通常なら、早速、前回の議題の続きに入る、その前に重大発表があった。


「6の月王国上層会議の前に皆さまに私からお知らせしたいことがあります。現在、私が持っています四大公爵家第一位の権限を、エリアノーラ・マ・ノーストキタ公爵様にお任せしたいと思います。エリアノーラ・マ・ノーストキタ公爵様は、1ヶ月半前に王都に戻られたばかりですが、戻られてからの仕事振りは、素晴らしく、お血筋も魔力もノーストキタ公爵様が第一位の権限を持つにふさわしいと思いました。国王陛下、私、ゴルディオ・マ・イーデアルは、エリアノーラ・マ・ノーストキタ公爵様を四大公爵家第一位の権限を持つ者に推挙致します。また、それに伴い、四大公爵家第一位の権限を持つ公爵家も我がイーデアルからノーストキタ公爵家にお任せしたいと思います。」


「うむ。わしもイーデアル公爵に賛成いたすが、異存のある者は、おらぬか?」


「はい。国王陛下。」


「ウエスターナル公爵、何だ。申してみよ。」


「恐れながら、申し上げます。エリアノーラ・マ・ノーストキタ公爵様は、確かに、お血筋も魔力も優れた方ですが、爵位を継いで以降、会議にはほとんど出席なさらず、弟に代理を任せ自領に引きこもっていらっしゃいました。たかが一月半前にお戻りになったばかりの方に四大公爵家第一位の権限をお与えするのは如何なものかと思います。」


「ほう。四大公爵家第一位の権限は、ノーストキタ公爵よりもそなたの方が適任であると、そう申したいのか?ならば、皆にも問うとしよう。わしもイーデアル公爵も、北の公爵エリアノーラ・マ・ノーストキタが適任であると思っておるが、サザリーナンダ公爵は、どうだ?」


「私は、四星ですので、より強い魔力を持つ方が適任と思います。他国の脅威を避けるためにも、若くてお力のある方がよいと思います。」


「ならばうちだな。うちは、息子が二人五星だ。まだ三歳だが、孫娘も五星。ノーストキタもイーデアルも次の世代は四星だ。これから先の将来を考えれば、我が西の公爵家ウェスターナルが四大公爵家第一位の権限を持つ公爵家に最もふさわしい。」


「侯爵家はどう考えるのだ?四大公爵家のことではあるが、参考にいたす。筆頭侯爵家ヨーデキール、申してみよ。」


「はい。私を始めとする侯爵家以下は、全て四星以下です。この世界は、強い魔力を持つ者が支配する世界です。弱い魔力しか持たない国は、他国に滅ぼされてしまいます。ですので、私は、サザリーナンダ公爵様のおっしゃる通り、強い魔力を持つ五星公爵様が適任と思います。」


「うむ。ヨーデキール侯爵に反対する者はおるか?ヨーデキール侯爵が申すことを全侯爵家の意志と判断してもよいか?」


パチパチパチパチ(拍手)


「うむ。では、より強い魔力を持つ者を次の四大公爵家第一位の権限を持つ者とする。ウエスターナル公爵、そなたの息子を連れて参れ。二人がかりで、そこのノーストキタ公爵と魔力で勝負致せ。」


「二対一ですが、ノーストキタ公爵様は、よろしいのですか?」


「ええ、いいですわ。なんなら三対一でもよろしいですわよ。下のご子息がまだ学生なのが残念ですわね。」


「言ってくれますね。ノーストキタ公爵様。確かに私一人では、敵いませんが二対一だと分かりませんよ。息子は若いですし。」


…………


「相手が負けを認めるまで三人で続けよ。わしらは、全員外で待っておる。勝った方が呼びに参れ。

但し、いくら五星の勝負とはいえ、やり過ぎはならぬ。わかったな。」


「「「はい。国王陛下。」」」


……………


「さて、ウエスターナル公爵様、ご子息様様。いつでもどうぞ。お二人同時でも大丈夫ですわよ。二人がかりでも私には勝てないと思いますけれど。」


「父上、これほどの屈辱、私は我慢出来ません。」


「ふふっ。お若いですわね。いいこと教えてあげますわ。四星以下の者の魔力は、個人差がありますのよ。多い者は、少ない者の倍以上ありますのよ。」


「そんなこと、言われなくても誰でも知っている。」


「五星は、倍なんて生易しい差ではありませんのよ。私の魔力は母譲りの王族系五星ですわ。この国を支配してきた王族系五星の魔力が如何程か公爵系五星との差を教えてあげますわ。」


「「ほざけ。こちらは二人だぞ。」」


「だから、三人でも、私の方が上ですわ。さっさと降参した方が身のためですわよ。」


………


「父上、私たちでは、敵いません。降参しましょう。」


「あら?息子の方が賢いわね。ウエスターナル公爵様、如何なさいますか?」


「ぐぬぬぬぬ。」


「父上、お止めください。例え、異母弟を呼んできたとしても我々では敵いません。ノーストキタ公爵様のおっしゃる通りです。負けを認めることは恥ではありません。再起不能になるまで相手をリスペクトしないほうが恥なのです。。」


「息子のほうがよくわかっているわね。あなたは、赦してあげるわ。賢明な判断よ。彼我の差がわからない者は、おやすみなさい。息子に免じて失神くらいで許してあげるわ。」


「待て、降…」


「あら?何かおっしゃいました?」


「父上、父上、父上。」


ウエスターナル公爵は、泡を吹いて失神し、失禁までしていた。


「さて、国王陛下を呼びに行きますわ。この部屋で会議の続きは、無理そうですわね。」


「ノーストキタ公爵様、申し訳ありませんでした。弟の魔力は私よりも下です。我ら三人がかりでも、ノーストキタ公爵様には敵いません。父には、私から言っておきますので、今は私の謝罪のみでお許しください。」


「まぁ、いいですわ。私も少し遣り過ぎましたわ。」


「ありがとうございます。」


…………


「ノーストキタ公爵、遣り過ぎではないのか?」


「いえ、国王陛下。ノーストキタ公爵様は、手加減して下さいました。なかなか降参しなかった父が悪いのです。ノーストキタ公爵様の魔力には、我らウエスターナル公爵家の五星三人がかりでもとても敵いません。」


「うむ。ノーストキタ公爵の勝ちとする。よって、明日より四大公爵家第一位の権限は、エリアノーラ・マ・ノーストキタが持つとする。」


パチパチパチパチ(拍手)


「…場所を変えて、会議の続きをいたすとする。会議は、一時間後の別の部屋とする。」


………………………



「6の月王国上層会議を再開いたします。国王陛下、お願いいたします。」


「うむ。先ほどの続きではあるが、今回は、王族に関する法の改正に投票権のある者、全員に集まってもらった。新たに加わった者は、四星王弟バードット、五星元王女ミューラ、シャルロットの三人である。」


パチパチパチパチ(拍手)


「投票数と可決条件は、王族法に則り、国王陛下五票、成人王族五星男子三票、四星男子二票、成人王族(元王女含)五星女子二票、四星女子一票、四大公爵家当主各一票、内第一位権限者のみ+一票、全侯爵家で二票、今回は合計十九票。四分の三以上の賛成で可決改正されます。今回は十五票以上の賛成票で可決改正となります。」


………………


「投票の結果を発表します。賛成十七票、反対二票。よって、この法案は可決改正、即日交付、翌日施行されます。」


パチパチパチパチ(拍手)


「うむ。反対二票が気になるが、先ずは、よしとする。ミューラ、フィオナを呼んで参れ。」


「はい。国王陛下。」


ザワザワザワザワ…


「皆に、紹介しよう。わしのもう一人の孫、フィオナ・マ・アールだ。今年、1の月より王宮に戻ってきた。まだ初等学校には行かせてないが、来年の1の月三学年よりの通学を予定しておる。兄フェリオと共に皆で孫たちを支えて欲しい。」


パチパチパチパチ(拍手)

ザワザワザワザワ…


「フィオナ・マ・アールと申します。」


「皆さま、フィオナ王女殿下は、私、ミューラ・マ・ノーストキタが後見人と魔法指導を務めています。王女様の素晴らしい魔力は、私が保証致します。」


「ミューラ様、私は、フィオナ王女殿下はお体が弱く、お母上様のご実家イーデアル公爵家でご静養されていると伺っております。お体の弱い子供の魔力が素晴らしいとは、ご息女のエリアノーラ・マ・ノーストキタ公爵様と後見人も魔法の先生も交代された方がよろしいのではないですか?」


「ウエスターナル公爵、またそなたか。懲りぬ男よのう。」


「国王陛下、いいのですわ。ウエスターナル公爵様は、五星の子供をみてきたからそうおっしゃっているのですわ。」


「いかにも。私は息子二人に、まだ三歳の孫娘の三人の子供の五星をみてきた。子供の頃の魔力は、たいしたことありません。」


「ならば、フィオナ王女殿下の魔力を皆さまを代表してお感じになっては如何ですか?感想を後程皆の前で発表していただけますか?」


「ほう。私でよいのですか?祖父のイーデアル公爵と違い私は、遠慮なく辛口になりますぞ。」


「父上、お止めください。先ほどノーストキタ公爵様の魔力に触れたばかりではありませんか。子供とは言え、フィオナ王女殿下は王家の王女殿下です。我等よりもお強いと思われます。」


「うるさい、お前は黙っていろ。お前は子供の魔力を知らないのだ。」


「父上。」


「あら、どうせなら、お二人でどうぞ。さぁ、フィオナ王女様、手加減なしでお願いいたしますわ。私が教えた通りに。」


「ミューラ大叔母様、私は…。本当に大丈夫でしょうか?」


「あらあら。ウエスターナル公爵様、ご子息様、フィオナ王女様が手加減したいとおっしゃってますわ。私のフィオナ王女様はお優しい方ですから。如何なさいますか?」


「手加減なしでお願いいたします。お前もこい、バラドック。このような機会めったにない。」


「だそうですわ。フィオナ王女様。遠慮なくどうぞ。」


「分かりましたわ。」


「「お願いいたします。」」


フィオナは、仕方なく二人の手を取り、一瞬で二人の魔力を拘束し、支配した。


「「うわああああ、助けてくれ~~。」」

二人は、ブルブル震えてうずくまり、顔は真っ青になっている。


「ミューラ大叔母様は、悪ふざけが過ぎますわ。大丈夫ですか?ウエスターナル公爵様、ご子息様。」


「おほほほ。懲りない方にはちょうどいいのですわ。それに、手加減して欲しいかどうか確認しましたわ。」


『『何だ、この蕩けるような心地よい魔力は?暖かくて、安心する。こんな極上の質の魔力は初めてだ。』』


「もう、大丈夫です。ありがとうございます。フィオナ王女殿下。父上、いつまで惚けているのですか?父上、父上。」


「ああ。フィオナ王女殿下、ありがとうございます。

皆さま、王女殿下の魔力は、素晴らしいです。私は、このような素晴らしい魔力に触れたのは初めてです。流石、王家の王女様です。お母上マリアンヌ陛下によく似た可愛らしいお顔に、お父上エドガー陛下そっくりの凛々しい瞳。そしてその素晴らしい膨大な上に極上の魔力。王位継承権を得るにふさわしいお方です。反対票の二票を投じた者に教えてやりたいほどです。

フィオナ王女殿下、殿下は私がお守りいたします。是非、私をお側において下さい。」


「ちょっと、私のフィオナ王女様ですわよ。その汚い手を早く離しなさい。ウエスターナル公爵。」


「おおっ、これは失礼いたしました。いやあ、いとこ姪のマリアンヌにそっくりですな、私のフィオナ王女殿下は。マリアンヌが父親に似なくてよかった。」


「おい、どういう意味だ。ウエスターナル公爵。お前の王女殿下ではない。私の孫だ。」


「ああん?お前の孫は、私の孫みたいなものではないか。つまり、私の孫のフィオナ王女殿下だ。お前が隠居したら、私が責任持ってフィオナ王女殿下をお支えしよう。安心していいぞ。ゴルディオいとこ兄上。」


「誰がじゃ。お前、今まで私をそんなふうに呼んだことないではないか。」


「間違ってはおらぬ。私の母上は、お前の父親の妹だ。」


「従兄弟喧嘩するなら他所に行くがよい。会議中である。フィオナは、もう下がってよい。ミューラとバードット、シャルロットも下がってよい。」


「はい。国王陛下。」


………


6の月王国上層会議は、王族に関する法の改正の可決即日交付翌日施行という歴史に残る出来事よりも、ゴルディオ・マ・イーデアル公爵の意外な一面とウエスターナル公爵の手のひら返し、フィオナ王女の初登場等の方が出席者のインパクトに残った会議だった。

次作、『私の前世は最高にワガママ王女~今世でもワガママを貫き通すための選択~』を投稿します。


https://ncode.syosetu.com/n7755hg/



今作の登場人物が祖先として出てきます。

次作も読んでいただけると嬉しく思います。


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