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70.【番外編:2】第二回定例会 3

ジ:うむ。確かにあの二人はそう感じていたかも知れぬ。あの二人は毎日お腹の双子の魔力に触れておった。


エ:MRの違う双子とそのリスクも分かってましたわよね?


ジ:その通りだ。だから、エドガーは最初双子を諦めろとマリアンヌに言ったのだ。母親の命に関わるからな。


エ:私は、フィオナ王女様が生まれる前から全て分かっているのに、エドガー陛下が王女様に呪詛をかけた理由が分からなかったのです。最初に国王陛下がおっしゃった通り、王女様は女児ですが、王位を継承するにふさわしい素晴らしい魔力を持った「王の子」です。王女様の魔力に触れた五星で王女様の王位継承に反対する者はいないと私は思いますわ。王女様を王子様に変えるのではなく、法を変えればいいだけですわ。ですが、エドガー陛下は王女様を王子様にした、その理由は、お母様とイーデアル公爵様がおっしゃったことではないでしょうか?


ジ:王位を継承するにふさわしい魔力を持った「王の子」がいるのに、三星王子を養子にすると宣言してしまったからなのか?エドガーは、王族に三星の王子がいるのを知っていた。エドガーに男児が授からなければ、王位は三星王子が継承することになる。フィオナに王位を継承させるためにはフィオナを王子とする必要があったからなのか?


ミ:お兄様、エリアノーラ、バードットの王子が三星と分かったのは恐らくフィオナ王女様がお生まれになった後ですわ。エドガーもバードットの王子は四星と聞いていたと思いますわ。


ジ、エ:えっ?何故?


ミ:初等学校に入る前の魔力検査ですわ。バードットの王子は、子爵分家の養子扱いですの。四星、五星の子どもの数は少ないですが、三星の子どもはたくさんいますわ。その三星の子どもの中で歴代一位の魔力量を叩き出したのですわ。


エ:遣っちゃった感ありますわね。


ミ:その通りですわ。たちまちうわさ話となり、貴族夫人で知らない者はいないほど広がりましたわ。


ジ:頭痛くなる話だのう。三星王子なんて聞いた事ないが予想出来る展開よのう。


ミ:恐らく、その時、第一、第二妃にも隠し子がバレたはずですわ。そして、その隠し子が三星であることも。バードットは、三星王子をどうすることも出来ずにいると思いますわ。もし、王子が四星ならそのタイミングで認知したと思いますわ。バードットは王子を四星と聞いていたらしいですし、エドガーには王子がいると教えていたと考えられますので。


ジ:うむ。エドガーもバードットの王子が三星と分かっていれば、養子にするなんて言わないだろうしな。三星王子が王位継承すれば国家自体が危ういわ。


ミ:その通りですわ。この世界は、魔力が力の全てですわ。弱い魔力の者が治める国は隣国に滅ぼされます。国内にしても同じです。王族は常に一番上の魔力を持つ必要があります。故に相手は必ず四星以上。私たちの世代だけでなく、ずっとそうでしたわ。三星の国王なんて国内外に敗北宣言するようなものですわ。その前に、四大公爵家全て認めないと思いますけれど。


ジ:うむ。わしとて認めぬわ。生まれてきた王子には申し訳ないが、三星を王位継承権のある王子として認める訳にはいかぬ。


ミ:バードットは王子を捨て置くしか出来ないのですわ。王子は可哀想ですが、二人の妃と四人の姫を守るためにはそれが一番いい選択なのですわ。


ジ:うむ。分かった。バードットの申し分を聞いた上で処分を下すとする。


エ:お母様、私、さっきのお母様のお言葉で、少し分かったことがありますの。公爵家以下では、同じMRなら爵位を継ぐのは男性。しかし、MRが女性の方が上なら爵位を継ぐのは女性ですわ。この世界は魔力が全て。公爵家以下では、その通りなのに、王族だけ王位継承権が男性にしかないのは、王族が常に一番の魔力を持つためではないでしょうか?


ミ:どういうことですの?


エ:例えば、お母様のように五星の王女は慣例で四大公爵家に降嫁ですわ。そして、私のように第一子が五星の娘ならば、たいてい第一、第二妃として王族に戻されます。第一子が男性なら爵位を継ぎ、子や、孫に五星の女性が生まれれば、王族に戻されるのですわ。それを繰り返すことで、王族が常に一番の魔力を保ち、次世代に必ず五星の子孫を得る。それを継続するためには、男性のみが王位継承するのが一番都合いいのではないでしょうか。五星の女性が四星の男性と結婚すれば、五星の子どもを授かる確率は二分の一。しかも、五星は、第一子だけですわ。第二子以下は全ての子が四星。女性に王位継承権がないのは、次世代以降、王族に五星の子どもがいなくなってしまう可能性をなくすためではないでしょうか?


ジ:うむ。エリアノーラの言う通りかも知れぬな。わしの母上はサザリーナンダ公爵家出身の五星女性であった。母上の祖母は王家の王女であったと聞いている。サザリーナンダに降嫁した王女が五星嫡男を生み、その五星嫡男の娘の母上は五星であったため再び王家に戻されたと考えられるのう。


エ:四星の王子が王位を継いだことはありますか?


ジ:ない。四星王子にも王位継承権は、あることはあるのだが、必ず五星王子が王位を継いできた。そのための王族だ。王族は、第二妃と更に側室が認められている。直系の五星王子がもしいなければ、王族の五星王子が次の国王になる。わしは、エドガーが五星、妹は五星ミューラ、弟のバードットは四星だが、第一妃のレノファは五星。次世代が今みたいになると思わなんだ。

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