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赤い目  作者: 藤原杏樹
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第4話(5)

 学校に戻ってきた私達は、理香子の友達であった鈴谷蘭すずたに らん近藤瑠依こんどう るいに話を聞くことにした。


「理香子さんが死亡する前に、何か変な言動はありませんでしたか」

「私は思い浮かばないけど」

 と、蘭が悲しそうに呟く。

「理香子はいつもと変わらなかったわ。だからこそ私達は……」

「そうですか。分かりました。理香子さんが死ぬことはなかったのに」

「本当よ。でも何かあったら協力するわ。理香子のこと考えてくれてるみたいだし」

 瑠依も私達を認めてくれたように話す。

「私もよ」

「ありがとうございます」


 結局、学校に戻ってきても新しい情報は今のとこ得られていない。この後も、クラスの人に聞いてみたが情報はない。もうそろそろ諦めようかと思っていたそのとき、グランドが騒がしくなってきたことに気づく。廊下の窓からグランドを覗いてみると、そこには有りえない方向に手足が曲がったある女性が横たわっていた。


「何……あの人」

「やばいよね」

「ちょっと下りてみようぜ。もしかしたら、美由紀のせいかもしれないし」

「う、うん」


 冬夜を先頭に、私達はグランドに出る。そのグランドにはあの女性がいたが、それに私達はきづかなかった。


「亜美! 亜美!」


 そう叫ぶ人がいた。この女性の名前は鮎川美紗緒あゆかわ みさお。美紗緒によると、死んでいた女性の名前は水谷亜美みずたに あみ。亜美はいつもニコニコしていて、小さいために女性からの人気が非常に高かった。亜美の顔を確認してみると、その目は黒目だったはずの部分が赤く染まっていた。


「亜美さんは、美由紀の復讐による被害者だ」

「美由紀の復讐? どういうことよ」

 美紗緒は冬夜の言葉に納得いかないようだった。それもそうだろう、大切な友達が死んでしまったのだから。

 

 美紗緒には友達が亜美しかいなかった。美紗緒は以前女子からいじめられていた。その美紗緒を見て、亜美はいじめをしていた子を説得して美紗緒を救った。美紗緒と亜美は、それから大親友になっていた。そのため美紗緒は亜美を一番大事にし、亜美が死んでしまったことに気づいたときは、自殺しようとしていたのだ。間一髪で冬夜が止めに入ったが、それほど亜美が大切で、大好きだったのだろう。


「この赤い目。昔に美由紀という女性が殺されて、美由紀はその復讐をしてきているのです。彼女は復讐の際、赤い目にして殺しているのです。だから、亜美さんは美由紀の復讐によって殺されたってことです」

「なんで亜美が」

「それは分かりません。これ以上被害者を増やさないためにも、話を聞かせてもらえませんか。私達は、美由紀の復讐について調べてるんです」

「……何も話すことはありません」

「そう……ですか。なにか話せることがあったりしたら、言ってくださいね。では」


 残念ながら、美紗緒から情報は得られなかった。しかし、亜美の腕には牛のようなマークがあった。もともと在ったものか、後から出来たものかは分からない。ただ、後から出来たものだとしたら、何か手がかりになるかもしれない。







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