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ウィザードオブバージン  作者: チャンドラ
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犯人探し

「それでは改めて状況を整理しよう」

 マリー先生は事件解決方法についての議論を仕切り出した。

「事件が起きたのは今年度に入ってから二週間目から。計五人の生徒が退学することになった」

「先生、その五人の生徒は全て一年の生徒ですか?」

 俺はマリー先生に質問した。


「いや、一年は松組が二人、竹組が一人、あとは二年と三年に一人づつだ。ちなみに二年と三年はどちらも梅組の生徒だった。ちなみに全員男子生徒だ」

 一年が襲われるのが多いというのは何か理由があるのだろうか。それと全て男子生徒......

「先生、五人の生徒には事情聴取を行ったんですか?」

 質問したのは生徒会長の渋谷さんだった。

「ああ。一応五人から話を聞いた。しかし魔法が使えなくなった前の日、何があったか覚えていないというんだ。帰宅中の記憶がないそうだ。私の嘘を見抜く魔法もつかったが嘘偽りはなかった」

「それは......記憶を消されているということですか?」

 口を開いたのは鈴鐘だった。


「恐らくはそうだろう。帰宅中に生徒たちは何者かに襲われ、魔法が使えないようになり記憶を消されたということなんだろうな。まぁ、不純異性行為という可能性も否定できないわけじゃないが」

 淡々とマリー先生は説明した。すると、副会長の泉さんは苦しそうな顔をした。

「先生......不純異性行為をしていないのかもしれないのに生徒たちは退学になるのでしょうか?」

 泉さんは無表情でマリー先生に訊いた。恐らくは退学した生徒のことを気がかりに思っているのだろう。

「ああ。この学校は魔法を教えるところだからな。不純異性行為だろうがなかろうが魔法が使えなくなったらこの学校にいる意味はない。厳しい言い方をするがな」

「そんな......そんなのって」

 優しいな泉さん。だがこの学校では周りを蹴落としてでものし上がっていかなければならない風潮がある。いちいち気にかけていたら身がもたないだろう。


「先生、退学した生徒と会うことってできますか?」

 俺はとある考えが閃いた。

「多分できると思うが。それがどうかしたか?」

「会わせていただけないでしょうか。僕に考えがあります」

 退学した生徒の失われた記憶を呼び覚ませばいい。そうすれば一発で犯人が分かる。

「何か方法があるのか?」

「ええまぁ」

 俺はそう答えると渋谷さんが、

「藤嶋君、その方法とやらを聞かせてもらえないかな?」と真顔で訊いてきた。

 できれば答えたくはないが理由もなしに退学した生徒をマリー先生に連れてきてもらうわけにはいかないか。


「俺は失われた記憶を呼び覚ますことのできる魔法を使える魔法使いを知ってます。その人に力を借りようかと思って」

 するとみんなはとても驚いた顔をした。

「そ、そんな魔法使いがいるの?」

 泉さんが訝しんでいる。

「ええ、もちろん」

「そうか、藤嶋がそう言うなら間違えないんだろう。この学校も優れた魔法使いがゴロゴロいると思ってるが世の中は広いな」

 マリー先生は俺の話を信じているようだ。

「藤嶋君。それでその魔法使いとはいつ会える?」

 真っ当なことを渋谷さんは訊いてきた。問題はそこなのだが個人的にあんまり連絡したくはない。それに多忙な人のため来てもらえるとも限らない。

「申し訳ないんですけど、いつ会えるかはまだわかりません。もしかしたら来てもらえないかもしれないです。忙しい方なので」

 そう言うと鈴鐘は期待外れと言った顔をした。

「なんだ。とんだ期待外れね」

「しょ、しょうがないだろ」

「とりあえずその魔法使いに来てもらえることになったら私に伝えてくれ。退学した生徒とも対談できるように調整しておく」

「分かりました、マリー先生」


 話し合いは終わり俺は帰宅した。帰ったらあの人に連絡するか。

 俺はコンビニでアイスを買い寮へ戻った。

 早速、電話をかけた。


「はい近藤です」

 無愛想な声で電話に出てきた。ああ、この声懐かしいな。思い出したくないが。

「えーと、近藤さん? お久しぶりです。藤嶋です」

「おー! 藤嶋君か! 久しぶり、どうしたんだ?」

 俺が電話で話しているこの人は近道遥歩こんどうあゆむ。現在、二十九歳でかつて俺の魔法の家庭教師をしてくれた人である。ちなみに頭は坊主である。スキンヘッドである。

 この人の指導はとにかく厳しかった。魔法だけでなく、体術、剣術とあらゆる武道の基礎を刻まれた。

「折り入って頼みがあるんですが......」

「なんだ? 言ってみろ」

「実はうちの学校でとある事件が起こってまして。被害者は襲われたときのことを何も覚えていないというんです。近藤さんの力を貸してくれませんか?」

 事件のことはあまり詳しく話さずに説明した。


「ふーん、よく分かんないけどいいよ。今そんなに忙しくないしな。明後日でもいいか?」

「はい、お願いします」

 思ったよりあっさり近藤さんが来てくれることになった。

「そんじゃ明後日の午後四時に東京駅に行くから迎えに来てくれ」

「分かりましたよろしくお願いします」

「あいよーほんじゃまたな」

 そういい、近藤さんは電話を切った。

 ふぅ......あの人と会うの嫌だなぁ。過去の指導のトラウマが蘇りそうだ。

 あ! そういえば集合場所、東京駅って言ったけど広いから改札口の場所を指定しておけば良かったな。

 まぁあの人なら大丈夫か。

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