幕間 誰
どれくらい経っただろうか。誰かがいるとわかってから、俺らはそれぞれの境遇を話そうということになった。そして、なんとなく、俺からという流れになり、区切りのいいところまで話した気がした。
俺が一度話を切ると、近くから申し訳なさそうな声が聞こえた。
「その……気の毒だな……ご家族のこと……」
「いや、別に昔のことだし、もう平気だ」
まぁ……本当は全然平気じゃない。ずっとスティア達といることで埋めていた、隠していた寂しさが少しずつ、少しずつ傷口から出てくるようで。
「……本当にすまぬな。嫌な思い出を話させてしまって」
「いや、今まで、この話は誰にもしたことなかったんだ。それで……やっぱり寂しさとかも思い出したけど、なんだろうな。少しだけスッキリした」
これは本当だ。
「そうか、それならばよかった」
真っ暗で何も見えない。顔もわからぬ相手と話しているこの不思議。でも、顔が見えないからか少し不安になる。本当にこの目の前にいる人と話しているのか、それとも寂しすぎて俺の妄想が生んだのか、どっちなんだろうか。
「なぁ、あんたは一体、誰なんだ。」
「あぁ、忘れとった!妾は乙家 長女 乙音じゃ。妾も勇者だったんだが……っと、その話はディオの話が終わってからにするかの!ほ、ほら!さぁ、早く続きを話せ!」
「ああ、そうだな、じゃあスティア以外の仲間との出会いの話でもするか……
どうも!!
子りすです!
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