表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/710

69.【番外編:2】第二回定例会 2

ジ、エ:えっ?


ミ:だから、王族の王子は、フェリオ王子だけでなくもう一人いますわ。ねぇ、イーデアル公爵様。


ゴ:うわさ話の未確認ではありますが。そのように聞いています。


ジ:わしは知らぬぞ。誰だ。


ミ:だから、私たちの弟、バードットの隠し子ですわ。侍女に手を出して、生まれた王子をそのまま認知せずに捨て置いていますのよ。あの子。


ジ:何だと!

エ:何ですって!


ミ:あら?あなたも知らなかったの?エリアノーラ。だから、マリアンヌ様と結婚する時、エドガーは『男児が授からなければ叔父上の王子を養子にもらう』と宣言しましたのよ。あなたを第二妃にしないと言ったのもバードットの隠し子を養子にするつもりだったからですわ。恐らく。未確認ですけど。ねぇ、イーデアル公爵様。


ゴ:はい。私もそう思います。私も未確認ですが。


ジ:何だと!何故わしに言わなかったのだ!


ミ:って言うか、何故知らないのか、知らなかったですわ。


ジ:何だと!


ミ:私、隠し子のことをお兄様も知っているから早く法を変えたいのかと思ってましたわ。


ジ:どういうことだ?


ミ:バードットの隠し子は三星なのですわ。三星の王子が王位継承なんて問題がありますわ。四星王子でさえ王位を継承するなら王妃は必ず五星でなければ、他国に侮られますわ。それに、三星の王子なんて今まで聞いた事ないですから、王位継承権があるのかどうかさえはっきり知らないですわ。


ジ:わしも三星王子なんて聞いた事ないわ。しかも捨て置くとはどういうことだ?


ミ:うわさですわよ。第一妃レノファ様が三人目のお子を懐妊中に侍女に手を出したそうですわ。レノファ様とのお子は女児だったため、第二妃を娶ることが決まり、侍女を妊娠させたと言い出せないまま侍女は王子を出産。認知して欲しい侍女は生まれた王子を四星王子とバードットに報告。四星なら間違いなく、バードットの王子と認知してもらえると思ったのでしょう。ですが実は三星と分かり、バードットは王子を認知しないまま捨て置いている、らしいですわ。


ジ:何と恥知らずな。我が異母弟とは言え、許せぬ。バードットを呼んで参れ。そのうわさが本当ならば、バードットをそのような不埒者を王族として認める訳にはいかぬ。わし自ら処分してくれるわ。


ミ:お兄様、落ち着いてください。いい年して魔力が暴走しかけてますわよ。エリアノーラ、お兄様を止めなさい。エリアノーラ?


エ:バードット叔父様、許せませんわ。女の敵ですわ。敵は処分されるべきですわ。敵ですわ。敵。


ミ:エリアノーラ、正気に戻りなさい。何ですか、あなたまで。いい年して魔力を乱すとは。エリアノーラ。


ゴ:仕方ありません。ミューラ様。先ずは国王陛下からお止めいたしましょう。ノーストキタ公爵様の魔力暴走は、私たち二人では止めれません。



ミ:もう、二人とも落ち着いてください。いいですか。バードットを処分したら、バードットの二人の妃と娘たちはどうなりますか?南の公爵家に嫁いだのシャルロットは肩身の狭い思いをし、未婚の三人の妹姫たちは王族としての権利を剥奪。二人の妃はそれぞれ実家に戻されますわ。


ジ:そうなるな。

エ:そうなりますわね。


ミ:一番悪いのはもちろんバードットですが、全員が辛い思いをすることになりますわ。


ジ:う~む。だが、このままにはしておけぬ。先ずは、そのうわさ話が真実かどうか調べ、バードットにも確認してから処分を下す。出来る限り妃や姫を助けるつもりではおるが、何もなかったことには出来ぬ。


ミ:まぁ、仕方ないですわね。エリアノーラ、その時は、あなたもお兄様の側にいなさい。お兄様がまた魔力を暴走しそうになったら、止めなさい。


エ:自信がありませんわ。お母様。バードット叔父様は、敵ですから。


ミ:イーデアル公爵様、私たちも側にいますか?あの二人に任せるとバードットが再起不能になりそうですわ。


ゴ:はい。ミューラ様。私にとっても、異母妹と姪たちですから。


ミ:ところで、エリアノーラ、あなたの聞きたかった質問は何でしたの?


エ:そうでしたわ。バードット叔父様の悪行のせいで、大切なフィオナ王女様のための時間が台無しになるところでしたわ。

フィオナ王女様の魔力に触れた私たちは、全員、フィオナ王女様は王位を継承するにふさわしい方だと思いましたわよね。別に女児でも法を変えてフィオナ王女様に王位継承していただきたいと思いましたわよね。私は、恐らく、フィオナ王女様がお生まれになった時、いえ、もしかしたら、母親のマリアンヌ様のお腹の中にいる時からフィオナ王女様の魔力が王位を継承するにふさわしい素晴らしい魔力であると分かっていたのではないかと考えたのですわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ