表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/710

【閑話:1】20.担任の先生 4

 王族は、初等学校の皆平等の枠から外れますのよ。

そもそも、王族が初等学校に通う理由は

将来自分の治める国家の視察や信頼できる将来の側近選びをかねてますの。

勉強を目的とする貴族平民とは違うのですわ。王族は幼児教育の時点で初等学校レベルの教育は終わってますもの。


 王族には、敬意をはらわなければなリません。生徒だけでなく、教職員も、皆。

ですが、フェリオ王子殿下は

「初等学校は皆平等と聞いて入学した」

とおっしゃいました。


 おかしいですわね。知らないはずないのですが…。

自分も皆と平等がいい、特別扱いはしないで欲しいとおっしゃって、あの騒ぎを上手く収めたのですわ。


 素晴らしい神対応ですわ、フェリオ王子殿下。

流石、将来の国家を背負って立つだけあり、器の大きさが違いますわね。

お母上のマリアンヌ様も、学生時代に素晴らしい神対応をなさる方でしたが、殿下も同じですわね。優しいお顔立ちも何もかも、私たちのマリアンヌ様にそっくりですわよ。

この場で即OKとは出来ませんが、この私にお任せ下さい。必ず殿下のご希望に添えるように学長に報告致しますわ。


 私が心の中でそう思っていましたら、子どもたちの笑い声。

トラブルがあった時には、一歩引いて王族と関わらように殿下を避けようとしていた子どもたちが、殿下の神対応と何気ない一言で、クラス全員殿下に親近感を持ったようでした。

 よかったですわね、フェリオ王子殿下。

殿下の初等学校の三年間が素晴らしい学生時代となるように私、サラ・レリ・ワトソンが全力でお支え致しますわ。


 そうね、先ずは、学長のところに行って、直談判よ。それから、初等学校教育管理局に連絡すればいいのよ。

これで、初等学校の三年間殿下のご希望通りになりますわ。

その後は…私、三年後に中等学校に転勤希望出そうかしら。 



 放課後、私はすぐに学長のところに行って

殿下が特別扱いではなく皆と平等にして欲しいと希望されていることを報告し、学長から初等学校教育を担当する王国初等教育管理局に報告書を上げさせましたわ。

もちろん、超特急ですわよ。

さすがにその日のうちの対応は不可能でしたが、近日中には返答を頂けるらしいですわ。


 私は、その日、自宅で夫に話しましたのよ。殿下の素晴らしさについて。すると彼は、

「そうだろう、そうだろう。フェリオ王子殿下は、素晴らしいお方だ。剣術の稽古の時も、オレの指導を素直にお聞き入れくださって、その通りにやってのける才をお持ちだ。殿下は、礼儀正しく、気品もある。」

べた褒めでしたわ。


「ねぇ、ところで、私疑問に思ったことがあるのよ。」

「何だ?」


「どうして、殿下は、初等学校が平等なのは貴族と平民だけで、王族は特別扱いって知らなかったのかしら?」

「あ~~~っ、すまん、それオレのせいかも?」


「えっ?」

「オレがそう教えた。エドガー陛下の初等学校時代、オレらの学年は王族も平等だったから、王族は特別扱いになるのを忘れてた。すまん、すまん。」


「バカ、責任重大よ。すまんではすまされないわ。明日、殿下に謝罪しなさいよ。殿下の神対応のお陰で今回は大丈夫とは思うけど、他の王族だったら考えただけでも恐ろしいわ。」

「そうだな。ヤバいな。たいへんなことになるところだった。」


「もう、気を付けなさいよね。ところで、どうして私たちの学年は、エドガー陛下は初等科の時に平等を希望されたのかしら?」

「ああ、それな、最初は違ったんだ。」


「どういうこと?」

「初等学校入学当初は、エドガー陛下は特別扱いだった。オレら貴族の子息たちは、エドガー陛下に敬意を払い、平民は陛下に近付けさせないようにした。まぁ、お前のクラスのライラック子爵家の子息みたいに平民を殴ったりはしなかったがな。すると陛下が怒ったんだ。」


「どうして?」

「『お前たちのせいで、初等学校が楽しくないではないか。みんなで仲良くした方が楽しいのに。オレを孤立させる気か?仲良く出来ないヤツは、邪魔だ。オレの側に近付くな。』ってね。オレらは反省した。陛下の言う通りだ。楽しくない。みんなで仲良くしようと思った。そして、実際にその通りだった。オレらの初等学校時代は、平民も貴族も仲良くて楽しかっただろう?フェリオ王子殿下は、エドガー陛下にそっくりだな。どうすれば学校生活が楽しくなるかわかっていらっしゃる。」


 うん、うん、と満足そうに頷く夫を見て

『やっぱりフェリオ王子殿下は、マリアンヌ様似だわ。』

私はそう思ったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ