秘密基地
「藍武様〜?今日も兄上様の袴でございますか?姉上様の着物を着ればよいものを〜」
「だ、だから自分は男子です。戯れ言はもうお辞め下さい。乙武」
「こら!おぬしら何しておる!」
毎度毎度の如くだが朝から外が騒がしいものだからまたついうっかり大声を出してしまった。からかわれているのは妾と同い年の従兄弟である藍武。
「おぉ!これは乙音様!何用でしょうか?」
そして笑いながらのんきにそう言うのは妾の弟である乙武。今日はからかいの延長で妾にも他人行儀な言葉を使っておる…。
「いつも…辞めるように言っておるであろう!」
持っていた箒で二人の頭を軽く叩く。
「痛っ!」
「痛たっ…何故自分まで…」
「喧嘩両成敗じゃっ!馬鹿者共」
ふんっ!と、一度顔を逸らしてから改めて二人を睨む。
「次は無いぞ?」
「「は、はぁい…」」
まるで兄弟の様に二人は息ぴったり。
「ふふふ…」
「あ!藍音姉!」
「藍音姉!」
「あ、藍音姉様だぁ〜」
着物の袖で口元を隠しつつ笑っているのは藍武の姉であり、妾達の従姉である藍音姉だ。
「皆、朝から元気ね〜」
「ですね…。っていうか俺の存在絶対皆認識してないよね…?」
藍音姉の後ろからひょっこり出てきたのは、藍音姉の弟で藍武の兄であり、勿論妾達の従兄の藍夜兄。
かなり背が低く大体の場合は藍音姉の後ろにいるのと存在感が薄いから皆に気付かれない。いつもすまぬな…藍夜兄…。
いつもこんな風に皆が少しずつなんとなく集まって、ここからいろんなことをし始めるのだ。
「そうだ!今日は皆に朗報があるんだった!!あのね〜面白い情報手に入れたんだよ!」
いつも通り、乙武が元気に言った。
***
「うわあ…」
「何ここ…!」
「すごい…」
「おぉ…」
そこは村から少し歩いた場所にある雑木林の中だった。
その中で少しひらけた場所に太陽の光が降り注いでいた。
「それで…ここで何をするのじゃ…?」
妾が乙武に聞くと乙武はニヤッと笑ってから
「ここにね…僕らの秘密基地を作るんだよ!」
「秘密…基地…?」
「だあってさ!いっっつも皆で話してたら、いつの間にかなんか集まってる、なんかするか…なーんてめんどくさいでしょ?だったら僕らが集まる場所、作ればいいんだよ!ここならさ、いくら騒いでも大丈夫だし…ね?」
そう言って乙武はニヒルな笑みを浮かべた。
「で、でもさ…そんな勝手にここ使っていいの…?」
藍夜兄が心配そうに口を開く。
「そこは大丈夫!ここ、僕らの叔父の持ち物の雑木林なんで!まっ乙音姉は知らなかったみたいだけど〜?」
そう言ったあと乙武は少し間を置くと妾を見ながら吹き出した。
「おのれ乙武…姉である妾に向かってなんという態度じゃ…。妾はそんな弟になって欲しくなかったぞ…」
「え?あれあれぇ?乙音姉って〜姉だったの?」
「乙音姉と言っているのになんてこと言っておるのじゃ…乙武…」
「はい!終了!!!!!!!!」
妾と乙武に大声をあげながら突っ込んできた藍音姉。
「藍音姉…?キャラ崩壊してますよ…?」
「だって喧嘩を止めるにはやっぱりこれぐらいしないとかな…って」
美しく微笑む藍音姉を見ると何故か誰も反論できなかった。
***
【数日後】
「いやぁーなんやかんやでなんとかできたね!秘密基地!」
「いや…乙武…これはあの…秘密基地というか…」
「「「家…?」」」
そう、乙武が張り切りすぎて最早大工のように仕事をさせられ物凄いスピードで一人一部屋と居間など様々な部屋のある木造の家が完成。となったのだ。
「まぁ、家出とかいつでもできるしいいんじゃないかしら?」
そう言って微笑む藍音姉。藍音姉家出がしたいというのか…。
「と、とにかく!これからはここに朝から集合だよ!ね!」
「まぁそれでいいか。というか今日は休みだからいいが明日とかは学校ではないか?」
「あ…ま、まぁまぁそれはいいとしてよ!!こういう日は!ってことだから!」
その時、刻一刻と近づいてきた運命に妾達は妾達の仲は引き裂かれようとしていた。
ドーモ!
子りすです!
久方ぶりの更新ですね!☆
実はキャラクターの名前とかその他もろもろ、
何一つ考えていないまま乙音sideに移ったもので…
1からのスタートでした!
いやいや、時が経つのは早いもので…初投稿からもう1ヶ月以上経っていました!!
はい。
では、これからもよろしくお願いします!
感想、レビュー、評価、ブクマよろしくお願いします!
では、これにて!
※全ての始まりと秘密基地を繋げました
秘密基地…作りたいですね…