1.プロローグ
初投稿です。
誤字脱字や読みにくいと感じられることもあるかと思いますが
よろしくお願いいたします。
主人公以外のいろいろの人の視点からも
物語が進みます。
主人公以外を読み飛ばしても大丈夫な時と読み飛ばすと分からなくなってしまう場合がありますので、ご注意下さい。
ゴ・リキ・マ・アール王国の王孫王子フェリオは、もうすぐ七歳になる元気な王子だ。
フェリオには両親がいない。祖父の国王ジャン・マ・アールから、彼の両親は二人とも彼が生まれてすぐに亡くなったと聞いている。
しかし、フェリオには会ったことはないが双子の妹がいるらしい。妹は、フィオナと言う名前で、体が弱く、亡くなった母の実家のイーデアル公爵家で養生している、と聞いている。
祖父母はいるが、忙しく、一人淋しく感じていた彼は、妹に会いたいといつも思っていた。
フェリオの七歳の誕生日、王宮でパーティーが開かれた。
たくさんの貴族、令息、令嬢が招かれ、フェリオに挨拶してくれた。
王宮からほとんど外に出たことがなく、勉強も剣術も魔法も全部大人の先生と一対一で教えてもらっていたフェリオにとって、同じ年頃の子供たちと交流するのは、楽しかった。
来年の春、1の月になると、フェリオは王立初等学校に通う予定だ。
『初等学校に行けるようになったら、毎日友達と遊べるし、勉強も出来るんだ。』
パーティーで同じ年頃の子供たちと遊んでとても楽しかった彼は、来春初等学校に行くことがとても楽しみになった。
そうして遊び疲れたフェリオは、その日、早く寝てしまった。
寝始めてからだいぶ時間が経った真夜中、突然、体全体に痛みが走った。
びっくりして目を覚ましたが、痛みはすぐに治まり、遊び疲れていたのでまたすぐに眠ってしまった。
だが、その日をきっかけに、毎日夜寝ていると体に痛みが走るようになった。
フェリオは、痛みのことは少し気になったが、いつもそれはすぐに治っていたので無視して寝ていた。
寝ている時なので、正直気付かない時もあった。なので、祖父やお付きの者などに相談することもなかった。
誕生日から数ヶ月経ったある日、いつもの痛みで目を覚ましたフェリオは、たまたまトイレに行きたくなった。
起き上がってトイレに行ったフェリオだったが、そこで自分の大事なモノがなくなっている事に気付いた。
が、『寝ぼけているのかな?』と、特に気にせず、用を足し、再び眠りについた。
それ以降痛みで目を覚ました時に何度かトイレに行ったが、やはりモノはなかった。
不思議に思ったが、朝起きるといつも通りちゃんとあるし、昼も夜も起きている時は別段変わったこともなかったので、やっぱり特に気にせずにいた。
初等学校に入学する約1ヶ月前のある日、フェリオは祖父王に呼び出された。
「1の月の入学式の準備は、出来ておるか?何か足りない物はないか?」
祖父王にそう問われたので
「特に問題ありません。足りない物もないです。」
フェリオは答えた。
「そうか。しかし、何か心配な事があったら、ちゃんと言うのだぞ。遠慮することない。何でもいいから言ってみよ。」
祖父にそう言われて、フェリオは暫く考えた。
そうして、特に相談しようとは思っていなかったが
いいきっかけだったので、夜中の体の痛みと、その時に大事なモノがなくなってしまうことを話すことにした。