裏 白い変態
どうしてこうなった。
R-12くらい?注意。
イルゥシン城付近 P1286年11.26
イルゥシン城を探索したものの、サキは結局何も見けることができなかった。
時代の特定になりそうなもの、食料や武器すら見つからなかった。
イルゥシン城の老朽具合から相当長い時間が経ったことだけわかった。
とりあえず、川に沿って歩けば人がいるだろう。
そう考えたサキは生きていた頃、イルゥシン城から歩いて2時間程度の場所にあったはず川に向かっていた。
「寿命が800年のエフ族、というかエルフの皆さんなら生きてるでしょう。流石に。」
目下の目標は長寿であるエフ族のテテに会い、サキが死んでから一体何があったのかを知る。
それがサキの当面の行動の指針のつもりであるらしい。
しかし、サキは知らない。もう2000年以上前にテテは死に、大魔道士と呼ばれていることも。
「まあ、まずは川です。地形が変わってなければいいけど...」
そんなことは知らないサキはとにかく川を探すことにした。
・・・・・・・・・・・・・・
歩きはじめておよそ1時間が経過した。
「グゥー...」
サキの腹の虫がなく。
「そういえば、生き返ってから何も食べてなかったですね。色々あって忘れてた。」
生き返ったら城に誰もいなかったことでショックを受けていたサキは、自分の腹の虫が空気を読まずなるのでおかしな気分になった。
「せっかく生き返ったのに餓死したら元も子もないな。よし、川に着いたら魚を採って食べますか。」
サキは少し明るい気分になって、川へ行く足を急ぐことにした。
そんな矢先、
「ん、なんだろう?...何か血の匂いがする!近いぞ!」
サキは血の匂いのする方向へ走って行った。
・・・・・・・・・・・・・・
そこでは人間達が魔物に襲われていていた。
魔物と人の死屍累々がそこにはあった。
「くそ、エヌ!しっかりしろ!」
曲刀をもった女フスは仲間の負傷した男エヌに叱咤した。
「功を焦り過ぎたか...すまないみんな。」
フスは誰にも聞こえないようにそう呟いた。
彼らはリファス王国の騎士団である。
魔物達との戦闘前には八人だった彼らも二人だけになってしまった。
彼らの任務は魔王ベルウにより、1000年前に滅ぼされたイルゥシン城の奪還と魔法クリアの手がかりを探すこと。
当初は十人で行く予定だったのだが、二人が極秘任務へ行ってしまったため中止されるはずだった。
しかし、リファス王国の王メカロの強い意向から八人で行くことになった。
なぜならば、魔王ベルウは城を放棄し、今では魔物もいないということが事前の調査でわかっていたからであった。
そのため、誰も反対することなく、騎士団は派遣された。
なんてことのない任務である。
・・・はずだった。
「ははは、バカだね。人間って。」
魔物が嘲るように言った。
「あんな白い箱しかない城に執着してさ。まあ、僕たちも人間が来るって思ってベルウ様にお願いしたんだけどさ。」
魔物の名はコーム、ベルウの下僕と自負する魔物である。
「おのれ!はめやがったな!」
負傷したエヌがよろけながら叫んだ。
「はまる方が悪いよねぇ。そうだろう?みんな。」
「「「Yes!!!」」」
コームを始めとする(自称)愉快な魔物たちが楽しそうに言う。
「でも、もう終わりだよ。男は殺し、女殺さず、後でじっくり頂いてしまいな!!みんな!!」
「「「さすがコーム様!!ベルウ様も嫌悪する外道っぷり!!最高だぜ!!」」」
(自称)愉快な魔物たちがフスとエヌにトドメをさすため襲いかかろうとする。
フスは覚悟を決め、エヌはフスを守ろうと最後の悪足掻きをしようとしていた。
そこへ、
「ファハハハハハハ!」
白い覆面を被った変態が現れた。




