【閑話:1】17.担任の先生 1
私は、サラ・レリ・ワトソン。
王立王都第一初等学校で教師をしていますのよ。
年齢は、まぁ、そこそこの平均的な働き盛りの成人といったところかしら。
女性の年齢なんて言うものでも聞くものでもないですわ。
17歳の時、初等学校から高等学校まで一緒だった同級生のドジル・マ・ワトソンと結婚いたしましたわ。
ミドルネームの「マ」は、直系じゃないと名乗れないので、
ワトソン伯爵家の次男だった夫は、ドジル・レリ・ワトソンとなり、ワトソン伯爵家から独立しましたの。
次男以下が分家するときはミドルネームが「マ」から「レリ」に変わりますのよ。
本家か分家かすぐに分かるのも、いいような、悪いような?まぁ、身分社会だから仕方ないことかしら。
夫のドジルは王宮騎士団の団長を務めるゴリゴリマッチョのイケメン(妻の欲目)ですのよ。
フェリオ王子殿下の剣術の指南役も兼任するほど優秀(妻の欲目)ですのよ。
夫がしっかり働いてくれてるから、別に働く必要ないんだけど、私、昔から勉強好きで、人に教えることも好きなの。だから結婚して子供たちが生まれた後も研究と教師を続けているわ。
夫は忙しくても子育てに協力的だし、夫の母や私の母の手伝いもあって、私は仕事を続けていられる。本当にありがたいし、家族に感謝しているわ。毎日がとても幸せよ。
夫のドジルからも、フェリオ王子殿下の優秀さは聞いていたわ。剣術も勉強も魔力もマナーだって素晴らしく、正に王位を継ぐべきお手本のような王子殿下だと。自分が亡きエドガー国王夫妻の代わりに殿下をお守りすると、彼のいつもの口癖よ。
実は、夫も私も、亡きエドガー国王夫妻と同級生だったのよ。私たちの同級生は、みんなエドガー国王夫妻のことが大好きだったわ。あのお二人と同級生だったおかげで学校生活は、とても楽しく充実したものだったもの。みんな感謝していたわ。
そう、私たちの同級生は…
あら、いやだわ、年齢が…




