71.【番外編:2】第二回定例会 4
エ:私が第二妃としてエドガー陛下に嫁げば、フィオナ王女様は、エドガー陛下はあのようなことにならなかった可能性が高いのですか?
ジ:それは違う。
ゴ:違います。
ミ:違いますわ。
ジ:わしもそうだが、ここにいる皆、もし~ならば…と思うことがあるだろう。しかし、今さら後悔しても仕方ないのだ。大切なのは、これからの将来なのだ。たとえ今までそうだったとしても、今は違う。これからの新しい未来を作っていく必要があるのだ。そして、この国の未来は、フィオナにかかっておると言っても過言ではない。フィオナは、フェリオとして学校に通っているが、フェリオは、勉強も運動も魔力も人柄も全て優秀である。そのフェリオと同じくらい優秀な双子の妹王女としてわしはフィオナを表舞台に立たせるつもりだ。ミューラ。
ミ:はい、お兄様。
ジ:フィオナの幻影魔法はどうなっておる?
ミ:まだまだですわね。普通の幻影魔法と違い、フィオナ王女様の幻影はフェリオ王子様ですわ。今はまだフィオナ王女様ご自身の幻影の練習中ですわ。フェリオ王子様の姿でいる時間の方が長いため苦戦していらっしゃいますわ。ならば、フェリオ王子様の姿でフェリオ王子様の幻影にしてはと提案したのですが、フェリオ王子様の姿よりフィオナ王女様の姿の方が魔力操作し易いらしいですわ。イーデアル公爵様は、フィオナ王女様とフェリオ王子様の魔力の差をどのように思われますか?
ゴ:呪詛による影響で、王子様の姿の時は、何らかの制限があるのではないでしょうか。魔力量が少ない時のフィオナ王女様の姿がフェリオ王子様です。フィオナ王女様の姿の時の魔力量は当然フェリオ王子様より上、質も上、魔力操作もし易く感じるのだと思います。
ジ:フィオナは、歴代の王族の中でも屈指の魔力量と上質の魔力を合わせ持つ五星だとわしは思っておる。他国を牽制するためにも、わしは早く法を改正し、この国の王位継承権を持つ王女として、フィオナの存在を国内外に示したいのだ。エドガー亡き今、じわじわと他国と小競り合いが起きているのは知っておるであろう。
エ:サザリーナンダ領南端国境付近とイーデアル領海域ですわね。
ジ:そうだ。五星は、すぐに相手の魔力を測り、自分より格下と判断すれば攻撃してくるからな。他国を訪問する機会はそれほど多くないが、国賓で出席する者の魔力でお互いの国勢を図っているところがある。そろそろわしやミューラ、イーデアル公爵の代わりに、エリアノーラとフィオナに任せたいと思っておる。
エリアノーラ、お前が王都に戻ってきてからの王宮でのお前の評価は上々だ。王国を支える四大公爵家の当主、次期当主の中で、血筋も魔力もお前が一番上だ。前回の第一回定例会の後、イーデアル公爵と話し合って決めたことがある。エリアノーラ・マ・ノーストキタ。
エ:はい、国王陛下。
ジ:現在の四大公爵家第一位の権限を持つゴルディオ・マ・イーデアル公爵がエリアノーラ・マ・ノーストキタ公爵を次の第一位に推挙しておる。わしは、それを認め、四大公爵家第一位の権限をお前に与えるつもりでいる。三日後の13日に開かれる王国上層会議で発表いたす。そう心得よ。ただし、西の公爵家ウエスターナルあたりが何か言ってくる可能性がある。お前は、己の力で自分が一番ふさわしいことを皆に示すのだ。次世代は、お前が中心となりフィオナを支えて欲しいと思っておる。
エ:承知致しました。国王陛下。
ゴ、ミ:パチパチパチパチ(拍手)
ゴ:ノーストキタ公爵様、よろしくお願いいたします。
エ:イーデアル公爵様、ありがとうございます。
ミ:今のエリアノーラなら任せても大丈夫と思いますわ。この私自らが、エリアノーラを厳しく育てましたわ。魔力も私譲りの五星ですのに、何故今まであんなに馬鹿だったのか不思議ですわ。ノーストキタ一族がエリアノーラを甘やかしたせいかしら?
ジ、ゴ、エ:………
ジ:『いや、お前のせいだろ。』
ゴ:『恐らく、ミューラ様が厳し過ぎたのではないでしょうか。』
エ:『お母様のせいですわよ。』
エ:皆さま、本日は、前回よりも更に遅い時間になってしまいましたので、今回はここまでといたしましょう。次回は、また1ヶ月後7の月10日のこの時間です。お忙しいとは思いますが、皆さま、またよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
ジ、ゴ、ミ、エ:パチパチパチパチ(拍手)




