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52.二年生春の遠足

2の月になった最初の週に、遠足があった。

二年生は、近くのキャンプ場まで歩いて行き、バーベキューをして、キャンプ場で自由に遊び、また学校に戻って来るという予定だった。


フェリオは、新しいクラスでもクラスメートの男児たちと仲良くしていた。

バーベキューをしてお腹いっぱいになった後、キャンプ場を流れる小川で水遊びをすることになった。

春の小川の水は、まだ冷たく、最初は控え目に遊んでいたクラスメートの男児たちだったが、だんだん水の掛け合いになっていった。

そのうち、他のクラスの男児たちも集まってきて、水の掛け合いは更にエスカレートしていった。


水の掛け合いには、フェリオの一年生の時のクラスメートの男児も多くいた。

アーロンや、ジンクスたちだ。

ドルザッグは、その様子を見ていた。楽しそうだと思いながらも、侯爵家の嫡男としてのプライドが邪魔をして、仲間に入れて欲しいと言えないでいた。


「「「おーい、ドルザッグくん、一緒に遊ぼうよ~。」」」

ドルザッグが見ていることに気付いたフェリオ、アーロン、ジンクスが、大声でドルザッグを呼んだ。


「王子殿下に呼ばれたから、仕方ないな。」

本当は、嬉しいくせに、周りで見ていた貴族の子息たちにそんな言い訳をしながら、小川に降りて行き、フェリオたちと一緒に水遊びを楽しんだ。


当然、みんなびしょ濡れになった。

遊んでいる間は楽しかったが、少し寒い。着替えなんてない。


男児たちは、服を脱いで、絞り、魔法で乾かしてまた着た。

フェリオも同じように服を脱いで絞っていた。

ドルザッグは、フェリオの様子を見ていた。

フェリオの体を見ていたのだ。ヘンタイだった。


ドルザッグの見たフェリオの体は、剣術で鍛えた逞しい上腕二頭筋と引き締まった腹筋、そして胸は、鍛えられた厚い大胸筋で周りの男児たちよりも逞しい男らしい体だった。

『くぅ~、そのかわいらしいお顔に全く似合わないその逞しい体。男らし過ぎます。』

がっかりして、びしょびしょの服を着たまま項垂れた。


フェリオは、自分の服を乾かして着た後、友達の男児たちが魔法で服を乾かすのを手伝っていた。

そして、びしょびしょまま項垂れているドルザッグに気付いたが、彼は四星だったので、自分でなんとかするだろうと思い、スルーした。

そして、その水遊びをきっかけに、ドルザッグは、自分のクラスの平民の男児たちと仲良くなった。



因みに、女児たちは、冷たい水で水遊びをしてはしゃぐ男児たちを冷ややかな視線で見ていたのだが、

男児たちが服を脱ぎ出すときゃあきゃあと騒がしくなり、

フェリオが上半身裸になると、視線がフェリオに集中していた。


そして、彼女たちと同じようにフェリオを見ていたドルザッグは、一部女児の間でヘンタイとして、極一部女児の間で神的立ち位置の存在として話題になった。



遠足のキャンプがとても楽しかったフェリオは、いつもの大叔母ミューラの魔法指導(と言う名前の雑談)の時間に話した。


自分たちで火をおこして、バーベキューをしたこと

友達と小川で水遊びをしたこと

素手で小魚を捕まえたり、昆虫を捕まえたこと


王宮で生まれ育ったフェリオは、そんな経験をしたことがなかった。


フェリオ(フィオナ)の話をニコニコと聞いていた大叔母ミューラは、一学期末休みなったら、ノーストキタ公爵領に遊びに行くことを提案した。もちろん、保護者である国王陛下の許可が必要であるし、勉強や、剣術の先生たちのこともある。早めに申請する必要がある。フィオナは、『行きたい。』と即答した。

そして、その日のうちに、国王陛下と相談した結果、数日後にノーストキタ公爵領滞在訪問の許可が降りた。



「フィオナちゃん、うちの馬鹿娘に会ったことあるわよね?私の言うことに未だに反抗ばかりする引きこもり馬鹿娘が何を言っても放っておいていいわよ。」


「ノーストキタ公爵様ですわね。フェリオの姿ではもちろん会ったことありますが、挨拶程度の会話しかしたことないですわ。王宮でお見かけすることもほとんどないですし。」


「重要な時しか王都に戻って来ないのよ。あの馬鹿娘。公爵代理をしている弟に丸投げよ。何であんな馬鹿なのかしら。理解出来ないわ。」


「言い過ぎですわよ。ミューラ様。ノーストキタ公爵様がお可哀想ですわ。」


「いいのよ。あの娘は、子どもの頃からずっと馬鹿なのよ。少し私が厳しくしただけで、すぐ逃げ出すワガママ娘なのよ。ノーストキタ一族があの娘を甘やかしてばかりいるせいですわ。未だに自分の立場が分かってないのよ。あの馬鹿娘は。」


「ノーストキタ公爵様は、父の第二妃候補だったと聞いてますわ。」


「ええ、公爵家の五星の女性は、王族に嫁ぐことが多いのよ。五星の王子を得るためには仕方ないことだと思いますわ。お互いに納得出来なくても。」


「父もノーストキタ公爵様も納得してなかったのですか?」


「ええ、エドガーは子どもの頃からずっとマリアンヌ様一筋よ。それこそ、初等学校に入る前からよ。エリアノーラもエドガーのことは年の離れたいとこのお兄さん程度にしか思えなかったみたいですわ。婚約者候補もお互い嫌がってましたわ。五星の王女は四大公爵家に降嫁。五星の公爵令嬢は王族に嫁ぐ。五星女性は、なかなか厳しいですわよ。フィオナちゃんは、降嫁しないから相手選びはまだ多い方だけどね。」


………


大叔母ミューラの魔法指導(と言う名前の雑談)の体感時間は、いつもあっという間だった。

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