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ウィザードオブバージン  作者: チャンドラ
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天才科学者

「さてと......任務遂行と行きますか」

 俺は目的の場所へと向かった。

 その場所はロシアにあるとある洞窟。俺は『お宝』を求めやってきた。

 鼻歌混じりにとある装置のボタンを押した。

 透明化装置が発動し、俺の身体はゆっくりと透けていった。文字通りこの装置を使うと俺の身体は透ける。

 我ながら実になんと便利な機械だろうか! これで女湯に入り込んでうふふふみたいなこともできるぞ!

 まぁ、俺は紳士ジェントルマンだからそんなことはしないけどね。

 この装置は俺が開発したものだが、商品化の特許申請はしていない。そんなことしたら変態野郎の証をもらいそうだったので俺だけのためだけに開発した。


 洞窟の前に行くと、見張りの魔法使いのような人がいた。だが、洞窟の入り口の横によかかってぐっすりと寝ていた。手には魔法の杖を持っている。

 綺麗な銀色の女性でとても美しい女性だった。

 おお! なんて美しいんだろうか! beautiful!

 俺は思わず声をあげそうになったが我慢した。起きられたらまずいかもしれない。

 とっととお宝をかっさらおう。

 俺は入り口に入ろうとした。

 すると、横から魔法の杖で行く手を阻まれた。

「そこに誰かいるな?」

 注! 実際はロシア語で話していますが、ここからは日本語で話している体でお伝えいたします。俺はロシア語も話せるのである。すごいだろ。

 俺はバレバレの八百長なのかーと思い、透明化装置をオフにした。

「ちゃお!」

 陽気に挨拶をした。すると、ロシア人の女性は、

「ライトニングソード」

 そう呪文を唱えると光の剣みたいなものが女性の手から出現した。

「ほえー! 物騒なもの出してきたなぁ。それよりさ、なんで俺が洞窟に入ろうとする事分かったんだ?」

「この洞窟一帯には結界を張っている。たとえ姿が見えなくても侵入すればすぐに感知できる」

「なるほどねぇ......伊達に国直属の魔法使い様ってわけだ。ただ居眠りしてるだけじゃなかったんだねぇ」

 俺は素直に感心した。

「あなたを粛清させてもらうわ」

「おっと、待ったァ! ちょっと話を聞いてもらえないかな」

 すると、女性はためらわず俺に斬りかかってきた。

「うわ!」

 俺は必死こいて光の剣を避けた。

「問答無用。あなたをここで殺す」

 やれやれ、交渉の余地はなしか。俺は円方形上の機械を取り出し、スイッチを押した。ポチッとな。

 機械からブンとビーム上の刃が出てきた。

 かっこいいだろ? 見た目はまさにライトニングセーバーみたいなもんだぜ。

「それで私と戦うつもり?」

「できれば戦いたくないんだけどさ、俺には目的があるから洞窟の中にあるもの渡してくれない?」

「やはり狙いはドクロクリスタルね。それで一体何をしようっての?」

 説明しよう! ドクロクリスタルとは文字通り骸骨型の水晶でこの世に十三個存在すると言われており、全て集めると願いが叶うと言われている。

 え? どっかで聞いたような話だって? そうかもしれない......だがかつて実際に集めて願い事を叶えた人がいるのである。

「お前さんの国のところの王女はドクロクリスタルを集めるのに必死だけどさ、どうせ世界征服とか厨二病っぽいことを願うんだろ? 俺ならもっと有効的な使い方をするから渡してくれない?」

「ふざけるな! 王女様の悪口を言うなんてお前は万死に値する」

 再び女性は斬りかかってきた。

 俺も対抗すべく剣を振り回した。

 俺と女性の剣がぶつかり合い、激しい火花が発生した。

 そして、女性の剣が折れた。

「おのれ......」

 しかし、すぐに女性の光の剣は再生した。

 折れてもすぐ直るとは便利だなー。

「これならどうかしら、ライトニングスピード!」

 女性の立っている地面に黄色い魔法陣が発生した。

 女性は俺の周りを目にも止まらぬ速さで動き始めた。

 速い! 速すぎてちょくちょく残像ができてますよ。

「どう? 速くて追いつけないでしょう? この魔法を使うと通常時の五十倍もの速さで動くことができる。あなたに勝ち目はない」

 二十歳の時の俺なら負けていたな。何せあん時は十倍のもを作るのが限界だったし。

 いやぁ、一応持ってきておいて良かった。俺はヘルメットを被っている。

 これは身体能力倍増装置という。そのリモコン型のスイッチを取り出した。

 たくさん機械のスイッチを持っていくことがあるから必然的に俺の服はポケットが多い服を選ぶ羽目になる。

 さてと......俺は倍率を百倍に設定し、ボタンを押した。ポチッとな。

 おおお! 感覚が研ぎ澄まされた。

 身体能力倍増装置は身体能力だけじゃなく体感速度、聴力まで調整される。

「死ね!」

 ゆっくりとロシア人の女性が後ろに近づいてきた。まぁ、実際はものすごい速度なんですけどね。

 俺は振り向け、余裕綽々で躱していった。

「何!?」

 信じられないといわんばかりの顔をしている。大きな隙ができたので俺は女性の頭に手を当てた。

「フェイント」

 手から魔法陣が発生し、女性の頭に触れた。

 あ、そうそう。実は俺、魔法使えるんです。魔法使いなんです。隠していてすみません。ちなみにこの魔法は相手を気絶させる魔法。

「う......意識が......お前は何者だ!」

 すごい、普通はすぐに気絶筈なのに必死に気絶しまいと抵抗している。

「俺か? 俺は......」

 名乗る前に女性は気絶し、倒れた。

 無防備になった洞窟に入りドクロクリスタルを手に入れ、俺は洞窟を後にした。さて、帰るか。


 あ、そういえば自己紹介をしていなかったな。

 俺の名前は平賀工だ。


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