その後の女性二人
回想番外
ジェシカとレウ。
レウ研究所 K87年9.28
サキの接着魔法で拘束されたジェシカ。
「困ったですね...何が『5分は動けません』ですか、これ。水と土の混合魔法と何か亜種の技術使っていますね。」
ジェシカはサキの接着魔法の正体がわからず、悪戦苦闘していた。
そこへ、
「あら?ジェシカさん。どうされましたか?」
レウがサキとジェシカが戻ってこないので心配して見に来た。
「見てわかりませんか?レウ。」
ジェシカは動けないことを言外に滲ませる。
「あらあら?拘束プレイですか?男同士でそういうのは...キュウ」
レウが顔を真っ赤にして倒れる。
「ちょっと待ちなさい!男同士って何ですか?レウ!!」
ジェシカは地に伏せた状態で不審な発言をしたレウを問い詰める。
「何って...私の口から言わせるのですか?恥ずかしい...」
レウは起き上がるとジェシカの魔法を何でもないような様子で消し飛ばし、顔を紅葉させて言った。
「どうも...私は女ですよ?」
ジェシカは魔法を解術したレウに礼を言いつつ、当たり前のことを言う。
「またまたぁ~。何言っているんですか。ジ・ェ・シ・カさん♪
そんなに美しい女性がいるわけないじゃないですか?」
レウは満面の笑みでジェシカに言った。
「......」
ジェシカはレウのわけのわからない発言に硬直した。
「そうですよね~。胸板もないし、そうだと思ってたんですよ~」
レウはジェシカの反応を肯定と思ったのか、そう言った。
「...はっ!まさかあなたサキにもそんなこと言ったんじゃないでしょうね!!!」
ジェシカは最近サキが可哀想な、同情するような目で自分を見つめていたことを思い出す。
「ん?これは...」
レウはジェシカの反応に気づかない様子で、地面に落ちていた一冊の本を見つめる。
「聞いているのですか!!!もしそうならただじゃあ済ましませんよ!!!!」
ジェシカはレウに今にも襲いかからんばかりの様子である。
「...なるほど。これはアレですね。お父様に一応報告しておいた方がいいかしら?
そういえば10年くらい連絡してなかったし。」
ジェシカの様子に気づかないレウはサキが見つけた本のこと、いやその作者のことを考えていた。
レウはサキの行動をある程度推測した。そしてその行動によってサキが巻き込まれるであろう面倒事を想像する。
「レ~ウ~!!!」
ジェシカはレウの無視っぷりに完全に切れていた。
「彼は私が見た中でも飛び抜けた天才。ひょっとしたら...」
レウはサキがあの惨劇を止めてくれるのではないかと期待してそう呟いた。
「ところでなんでしょうか?ジェシカさん?」
満面の笑みでジェシカを見つめるレウ。そこには一片の邪念も存在しない。
「私は女だ――!!!!」
ジェシカの叫びと共に部屋が消し飛ぶ。
その後、ジェシカはレウに女であることを力説し納得させた。
が、サキは文字通りの意味で「死んでも」そのことに気がつくことはなかった。
柏崎とジェシカは多分会ったら、親友どころか朋友になれます。
もっとも普通に出会った場合ですが。
レウさんのあれは完全に素です。
サキも捉えどころない人だな~。とか思ってます。
彼女は魔法の超エキスパートです。
正直言って「今の」回想段階のサキでは彼女に勝てません。
彼女はかなりさらっと爆弾発言をする人種です。
サキは自分が魔法のエキスパートだと気づいていません。
レウ「あら~。サキちゃん。おめでとう♡あなたこれで国を敵に回しても勝てるわよ~」
とか何でも無いように言うので、サキもジョークだと思ってます。
あの人がなぜ当時、持っていること自体稀な、しかも非常に良質な本を大量に持っていたのか。
こればかりは『サキの伝記』の話になってしまうので詳しくは本編でも書きません。
ある人物の姉である。とだけ書いておきます。
この人のおかげでサキは立派な常識知らずになりました。




