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47.新学年 SIDE:フェリオ

自分の魔力のせいで、四星の四人はぐったりしている。

保健室に運ばれた。

自分が魔力を拘束した一人は、失禁までしている。


「ごめんなさい。ぼくは、ぼくは魔力で人を傷つけた。」


「「フェリオくん、フェリオくん。ごめんね。オレたちフェリオくんが助けてくれたのに、どうすることも出来なかった。」」


「アーロンくん、ジンクスくん、ぼくが悪いんだ。怒って遣り過ぎた。ぼくが自分を押さえることが出来なかったせいなんだ。」


「フェリオ王子殿下、殿下をお止めするためとはいえ、殿下を魔法で攻撃するとはあってはならないことです。如何なる処分も受ける覚悟は出来ています。申し訳ありません。」

サラ先生にも謝られる。


「頭をあげて下さい。サラ先生。悪いのはぼくです。サラ先生が止めてくれなかったらぼくはどうなっていたか分かりません。」


「フェリオ王子殿下。このことは学長を通じ、殿下の保護者の国王陛下、王妃陛下、後見人のゴルディオ・マ・イーデアル公爵様に報告いたします。如何なる処分も受けます。申し訳ありません。」


「サラ先生、ぼくが悪いのに、どうして先生が処分されるのですか?」


「すぐ、王宮に連絡します。申し訳ありませんが失礼します。」

サラ先生は、行ってしまった。


「ぼく、保健室に行ってくる。」

自分のせいで、サラ先生や周りにいた同級生に迷惑がかかる。

慌てて保健室に行った。

保健室では、失神して、失禁したドルザッグくんが着替えさせられていた。

残りの三人は、それぞれ個別のベッドに寝かされているようだ。


「ぼくのせいでみんなを傷つけてしまいました。会うことはできますか?」


「少し待って下さい。」

保健室の先生は、ドルザッグを着替えさせている途中だったので、手伝った。

その後、保健室の先生が、一人一人のベッドに連れて行ってくれた。


幸い、ドルザッグくん以外の三人は、直ぐに意識が戻り、無事だった。

ぼくは三人に謝った。

三人はしばらくベッドで休んでいたが、元気になり教室に戻った。

ドルザッグくんだけは失神したまま目を覚まさなかった。


「先生、ぼく、このままドルザッグくんを見ていていいですか?ドルザッグくんが目を覚ましたら、先生にお伝えします。」


「ええ、お願いいたします。フェリオ王子殿下。学長に報告に行きますので少し席を外してもいいですか?すぐ戻って参りますので。」


「はい。大丈夫です。」


「お願いいたします。フェリオ王子殿下。」


保健室の先生は学長室に行ってしまった。保健室はぼくと失神したドルザッグの二人になった。彼はなかなか目を覚まさない。ぼくはドルザッグくんに魔力を送ることにした。


彼は四星なので、万が一にも遣り過ぎないように細かい魔力操作ができるフィオナの姿で魔力を送ることにした。

失神しているし、誰もいないから大丈夫だろうと、フィオナの姿になって、ゆっくりゆっくり優しく優しく魔力を送る。しばらくフィオナの姿で魔力を送っていたら、彼ががぱちっと目を覚ました。


『ヤバい。』

即、元の姿になった。体に激痛が走る。

『痛~~っ。』

ぽろりと涙が出てしまった。


彼は、まだ少し微睡んでいるみたいだ。


『大丈夫かな?フィオナの姿、見られてないよね?』

ドキドキしながら、彼に話しかけた。


「気付いた?良かった。ごめんね。ぼく、怒って思わず魔力を拘束しちゃったんだ。遣り過ぎたって思ってる。本当にごめんなさい。」


「いえ、殿下。悪いのはオレいやぼくです。ぼくが殿下の友達を傷つけてしまったから。殿下がお怒りになったのはぼくが悪かったからです。申し訳ありません。あの二人は大丈夫でしたか?」


「あっ、うん。大丈夫だよ。ぼくの方こそ、ごめんね。失神してしまうほど、君を傷つけてしまった。」


「いえ。大丈夫です。殿下はぼくに魔力を送ってくれていたのですね。ありがとうございます。」


「うん。ぼくのせいだから。」


彼と仲直りしていると保健室の先生が戻ってきたので、後は先生に任せて、ぼくは急いで教室に戻った。

ぼくにはまだまだやらなきゃいけないことがたくさんあった。

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