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20話 真夏の恐怖の物語②

最近、うまく書けない、いや、うまく書こうとしてそれが出来ないから指が止まります。

本当に小説って難しい。

っというか投稿が遅くなって本当にすみませんでした!

 私達の高校が夏休みに入った。もちろん大量の宿題が出され、その宿題を私はどう処理するかというなら、『毎日コツコツとこなす』、のが私のやり方だ。

 今も今日の分の宿題にせっせと取り組んでいると、私の携帯に未来ちゃんからメールが届いた。私は内容を確認する。

「明日遊べる?」 といつものメンツに一斉送信されている。

「遊べるよ」 と簡潔に返信をする。

「じゃあ肝試しをやるから懐中電灯を持参でいつもの公園に集合!」 と未来ちゃんから返って来た。

……き、肝試し?

 タラ―ンと額から汗が流れ落ちる感覚がした。私は怖い話しは得意じゃない。けど、それも友達と一緒なら楽しい思い出になるだろう。そう思うと明日が待ち遠しくなった。


「ヒナ! す、すごいぞ! 見てくれ!」


 部屋の隅で一人、本を見ながら折り紙で遊んでいたシロウが私に歩み寄って来て、手に持っている異形の造形を私の前に突き付けた。


「何これ、キモッ!」

「折り鶴を自分なりにアレンジしてみたんだ」


 体と顔の部分に折り鶴の原型が残っているものの、手足が異様に長く、もはやエイリアンにしか見えない。

 私はそれを指で摘まむと、


「えいっ!」


 ベッドに向かって投げ捨てた。


「ああ~、俺の鶴が~!」


 ベッドでポフンとバウンドするエイリアンに向かってシロウが飛び込んでいく。


「ちょっとシロウ。私のベッドにダイブしないでくれる?」

「り、理不尽だ~」


 何だかんだでシロウと遊んでしまい、私はこの日、宿題のノルマを達成出来なかった。

 次の日、時刻は昼の一時、待ち合わせの公園にみんなが集まった。


「よし、じゃあ早速行くよ。みんな私に着いてきて」


 未来ちゃんが張り切って歩き出そうとする。私は思わず呼び止めた。


「え? 真昼間から行くの? 肝試しだよね?」

「うん、だって夜に行ったら怖いでしょ?」

「肝試しなのに怖い事を気にするんだね」


 ネコちゃんがクスクスと笑った。

 さすが見習いとはいえ巫女さん、余裕がある様に見える。しかしネコちゃんが巫女をやっているのはみんなに教えていない。いまだ私だけしか知らない事だった。


「いやいや、あそこはほんとにヤバいって。私もまだ入った事ないけど、あれは何かあるね」

「そもそもどこに行くつもりなんですか? 懐中電灯を使うって事は昼でも暗い場所なんですよね? そんな場所この町にありましたか?」


 姫ちゃんがそう問いただす。


「着いてからのお楽しみだよ。私、一応お供え物持ってきたんだ」

「お墓参り!? ねぇ、それってお墓参りじゃないの!?」


 私がついついツッコミを入れる。


「違うって! とにかく着いて来れば分かるよ」


 そう言って未来ちゃんは歩き出す。私達もその後を追うように続いた。


「そういえば姫ちゃんは合気道の部活止めたんだよね? よかったの?」


 私がそう訊ねた。以前、私の家にみんなが来た時くらいから、姫ちゃんは部活を休んで私達と遊ぶようになったいた。そしてこの夏休みになる前に、正式に退部したのだ。


「はい、元々私が部活をしていた理由は、色んな人と関わって人間関係を円滑にするためだったので、それで皆さんと遊べなくなってしまっては意味がありません!」


 姫ちゃんはグッと拳を握って力むようなポーズを取った。

 しかし私達と遊ぶ事にここまで全力な姿勢を見せられると、嬉しい反面少し緊張してしまい、私は苦笑いを浮かべてしまっていた。


 未来ちゃんがやってきたのはこの町にある小学校の裏山だった。人が踏みならしたくらいの道を歩いていくと、木々の陰に穴のようなものが見えた。未来ちゃんは道を外れてその穴に足を向ける。


「何この穴? 洞窟?」 と私が、誰に聞く訳でもない問いを口にする。

「こんな所に洞窟なんてあったんだ」 ネコちゃんがマジマジと見つめている。

「いえ、私も前にここへ来た事がありますが、こんな洞窟はありませんでした」 そう姫ちゃんが不思議そうに答えた。

「あ! 前にあった地震! それで入口が崩れたんじゃ!?」

「「「それだ!」」」


 私が思い出して口にした推理に、三人が指を指して同意した。

 入口を塞ぐ岩肌が、洞窟の奥へとなだれ込んでいる。いかにも地震で崩れたという感じだった。


「じゃあ、中に入るよ。みんな足元に注意して!」


 未来ちゃんが仕切りながら中へ入る。それに私達も続いた。


「あ、こういう洞窟って酸素が無いとか言わない? 大丈夫かな?」


 とネコちゃんが心配そうな声を上げた。


「完全に密閉した洞窟ならその心配もありますが、隙間があれば大丈夫だと聞いた事があります。上を見て下さい」


 姫ちゃんが懐中電灯で上を照らした。天井の高い岩の隙間から太陽の光がチラチラと見える。


「さすが姫ちゃん、物知りだね」 と私は関心してしまう。

「みんな、この先はモンスターが出るかもしれないから気を付けて」 そう未来ちゃんが大げさに呼びかける。

「じゃあ私は回復役の僧侶かな? 絆創膏ばんそうこうも持ってきたし」 とネコちゃんが乗っかる。

「私は断然トレジャーハンターね!」 未来ちゃんはとても張り切って生き生きとしている。

「では私は武道家です。でもお化けには効かなそうですね……」 姫ちゃんが困った顔で答えた。


 私は何だろう……?

 そう考えていると、姫ちゃんが思いついたように声をあげた。


「雛さんはビーストテイマーで決まりです!」

「なるほど、でもシロウがいないから攻撃力低そう」 未来ちゃんがいたって真剣に分析していた。


 まぁ、実際の職業ならこんな感じだろう。

 私=ビーストテイマー。

 ネコちゃん=巫女。

 姫ちゃん=ヤクザ

 未来ちゃん=遊び人。

 私はそう思った。……声に出しては言えないけど。


 そんな会話を踏まえながら、私達は奥へと進んで行った。

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