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111.三世代それぞれの思い

「父上、フィオナ王女様は、当たり前ですが、フェリオ王子様にそっくりですね。」


「まぁ、本人だからな。」


「しかし、男児の時と全く印象が違います。フェリオ王子様は、男児らしくがっちりとした体つきで筋肉質です。少し前に剣術の稽古を見ましたが、大人の男性相手にも負けず力強く打ち込まれていました。腕前もなかなかのものでした。

ところがフィオナ王女様は、言葉遣いも仕草も、全て女児らしく、お可愛らしく思いました。本当ににどこからどう見ても完璧な王女様です。小さい頃のマリアンヌ異母姉上によく似ています。違うのは、目くらいでしょうか。あの大きな瞳は、エドガー陛下譲りですね。いや、王族の方々は、皆さん、よく似た大きな瞳をしています。目力が強く、安心感があるというか、頼りがいあるというか。そのような印象を受けます。」


「そうだな。全体的な顔立ちと雰囲気はマリアンヌによく似ているのだが、あの大きな瞳はマリアンヌと全く違い、王族らしく、頼りがいのある印象を与えるものだ。フィオナ王女様の魅力をさらに増しているように思う。」


「しかし、笑ったお顔は、優しいマリアンヌ異母姉上にそっくりです。まるで、マリアンヌ異母姉上がいらっしゃるようで、涙が出そうになりました。」


「マリアンヌが命をかけて産んだ子だ。お前もフィオナ王女様を支えて欲しい。」


「はい、父上。私は、決めました。レリーリアラの言う通りをノーストキタ公爵様にお伝えしようと思います。そして、私は、フィオナ王女様が男性を選ぼうと女性を選ぼうとあの子がフィオナ王女様にお仕えしたいと言うなら、私は、それを許すつもりです。」


「分かった。この国の将来は、フィオナ王女様にかかっている。イーデアル一族は、フィオナ王女様と共に在ろうぞ。」


「はい、父上。」


「ノーストキタ公爵様とのお約束の日は、明日だ。お忙しいだろうにレリーリアラのために時間を作って下さった。ミューラ様がレリーリアラに何を言ったかは分からないが、その通りをお願いしよう。」


「はい。父上。」



…………………………………


フィオナ様は、朝、馬車でお迎えに行った時から何か悩み事があるご様子でした。

私と弟妹と四人で遊んでいる時も、時々、心ここに有らずみたいなご様子でした。

昼食後、私の部屋で二人でお話をしていた時、突然フィオナ様に抱きしめられてドキドキしてしまった。

フィオナ様の悩み事の内容は、私には意味が分かりませんでした。


1、フィオナ様のせいでご両親たちが亡くなったと思っていた

←たち…亡くなられたのはご両親の他にも誰かいらっしゃる(予想)

←ご両親…母のマリアンヌ伯母様は産後の日達が悪くて亡くなられた。父のエドガー陛下は病死となっているが、フィオナ様の出生の時に何らかの原因でお二人揃って亡くなられた可能性がある(予想)


2、フェリオ王子様とフィオナ様の存在を否定した。父親を恨んだ。

←フェリオ王子様はずっと王宮でお育ちになられた。フィオナ様はずっとイーデアル領の本宅でお育ちになられた。別々にお育ちになられたことでお互いが他人のような存在になった(予想)

だけど、お二人は、本当にそっくりのご兄妹。男女の違いだけで他は全て同じ。エドガー陛下には会ったことないけど、お二人の大きな瞳は王族の方々の特徴と一致する。そして全体的なお顔立ちはシーランお祖母様に似ていらっしゃる。マリアンヌ伯母様はシーランお祖母様に似ていたらしいのでお二人とも母親似と思われる。そして、お二人共に膨大な魔力を持つ王族系の五星。マリアンヌ伯母様は四星なので、父親は絶対エドガー陛下。えっ?まさか、お二人の本当の父親はエドガー陛下ではなくのエドガー陛下の父親の国王陛下とか?嫌がるマリアンヌ伯母様を無理矢理国王陛下が手込めにして二人は産まれたとか?もしくは、エドガー陛下に何らかの問題があり、マリアンヌ伯母様は国王陛下のお子を懐妊した際にエドガー陛下のお子と偽ったとか?双子なのに、父親が違うとか?片方がエドガー陛下のお子で片方が国王陛下のお子とか?それで別々にお育ちになり、父親のエドガー陛下が亡くなったせいで、フィオナ様はイーデアル領に行かされたから恨んでいる?とか(予想)



フィオナ様は、今は詳しく話せないとおっしゃっていた。極一部の人間だけが知る秘密があるのだろう。三年後に話して下さると言っていたから、考えない方がいいのかも知れない。


ミューラ様、シーランお祖母様、お祖父様、お父様…。皆、女性のフィオナ様のお相手が、同じ女性の私なのに、誰一人として反対しない。フィオナ様も、フェリオ王子様のお相手は自分のお相手と言っていた。来年、フェリオ王子様は王太孫として立つご予定なのに、まるで、フェリオ王子様ではなく、フィオナ様の方が王位を継ぐかのような口振りだった。


フィオナ様とフェリオ王子様は、そっくりだと思う。だけど、私にとってフェリオ王子様は同い年の従兄。イケメンだと思うし、侯爵家の嫡男以上の男性の中では一番マシだと思う。好きでも嫌いでもないけど、自分を選んで欲しいと思うくらいには好きだ。

だけど、フィオナ様は、違う。フェリオ王子様と同じで私の従姉になるのにまだ三回しか会ったことがないせいか、従姉と言う感じがない。


初めて会った時、優しい魔力で私の目元を治してくれた。

二回目に会った時、フィオナ様の魔力がノーストキタ侯爵様よりも強いと知った。王宮に戻ったばかりなのに、五星の方々に大切に思われていると思った。

そして、今日、抱きしめられてドキドキした。頬にキスされて、ドキドキした。好きだと言われて、ドキドキした。妃にと言われてフィオナ様の妃になりたいと思った。あの大きな瞳で見つめられると、私の心の中まで読まれているみたいでドキドキして顔が熱くなった。私、私は…。

たぶん、私、フィオナ様を好きになってしまった気がする。

家族を好きな感情とも、学校の友達を好きな感情とも違う。元々、フィオナ様のお側でお仕えしたいと思った時から好きだとは思っていたけど。


いつから、フィオナ様を意識したのかしら?もしかしたら、ミューラ様にフィオナ様を落とせと言われた時からかしら?同じ女性なのに意味不明だと思っていたけど、フィオナ様を意識させられていたのかも知れない。


そして、今日は…。もう、フィオナ様以外の相手なんて考えられないくらい意識させられた。

もうダメだわ。認めなくては。たぶん、好き?なんかじゃないわ。

私、ずっとフィオナ様のお側にいたい。フィオナ様が好き。

ミューラ様、ミューラ様は私にフィオナ様を落とせとおっしゃいたましたが、落とされたのは私です。

私、フィオナ様を好きになってしまいました。

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