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45.大叔母の魔法指導?

フェリオは、フィオナの姿で、初めて大叔母ミューラの魔法指導を受けに行った。


「大叔母様、よろしくお願いいたします。」


「ミューラよ。」


「はい、ミューラ大叔母様。よろしくお願いいたします。」


「だから、ミューラよ。」


「はい?」

意味が分からない。大叔母は何が言いたいのだろうか?さっきから、大叔母は自分の名前しか言ってない。


「ミューラよ。『大叔母』なんて嫌。要らないわ。」


「ですが、大叔母様、そう言う訳には…」


「返事しないわよ。」


フィオナは、混乱した。大叔母は、こんなキャラだったのだろうか?フェリオの時と全然違う。祖父の異母妹、元王女の大叔母は、風格のある大人の女性だと思っていた。こんな子供っぽい大叔母は初めてだった。

フィオナは、驚いて、目を大きく見開いたまま、大叔母を見、何を言っていいのか分からなくなった。


「ミューラよ。言ってみて。ミ・ュー・ラ。」


「ミューラ大叔母様?」


「だから、ミューラだけでいいのよ。」


「…ミューラ様。」


「まぁ、仕方ないですわね。それでいいですわ。二人だけの時には、『大叔母』なんて、なしですわよ。」


「はぁ?分かりましたわ。大…ミューラ様。」


「ねぇねぇ、私、フィオナ王女様に聞きたいことがたくさんありますのよ。」


大叔母ミューラは、魔法の練習よりも、フィオナに色々質問し始めた。フィオナは、魔法を練習をする前に自分のことを知る必要があるのかと思って、答えていたが、何か違う気がした。

…好きな食べ物、好きな色、趣味、学校生活など魔法とは全く関係ないと思った。素直に答えてはいたが、学校で気になる男児(女児)がいるのかと聞かれた時、別にそんな子はいなかったがさすがにそれは魔法と全然関係なく答える必要もないと思った。


「ミューラ様。あの、魔法の練習は、いつ始めるのですか?」


「もう始めているわ。」


「へっ?」

フィオナは思わず間の抜けた返事をしてしまった。

大叔母ミューラの質問に答えているだけで、他は何もしていない。


「だから、何を聞かれても、何をされても、喜怒哀楽の感情に左右されない練習よ。如何なる時でも魔力を乱れさせないようにする練習ですわ。」


『嘘でしょ~~???』

フィオナは、呆然としてしまった。


そして、大叔母ミューラの魔法の練習は、初日だけでなく、だいたいいつも雑談で終了だった。

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