a preview
映画のプレビューを意識して書きました。
いつか書きたい長編のキャラクター、シギと鴉の予告のような…。
自分の中で大好きなキャラクターです。
長編は難しい…。
けど、いつか書く。誓う。
甦るのは、深い闇の記憶。
孤独で一人生きてきた。
ずっとそうだと。
変わるはずなどないと半ば諦めて。
変えたのは一人の男だった。
男は自分に住む場所と仕事、そして裏の世界で生きていく為の通り名を与えた。
固く閉ざした扉を開き。
日の光の下では生きられない自分を月光の下に連れ出した。
そこで、初めて実感した。
負けないように生にしがみつき、必死に生きてきたことを。
そしてーー。
「シギ」
「行くぞ」
「…ああ」
ーーこの男と、これから先も生き続けていくことを。
ただ。
「何ヌケた顔してんだよ」
「気抜くと死ぬぞ」
「わかってるっての」
「いいことでも、あったのか」
「…別に」
それも悪くはないか、と最近は思っている。