第7話
「悠樹が! 悠樹が赤い目になっちゃった」
「悠樹さんが赤い目に? って、どういうこと。美由紀の呪いってこと」
「そうだよ。どうしよう。ねえ、どうしよう」
「そんなの知らないよ。ひとりでどうにかしなよ」
雪は美鈴にひどくあたった。
「雪、これは人の生死にかかわるんだよ!?」
「穂乃香、いいよ。もういいよ」
美鈴が悲しそうに言う。
「いいって……」
「雪は、私のこと信用してないから。それに、私は今の雪大っ嫌い!」
それから、雪と美鈴は反対方向に歩いていく。私はどうしていいか分からなかった。だから、その場でずっと立ち止まっていた。いや、正確には、足が動かなかった。
「もう、どうすればいいの……」
「美鈴も、雪も、友達だから……でも、悠樹さんが赤い目になったってどういうことだろう……何で悠樹さんが?」
家に帰ってから美鈴が言ったことを思い出していた。考えてもわかるようなことじゃないけど、なぜか頭から離れない。ベットに寝転んで手を頭の上にやる。目を閉じて少しの時間がたった。でも眠れない。二人のこと、悠樹さんのこと、美由紀のこと。この短期間で私の周りには事件がおきすぎた。もう頭がついていかないよ。誰かに助けてもらいたい。でもそんな人居ない。ただボーッとしてると、机においてあった携帯がブルブルと体を揺らしながらメールがあったことを報告していることに気づいた。
「誰からだろう」
携帯を開くと
――新着メール2件
の文字があった。同時に二件来たのだろう。二つは雪と美鈴からだった。
from:雪
tatle:無題
『穂乃香、どうしよう。
美鈴と元に戻れないかも・・・。
悠樹さん赤い目になっちゃったっていうし。
でも、赤い目だなんて大丈夫かな?』
from:美鈴
tatle:無題
『悠樹。赤い目・・・なおらないよ
どうすればいい?
穂乃香・・・助けて』
2人にどうすればいいか聞かれた。分かるわけない。勝手に振り回されてる……なんかめんどくさい。もう……メールなんて返さなくていいや。
この甘い考えが
後の事件を招いたのかもしれない。
私がちゃんとしていれば……