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サキの伝記外伝  作者: kohet
第二章 過去の伝説
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告白?

回想 カカメ森 K87年10.5





「は?あの『地獄』に行くなんてお前正気か?」

テテはサキの言葉に驚く。


「はい。温泉があるそうなので入ろうかと思いまして...」

「死ね。」

テテがサキに道に落ちていた石を投げつける。



・・・・・




「すみません。冗談です。」

サキはテテに謝罪する。


「巫山戯ないで、ちゃんと答えろ。いいな?」

テテはサキの首を絞めながら言った。


「はい。わかりました。」

サキがテテに返事をする。



(半分本気だったんですが...地獄谷温泉みたいなものですよね?温泉嫌いなんでしょうか?)

サキはどうしたらテテに温泉の魅力を伝えられるか思い悩む。


『この世の地獄』というのは文字通りの意味であるのだが、サキは『この世の地獄』を『地獄谷温泉』のような温泉だと勘違いしている。

このサキの思い込みは数千年の後、本当にそうなるのだが、それは別の話。


(この男は一体何をしに来たのだ?あそこは魔法病の感染者が隔離された『この世の地獄』。

後はあの『狂った聖者』ぐらいしか...まさか)

サキの馬鹿な悩みは露知らず、テテはサキを見つめながら考えていた。



「おい、お前。まさかあの女、『狂った聖者』に会いに来たのか?」

テテはサキに問う。


「??『狂った聖者』というのは?」

サキは誰のことかわからずに聞き返す。


「トーラと言う元聖職者だ。決まっているだろう?」

テテは当たり前だと言わんばかりにサキに言う。



(聖職者で女性だったのですか、知らなかった。...本に書いてないですし。)

サキはトーラの著書『万物の根源は風』の内容を思い返す。



「どうした?」

テテは不思議そうな様子でサキを見つめる。


「そう、そのトーラさんに会いに来ました。」

サキはテテの質問に慌てて答える。



(コイツ...魔法病研究者か? それなら私を一時的とはいえ回復させたのも頷けるが、法印も見当たらんし...)

テテはサキが魔法病対策の宮廷魔法使いなのではないかと疑う。


(しかし、なぜ今トーラだ?私の知る限りあの聖女、いや今は違うか...)

テテはサキがなぜトーラに会いたがる理由が思いつかず考える。



テテはまさかサキが魔法使いならあるまじき方法、全魔力消費を行ってテテを助けたということを知らない。

そして、サキがジェシカのメニカ責めを逃れるための言い訳として、トーラに会いにいくつもりであることも。



「まさかとは思うが...お前も魔法病の原因が体液の異常とか言うんじゃあないだろうな?」

テテは真剣な面持ちでサキを問い詰める。


「ん?エムペドクレスの『四体液』ですか?」

サキは困惑した様子で答える。


「なるほど...」

テテは何か腑に落ちた様子でサキを見つめた。



(エムペドクレスとは何かわからんが...あの異端を信じ込んで追い出されたというところか。

しかし、まさかそのような者に助けられるとはな。いや、私も変わらんか...)

テテは国外追放された身のサキに助けられたと勘違いし複雑な気分になる。


他方、

(あれ、変なこと言ったかな?

...しまった!『四体液』ってこの世界では通じないですよね...うわ、恥ずかし。)

サキは変なことを口走ってテテに変人だと思われたのかとショックを受ける。



サキもテテも気づかない。お互いが勘違いしていることを。

サキは今まで魔法の本しか読んだことがないために。テテはサキのことを知らないために。


そのことが物語を大きく動かして行くのだが、それは別の話。




そんなお互いの勘違いに気づかないまま話は続く。



「そ、それはともかく!!私は『この世の地獄』に行きますが、テテさん。これを」

サキはテテに何かを投げてよこす。


「何だ一体...これは!」

テテが訝しなりながらサキの投げたものを受け取る。



サキの投げてよこした物。それはまるでルビーをさらに赤くしたような美しい石であった。



「火咢石の結晶、火王石です。治癒魔法が半永久的にかかるようになっているので、

これがあれば死にはしないでしょう...では私は急ぐので」

サキは何だか恥ずかしくなり、その場を急いで立ち去ろうとする。


しかし、

「ま、待て!!」

テテが顔を真っ赤にさせてサキを呼び止める。


「何ですか?」

サキがピタリと足を止める。


「私も連れていけ!!」

テテはサキに叫ぶ。


「...」

サキはテテの急変をおかしく思い考える。



(何でだろう。すごい勘違いされたような気がします。でも勘違いするようなことは言ってませんよね。

...そうか!温泉に入って見たくなったんですね!!温泉が嫌いな人なんていませんよね。)

サキは自分の予感が当たっているとも知らず、テテが温泉に入りたいのだと勘違いする。



「そうですか...では一緒にいきますか?」

サキはそう言うとテテを気遣い手を差し伸べる。


「!ああ!」

テテは顔を赤く染めてサキの手を握り返す。


「また顔色が!!急いで治癒魔法を!!」

そんなテテの様子を見てサキは病気が再発したと思い慌てる。


「何でもない!!!」

そう言うとテテはサキの顔面を殴りつける。


「グハァ...」

サキはテテのストレートをまともにくらい倒れこむ。




サキがテテに渡した火王石。その石の宝石言葉をサキは知らない。

火王石の宝石言葉、それは『愛の告白』。



テテは知らない。サキが渡した火王石がある女性からの貰い物であること。そしてその宝石言葉の意味をサキは知らないことを。

この火王石で後にサキにとって厄介な自体になるのだが、それこそ別の話。


ルビーは『勝利の石』とか呼ばれたりしていますが、

その宝石言葉には『愛の炎』って意味もあります。



エムペドクレス(紀元前490年頃~紀元前430年頃)

自分が神になると言ってで火山に身を投げて亡くなった。

そんな逸話さえ残る変人にして偉人です。

ここでも書いた『四体液』の考えはルネッサンス頃まで影響力を持っていたそうです。

すごいですよね。あと、古代オリンピックで優勝したこともあるそうです。

その他色々ありますが、興味があったら是非調べて見てください。

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