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66.【番外編:1】第一回定例会 2

エ:では、皆様、改めましてよろしくお願いいたします。それでは皆様、お手元の資料をご覧下さい。次は、母、ミューラより先月のフィオナ王女様のご様子の報告です。お母様、よろしくお願いいたします。


ミ:はい。先月の一学期末休み、国王陛下に許可を頂き、フィオナ王女様を我がノーストキタ領にご案内いたしました。フィオナ王女様は、たいへん興味深く我が領内の全てに関心をお持ちになられました。とても頭のいい王女様だと思いました。我が領に滞在中、王女様は、毎日、限界まで王女様の姿のままお過ごしになられました。これより先は、エリアノーラより報告いたします。


エ:はい。お母様、ありがとうございました。では、私から報告させていただきます。

私は、我が領にフィオナ王女様が滞在中、フィオナ王女様と共に過ごさせて頂きました。そして、フィオナ王女様とフェリオ王子様お二人の魔力の違いを感じました。

フィオナ王女様とフェリオ王子様では、フィオナ王女様の方が魔力量が多いと思います。

そして、魔力の質も違って感じました。私の感覚的な表現ですが、

フィオナ王女様の魔力は、『しっとりと滑らか』

フィオナ王子様の魔力は、『さらさらと爽やか』

そのように感じました。更に言えば、

フィオナ王女様の魔力は、体の内側に染み込むような感覚。

フェリオ王子様の魔力は、体の外側から包み込むような感覚と言えばよいでしょうか。普通に、我々五星の者が普段他の五星の魔力を感じる時と同じような感覚であると思います。

しかし、フィオナ王女様の魔力の場合、普通の五星の魔力を感じることに加え、外側からだけでなく内側からも王女様の魔力に支配され、どう足掻いても逃げ出せないような圧倒的な魔力差を感じさせられます。

そして、その魔力は、

王女様が相手を支配しようと思えば恐ろしい恐怖感を、

王女様が相手を守ろうと思えば心地好い安心感と幸福感を与えるのです。

九歳の子供の魔力とは思えないほどの膨大な魔力量、さらにはその素晴らしい魔力の質。フィオナ王女様は、『王』となられるにふさわしいお方だと王女様の魔力に触れた五星は皆そう感じるのではないでしょうか。私は、王女様の魔力をそのように思いました。

私からは以上です。何かご意見、ご質問はございますでしょうか?


ジ、ゴ、ミ:おおお~~~。パチパチパチパチパチパチ(拍手)


ゴ:ノーストキタ公爵様、素晴らしい観察力です。私も、全く同じでそのように感じます。初めてフィオナ王女様の魔力に触れた時、何とも言えない安心感と幸福感を覚えました。祖父と幼い孫娘とは言え、男がずっとこの蕩けるような魔力に触れていてはマズイと思い、国王陛下にご相談したのです。そしてミューラ様に魔法の先生を交代していただくことになったのです。


ミ、エ:あの魔力は、女性が触れていてもヤバいですわ。


ジ:何だと?それほど凄いのか?わしもフィオナの魔力に触れてみたいのに、イーデアル公爵が反対するからまだ触れておらぬのだ。どれ、わしも今度フィオナの魔力に触れてみるとするかのう。


ゴ、ミ、エ:ダメです(わ)。絶対に触れてはいけません(わ)。


ゴ:陛下、男があの魔力に触れてはいけません。正常な判断が出来なくなります。王女様のためなら…と盲目になってしまいます。まだ子供で、女児の姿になれるようになったばかりですが、これが成人女性になってくると思うと恐ろしいほどです。


ミ、エ:同感ですわ。うん、うん(頷く)


ジ:ええ~~、ならば、尚更、今のうちではないか。フィオナが子どものうちだけならば、今すぐにでも、わしもフィオナの魔力に触れてみたい。


ゴ、ミ、エ:ダメです(わ)。


ジ:イヤだ。わしだけ仲間外れではないか。みんな、フィオナの魔力に触れたことあるのに、ズルいぞ。わしだってフィオナの魔力に触れたい。


ミ:仕方ないですわね。一回だけならOKといたしますか?皆様。


ゴ、エ:そうです(わ)ね。まぁ、一回くらいなら大丈夫でしょう。


ジ:よし。やった~。いつだ?いつにする?今からでもよいぞ。


ミ:今からからは、もう遅いですわ。子どもは寝ている時間ですわ。明日、私が王女様に魔法を教えている時間は如何ですか?


ジ:あいわかった。それでよい。皆もよいな。


ゴ、エ:うん、うん(頷く)


エ:皆様、気付けばたいへん遅い時間となってしまいました。まだまだたくさん話し合うべきことはありますが、続きはまた来月の定例会でといたしましょう。本日はこれで終了いたしますわ。ありがとうございました。お疲れ様でした。


『フィオナ王女を守る五星の会』の第一回定例会は、こうして閉会した。



会を終えたエリアノーラは、

今まで、母、伯父王、イーデアル公爵は、風格のある大人だと思っていたのに実際の彼らは…

『たいしたことないわね。私が一番まともだったわ。なんなら私だけでフィオナ王女様をお支えしても大丈夫そうだわ。』

妙な自信を持ったのだった。

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