あかんでー!
「おー、ユズキ。ちゃんとしとるかー? 」
それは同じ部活の同級生のアヤちゃんの言葉だったんさ。アヤちゃんは私達卓球部のキャプテンやよ。
「うん! 当たり前やん」
アヤちゃんはそっかー。よかったー。と言ってそのまま歩いてった。そして、私達は基礎練習をする。明日は大会やからな。
でな、最初は基礎練終わったもんで多球って言って一人が玉だしして、もう一人はひたすら打つ練習……まあ、詳しくわからんくてええよ。関係ないから。で、メンバー分けをしたわけなん。私らのとこは11人やって、玉だしする私ら2年生が4人やから一年生は2年生一人につき2、2、2、1となるんさ。
2年生の一人がな、レイって言うんやけど転校生でな。もとおった学校ではそこまできちんと練習してなかったんやって。やもんで、その子は一人の担当になったんさ。でな、私の担当する子が決まったんやけどな。別にその子は可愛いからええんやで? でもな、2年生のナズサちゃんがな、
「ユズキと一緒とかドンマイやん。可哀想やよ」
って、言ったん。そしたらな、
「そうやなー。仕方ないなー。頑張れ」
アヤちゃんまでこうやって、言うんよ? 確かにレイを除けば私一人だけ実力はかなり下やけどな。わかっとるけどな。一年生よごめんな? うちの実力は低いからな。練習相手にならんよな?
その後な、ダブルスでやることになったんさ。うちのペアは一年生やで。
「ミリナちゃんの足引っ張んなよー」
「うん」
むう、応援してくれてもええやん。ちょっぴり傷ついたんやで。
なあ、皆はさちゃんと考えてるか?
相手が傷ついてるかどうか見えてるか?
相手が嫌がったらやめたらなあかんで?
それにな、嫌やったら『いやや』っていわなあかんで。
それをしやんといじめとか言うたらあかんで。
ホントの気持ちを伝えやなあかんで。
友達に嘘はついたらあかんで。
大丈夫。友達やったら受け止めてくれるで!
絶体大丈夫やかんなー!