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赤い目  作者: 藤原杏樹
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第4話(4)

 美由紀のことを知ってる人、その人の名を坂木裕人さかき ひろとという。その人はIT関係の仕事についていて、昔美由紀と同じクラスになったことがあったという。その頃の美由紀といえば、話をすることはあまりなくいつも黙っていた。しかし、ある時に美由紀と話をすることが出来た。そのときの美由紀は悲しそうな顔をしていたと。そんな美由紀の話を聞いているうちに、ひとつのことが分かった。それは今までに聞いてきた話とは少し違った。


「赤宮美由紀は本当の名前ではない」

「どういうことですか」

「美由紀の本名は、春日憂妃かすが ゆうひ。この名前を隠していたのには理由があるそうだが、そこまでは聞けなかった。彼女は泣いていた」

「その話、美由紀から聞いたんですか」

「そうだ」

「他に知ってることは」

「彼女は生きていることを凄く喜んでいた。親からは虐待を受けたりしてひどい生活を送っていたみたいだけどな。それでも、自分は生きていられるから幸せだ。そう言っていた」


 とてもびっくりした。美由紀が生きることを喜んでいた、それを坂木に話していた。美由紀はなぜそんなことを言ったのだろうか。美由紀の家族はどんな人だったのか。


「そのときの美由紀は、赤い目だったんですか」

「ハハ。赤くはなかったよ。普通の目だった。突然だったんだ、何がなんだか彼女も分からなかったみたいだ。どうして彼女が殺されなくちゃいけなかったのか、俺はまだわからない」


 その坂木の悲しそうな目を見ていると、どうも美由紀のやったことではないような気がしてくる。他の誰かが美由紀がやったかのように見せかけて、犯行をしてるのではないかと。しかし、この奇妙な事件を普通の人間が出来るだろうか。赤い目にすることなどできはしないだろう。だから早く美由紀を見つけなくてはいけない。美由紀を見つけて早く復讐をとめなくては。


「ありがとうございました。またくるかもしれません。そのときはよろしくお願いします」

「……おう」

「では」


 そして、私達は坂木のもとを後にした。坂木の目には涙が潤んでいるように見えた。私達は、美由紀を見つけるために学校へ行く。そこで、理香子の友達に話しを聞くことにしている。私達は学校に着くまで、誰一人、喋らなかった。

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