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110.SIDE:フィオナ・マ・アール

ずっと妹みたいな存在だと思っていた。

ただの同い年のいとこで、女の子だと思ってなかった。

以前、ミューラ様と話した時、そういえば彼女は公爵家の令嬢だったと初めて意識した。

フィオナの姿で初めて会った時、彼女のことをいとこではなく、女の子だと思った。女の子と何を話したらいいのか分からなかった。

学期末休みの最初の日にも、彼女は会いに来てくれた。嬉しかった。でも、自分が庭園に誘ったばかりにたくさんの大人たちに邪魔されて、彼女とあまり話すことが出来なかった。なのに彼女はまた会いたいと言ってくれた。

今日、久しぶりにイーデアル公爵家に来た。最近、フェリオとフィオナの存在に悩み、父を恨み、母を恋しく思っていた私は、母の実家で母の家族と楽しく過ごす彼女を羨ましく思った。優しく弟妹と遊ぶ彼女が眩しく見えた。

彼女には悩み事があった。ずっと悩んでいたけど、自分の人生は自分で決めることにしたと言った。私は彼女の話を聞いて、悩んでいた自分を馬鹿だと思った。そして、彼女の決意を応援したいと思った。

彼女の悩み事を聞いた。イーデアル公爵家は、母の実家。私も力になりたいと思った。守りたいと思った。

それから彼女のことも私が守りたいと思った。彼女を婚約者に渡したくないと思った。私は、彼女を好きなんだと思った。いつから?もしかしたら彼女をいとこではなく女の子として意識した時から気になっていたのかも知れない。


…………


「フィオナ様は、女性ですわよね?」


「そうよ。」

フィオナの姿の時は気をつけている。頭から指先、足先まで、言葉遣い、仕草、全てを女性らしく、そして自然に、丁寧に、王女らしくと気を遣っているつもり。


「えっと、私も、女性ですわ。フィオナ様のお相手が同じ女性の私でいいのですか?フィオナ様は、王位継承権を持つ王家の王女様ですわ。男性を選ばないといけないのではないのですか?」


「えっ?男なんて嫌よ。あれっ?ちょっと待って。よく考えたら、私の相手は男性でないといけないのかしら?」

ずっと自分は男だと思っていた。今も普段は王子として学校に通い過ごしている。同級生の男友達はただの友達。フェリオが男友達を好きになるようなことは絶対ない。フィオナは分からないけど、これだけ女児を意識させておいて、女性でなく男性を好きになれなんて無理だと思う。私は、守られるより、守りたいのよ。抱きしめられるより、抱きしめたいタイプなの。彼女は、私に抱きしめられたまま大人しくしている。嫌がってはいないみたい。だけど、彼女は私のことをどう思っているのか分からない。嫌われたくないから、そろそろ離れる。


「普通はそうですわね。」


「そうよね。普通は…。でも、私は普通じゃないからいいのよ。私は、私の好きなようにするわ。あなたが私の子を産んでくれたらいいのよ。私、いっぱい子供が欲しいわ。第二妃を迎えても大丈夫かしら?私、父親の二の舞は嫌なのよ。」

そうよ。父のせいでいろいろたいへんよ。私は、絶対に父のような国王にならない。次世代の王族は私一人。一人ぼっちなんて私だけで十分よ。私は、いっぱい子供が欲しい。最低でも三人くらいは欲しいわ。


「王族や貴族の嫡男等に第二妃や第二夫人がいることは、普通だと思っていますわ。」


「そう。ならよかったわ。私、いっぱい子供が欲しいの。五星でも四星でもいいわ。男でも女でもいいわ。あなたに私の子供を産んで欲しいわ。」


「はい。…ではなくて、女性同士では子供が出来ませんわ。」


「私は普通の女性と違うから大丈夫と思うわ。たぶん。試してみたくてもまだ子供だから無理だけど。そうだわ、三年後の12歳くらいになれば大丈夫かしら?でも、レリーリアラは、まだ11歳ですわよね。少し厳しいかしら。いえ、待って、結婚前にレリーリアラの乙女を奪ってはいけないわ。そんなことをしたら、レリーリアラを第一王妃に出来なくなってしまうわ。困ったわ。」

今は、男でも女でもそれほど大きな違いはない。中等学校くらいになれば、男女の体の違いが出てくるだろう。父の呪詛だが、フェリオの体は、普通の男児だと思っている。声も体格もフィオナとは少し違う。たぶん大丈夫とは思うが、分からない。大きくなってからのことは、今考えても仕方ない。


「まぁ、三年後に考えてたらいいわ。どうにかなるわ。いえ、どうとでもするわ。四星以上なら誰を選んでもいいってお祖父様も言っていたわ。問題なしよ。」

お祖父様が選ぶ相手なら、特に不満を言うつもりはなかった。父のように母に固執するなんて馬鹿だと思った。王家の将来を考えたら複数の妃を持つべきだと思ったから。五星王子どころか、王家の子供がいない。私だけだ。そして、公爵家も、次世代の、私より年下の五星は、西の公爵家の三歳の女児だけだ。この国の将来を支える五星がいない。五星がいなければ、国家が危うい。だから、複数の妃を迎えるつもりでいる。相手は元々少ないから、限定されてくる。なら好きになる必要も嫌いになる必要もない。そう思っていた。

でも、今、彼女にはずっと側にいて自分を支えて欲しいと思った。誰でもいいなんて、そんなことはない。フィオナの姿もフェリオの姿も、一人の人間として私を受け入れて欲しい。呪詛を知ったうえでそれでも私を選んで欲しい。自分が彼女を選ぶのではなく、彼女に私がいいと言わせたい。


「ところで、レリーリアラが西の公爵家の次男坊が嫌だったのは分かったけど、それはもしかして、他に好きな人がいるからだったりする?ライバルのことは知っておかないと闘えないわ。」

もし、彼女に好きな人がいるなら、どんな男か知る必要がある。彼女に選ばれるためには、私は、その男よりもいい女にならないといけない。


「いえ、別に好きな人がいるからではありませんわ。私の相手は、どうせ侯爵家の嫡男以上、四星以上の方なので誰かを好きになっても無駄だと最初から諦めてましたわ。」


「そう。ならよかったわ。私は、王女だから問題なしね。私を好きになったらいいのよ。」

彼女に好きな人はいないようだ。よかった。だけど、安心は出来ない。既に婚約者がいる女性を無理矢理自分の婚約者にすることは出来ない。


「そうだわ。三年以内にレリーリアラに他に婚約話がこないように今のうちに予約しておこうかしら?王宮に戻ったら、お祖父様に言ってみるわ。」


おそらくフェリオの婚約者候補には入っているはずだ。フェリオの婚約者なら、彼女が他の男の婚約者になることはない。


「私、フェリオ王子様の婚約者になったとして、三年後にフィオナ様を選んでも大丈夫なのですか?」

彼女の言葉に驚く。彼女は、男のフェリオよりも女のフィオナの方が好きなのだろうか?


「あらっ?三年待たなくても、私の婚約者になることをOKしてくれていると自惚れてもいいのかしら?」

そう言ったら、彼女の顔が赤くなった。かわいい。冗談なのに。でも、確かに、フェリオの婚約者がフィオナの婚約者になるのは難しいかも。まぁ、その時は、フェリオの妃になればいいけど。

彼女に婚約話がこないように、予約しておこうと思ったけど、止めることにする。私は、彼女に選んでもらえるくらいいい女になると決めた。



幻影魔法、問題ないわ。フィオナもフェリオも私よ。何故出来ないと思っていたのかしら。不思議だわ。

それより早く王宮に戻ってお祖父様にいろいろと相談してみよう。やることがたくさん出来たわ。

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