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30話 ペット面接①

今回かなり短いですが、

区切れる所がここしか思いつきませんでした。

「今この場にいる野良のみんなに重大なお知らせがあるの!」


 私はネコちゃんちの神社の、例のたまり場に来ていた。そこで野良の動物達に話しかける。隣にはネコちゃんもいるが、すでに私の秘密は知っているので問題ない。


「野良か。今ここには三匹の野良がいるぜ」


 そう言ったのは一匹目の野良猫、『黒猫のウィス』。私と一番面識があり、こじゃれ合いもしている。


「僕も野良だよ。ヒナさん、今日は一体どうしたの?」


 この子は二匹目の野良猫、『トラ猫のトラ』。主に商店街で出現率が高い子だ。


「オイラも野良だ。犬でもいいんだよね?」


 最後の三匹目は野良犬。『雑種のナツ』。全身が薄い茶色で、シロウほどではないがまだ体は小さい。


「実は、この町にいる野良の中から、一匹だけペットに選びたいって友達がいるの。未来ちゃんっていうんだけど、今度の日曜日にその子をここに連れてくるから、ペットになりたい子はここに集まって」


 私は掻い摘んで説明をした。


「ふむ、俺は野良暮らしが長いからな……今更ペットに成り下がる気はねぇな。あ、俺の顔汚れてねぇか?」


 ウィスがそう言いながらも唐突に顔を洗い始める。


「キミの顔はいつも真っ黒に汚れているよ」

「お前黒猫ナメんなよ! むしろチャームポイントだろ!!」


 トラとウィスがケンカを始めた。

 いや、ただじゃれているだけなのかしら? とりあえずウィスはやる気満々っと。


「ウィス、僕はキミと遊んでいるヒマはないよ。今からその人に贈る綺麗な石を探しに行かないと」

「てめぇ! ワイロでポイントを得ようなんて汚ねぇぞ! 行かせてたまるか!」


 ウィスがトラの背中に覆い被さり、トラは必死に逃れようとゴロゴロと転がる。


「雛ちゃん、猫のじゃれ合いって見てて飽きないね」

「そうね。まぁその原因を作ったのは私達だけどね」


 ネコちゃんはホッコリした表情で二匹を見つめている。多分、私も似たような顔をしていると思う。

 和むなぁ。


「フッ、これだから猫は……ヒナ、その人の詳しい特徴をオイラに教えてくれないか?」


 そう言って、野良犬のナツは私に鼻をすり寄せてきた。


「あ、コイツ人間の特徴を覚えて、その性格に合わせた行動を取るつもりじゃないか!?」

「汚っ! ズル賢いナツ、汚っ!」


 ウィスとトラの二匹は標的をナツに変えたらしく、ジリジリとナツに詰め寄っている。


「犬は頭を使ってなんぼさ! キミ達には真似できないだろう? って何だよ、こっち来んな!」


 二匹の猫はナツを追いかけ回し、ナツは私達の周りをグルグル回りながら逃げている。


「雛ちゃん、私達の周りを動物達がはしゃぎ回って、もう時間が経つのを忘れちゃいそうだよ~」

「そうね~。めっちゃ和むわぁ~」


 私達は骨抜きにされた表情のまま、その日は暮れていった。

「え~、ではこれより、第一回、未来ちゃんのペットに相応しい子を決める面接。略してペット面接を始めたいと思います。司会はワタクシ、雛が務める事になりました。どうぞよろしく」


 私が頭を下げると未来ちゃんが盛大な拍手を送ってくれた。拍手に合わせて周りの見物に来ているペット勢が鳴き声を上げる。

 ここにいるメンバーはいつもの顔ぶれ。姫ちゃん、ネコちゃんが脇に座り、すでに動物達を撫でまわしている。正面に未来ちゃんが陣取り、膝の上には姫ちゃんのペット、マシロを乗せ、すでにご満悦である。


「今回動物達の通訳をしてくれるのはシロウだよ」

「よろしく頼むぞ、ミキ」


 シロウがペコリとお辞儀をすると、未来ちゃんが同時に手を振った。


「いや~君がイヌちゃんのペットだったなんて今でも信じられないよ。変身して変身!」


 熱い期待を送られて、シロウがポン! と煙を上げて小型の犬に姿を変えた。


「どひゃ~~~! びっくらこいた~!!」


 前に保健室で説明した時は、ふーんとか興味なさ気な反応でネタに走ってたくせに、この変わりようである。私はやるせない気持ちを押さえて話を進める事にした。


「では、未来ちゃんのペットに志願する動物達の登場です」


 そう言うと例の三匹が未来ちゃんの前までやって来て、チョコンと座った。

 あれ? もっと沢山来るかと思ってけど、三匹だけ……? まさか……


「ちょっとアンタ達、他の野良にも説明したの? もしかして、ライバルを増やしたくないから他の子には言わなかった訳じゃないでしょうね……」

「ギクッ……い、いや、みんなにも都合ってのがあるだろ? 忙しかったりで俺達しか来れなかったんだよ!」


 野良のクセに忙しいとか都合とかあるのかしら……?

 目を合わせようとしない三匹を怪しみつつ、私は未来ちゃんに説明をした。


「未来ちゃんごめんね。この三匹しか集まらなかったよ」

「あぁ~構わないよ。じゃあ一匹ずつ自己紹介してもらおうかな」


 ポン! と再び人間の姿になったシロウが三匹に今の言葉を伝えた。


――ここからペットの座を賭けた、三匹の戦いが始まる。

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