【閑話:1】21.担任の先生 5
入学式の次の日の放課後、フェリオ王子殿下のご希望通り、初等学校の間、殿下の王族特別扱いはなしの許可が降りたという連絡が入りましたわ。
明日は休日でしたので、その次の日の朝のクラス会の時に、子どもたちの前で発表しましたのよ。
子どもたちは、『わぁ~、よかったね。』ってみんな喜んでましたわ。
『はぁ~~、可愛い過ぎるわ。みんな、何て無邪気で可愛らしい笑顔なのかしら。癒される~。このまま、初等学校の担任の先生を続けるのもいいわね。』
なんて思いながら、その日の授業を終わらせて
職員室に戻る途中に、フェリオ王子殿下に呼び止められました。
「先生。サラ先生。」
「あら?フェリオ君、どうしましたか?」
「先生、ありがとうございます。こんなに早くぼくの希望通りになったのは、先生のお陰ですよね。ぼくの剣術の先生のドジルから聞きました。本当にありがとうございます。」
「私は、学長に報告しただけで、特別なことは何もしていませんよ。お礼なんて言わなくてもいいのですよ。」
「先生、ぼくは、先生がドジル・レリ・ワトソン夫人って気付きませんでした。ドジル・レリ・ワトソン夫人は、王立王都第一高等学校の魔法学部魔法医療学科の教授『サラ・マ・ヨーデキール先生』と聞いていましたので。」
「……」
「先生のお陰でぼくはずっとみんなと仲良くできます。ありがとうございました。」
「フェリオ君、私は、本当に何もしていません。いいのですよ。」
「はい、先生。…ところで?」
「どうしましたか?」
「王都第一高等学校の魔法学部魔法医療学科教授『サラ・マ・ヨーデキール先生』といえば、魔法学と魔法医療学教育の第一人者、王宮魔力研究所とも関わりの深い方ですよね。」
「……」
「どうして、初等学校の担任の先生をしているのですか?」
『フェリオ王子殿下の担任の先生になりたかったからです。』
なんて本当のことを言えない私は
「む、息子が高等学校の魔法学部に入学希望していて、え~っと、親子では、少しやりにくいような気がしたから?かしら?え~っと、そうそう、幼い子供の魔力に触れることが新しい魔法研究開発の役に立つのではないかと考えたからですよ。」
などと苦しい言い訳をしたのでした。




