9話 全力鬼ごっこ①
前回までのあらすじ
マシロとお散歩に出かけて、より絆が深まった二人(?)
雛の人脈(?)が広がって行く
私は現在、マシロのお誘いを受け猫の集会に参加していた。
「うちのヒロ君ったら、また太りましたの! いくら怒られてもつまみ食いを止めなくて困りますわ」
「まぁ! でもそれならまだカワイイものでしてよ? うちのケンちゃんなんて女の子とケンカして泣かされたんですもの」
「ウフフフフ」
「オホホホホ」
どうやらマシロの友達はお嬢様系が多いらしい。
「それに比べたらヒナさんはしっかりしていますわ! 立派な主人でお宅のシロウちゃんが羨ましいですわ」
「私なんてそんな、うちのシロウなんてヤンチャでホント困るの! 皆みたく、おしとやかで落ち着いていたらいいのに」
「まぁ、ヒナさんはお上手ですこと」
「ウフフフフ」
「オホホホホ」
しゃべり方が移ってしまいそうである。
こうして猫の集会が解散して、マシロと一緒に帰っている途中、私はふと疑問に思う事があった。
「ねぇマシロ?」
「何かしら?」
「私ってさ、人間の友達より動物の友達の方が増えてきてるんだけど、それって人としてどうなのかな?」
「ヒナ、あなたは動物と意思疎通が出来る能力がある。それを考えたら、友達に種族や外見を気にする必要なんてあるのかしら?」
がーん! 確かにそう、正論だけど……猫に教えられるってどうなんだろう。
「マシロってさ、本当は人間なんだけど、呪いで猫の姿に変えられてるとかじゃ無いよね?」
「そんな訳ないでしょう? あなたより真理の扉の向こうを見る機会が多い。ただそれだけの事よ」
マシロは厨二全開でドヤ顔をしてくる。これがまた非常に悔しい!
そんなやり取りをしながらいつもの帰り道を辿るのであった。
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時は変わって学校の帰り道、私は制服のセーラー服のまま買い物に来ていた。
今日は母の帰りが遅いので、買い物を頼まれていたのだ。
「雛ちゃん今日はお母さんの手伝いかい? 偉いねぇ!」
「いえ、ただのお使いですから。あ、ありがとうございます」
私はお肉屋さんにお金を払い、商品を受け取る。
「雛ちゃんは最近よく笑うようになったな~。彼氏でも出来たのかい?」
「えええええぇぇ~! か、彼氏どころか恋すらまだですけど!」
「ハッハッハ! 何にせよ、愛想が良くなったのはいい事だ。雛ちゃんは可愛いんだから、笑わないともったいねぇや!」
「も、もうおじさんってば、失礼します」
何だか恥ずかしくなってお店を後にする。
(可愛いって言われちゃった。私って可愛いのかな?)
褒められた事が嬉しくて胸がドキドキする。ん? ドキドキ? まさかこれが恋!? 私ってばゴリラ顔のお肉屋さんに恋をしちゃったの!? お肉屋さんとお付き合いをした時の状況をイメージしてみる。
一緒にお肉を売りさばく私。
デートで一緒にお肉の品定めに行く私。
誕生日にお肉をプレゼントされ、捌く私……
段々と頭が冷静になっていく。うん、間違いなくこれは恋じゃない! 所詮、私とお肉屋さんは顧客と店員の関係ね。そう再認識したその時、
ザザザザザザッ!
突然胸がざわついた。この焦燥感はやっぱりお肉屋さんに恋を!?
混乱する私だが、落ち着いて考える事で状況がすぐに理解出来た。
(これ、魂の循環だ。シロウが私から何かを引き出そうとしてる)
実のところ私達が魂の循環を使うのは、もはや日常茶飯事になっていた。私はシロウから身体能力や動物の五感を。シロウは私から人間の知識をよく引き出していた。今回もただそれだけの事で、気にする必要なんてなかった。ただ、私はある一つの思いつきをした。
私達の間で循環している魂の小川。意識を集中させれば、この小川の流れていく方向が分かる。つまりこれを辿れば、シロウに辿り着けるのではないだろうか? これが成功すれば、もう前回のような迷子になる事なんてなくなる! この後は特に予定もないし試してみよう、そう思い、小川の流れる方向に向かう事にした私だったが、これが災難の始まりになるとは思いもしなかった……
改行の使い方がイマイチ分からない。




