第13話
すみません!!
12話のほうにも書いたんですが、12話と13話を間違えて原稿してました!!
12話の修正後を見ていない方は先に見てください!!
「な、何あれ」
あいつは、私のほうを見ている。そう、確信した。あいつは、笑っていた。不気味な笑顔。何かを企んでいる、嫌味な顔。そのとき、私は、背後に迫っていた物に、全然気づいていなかった。
「恵梨」
「……龍?」
「恵梨、俺がお前を守ってみせるから。絶対守るから。もう泣くな。泣くなよ」
「龍。ありがとう」
二人を見ていたら、羨ましくなってきた。彼氏が居るっていいなって思った。私も欲しいな、なんて思っている自分が居る。だけど、今はそんなことを考えている暇はない。恵梨が死なない方法をどうにか考えないといけない。だが、どうすればいいかなんて、全然分からなかった。
「どうすればいいのかな」
「え」
「どうすれば守れる? どうやって死ぬのかも分からないのに」
確かにそうだった。龍は思いがけない言葉を発した美鈴を見て目を見開いている。「そうだよな」と呟き、真剣な目をしながら考える。
「恵介も、悠樹さんも、無惨な死に方をしてたよ。人間がやったとは思えないような……」
「そうだね。呪いってどうやって……赤い目ってどうしたらなるの。どうして赤い目になると死ぬっていう風になって、それが実現してるわけ」
「分からないことだらけだよ……」
私達がそう話している側で、恵梨は不安そうな顔をしていた。
「恵梨……大丈夫」
「大丈夫。ごめんね、なんか私のことでこんなに……」
「謝る様な事じゃないよ」
「でも」
「恵梨は気にすんな。自分が生きることだけ考えとけ」
「皆……ありがとう」
分からなかった。なぜ恵梨がこんな目にあわなくちゃいけないのか。でも、今恵梨は楽しそうに笑っている。これがこのまま続けばいいんだ。そのために私も出来ることをすればいいんだ。そう思っていた。だがその思いは虚しく、恵梨は倒れた。間一髪で龍が支えたが、恵梨の顔は青白くなっていて、手や足はひんやりと冷たくなっていた。急いで救急車を呼び、病院で緊急手術を行ったが、恵梨はすでに死んでいた。たった数十秒だった。たった数十秒で恵梨は命を落としたのだ。ショックで声も出なかった。龍は泣き叫んでいる。美鈴は崩れ落ち、泣いている。絶対に、絶対に許せない。恵介や、悠樹さん、恵梨を殺した犯人を、私は絶対に許さない。
絶対に。
ただ、美由紀はそれほど、甘くはなかった……。