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サキの伝記外伝  作者: kohet
第二章 過去の伝説
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始まりの話

回想編です。

回想 レウ研究所 K87年9.28





見渡す限りの荒野。そんな荒野の中に不釣り合いなほど巨大な建物があった。


その建物の名はレウ研究所。


レウ研究所は当時、最も進んだ魔法研究機関であった。

しかし、その存在を誰も認知されていない研究所でもある。



そんなレウ研究所所長レウは難しい顔をしていた。



「う~ん...」

一見、研究について悩んでいるかに思える。



が、当の本人は


「ご飯どうしようか?ジェシカさん。」

レウは今夜の夕飯について悩んでいた。


「メニカです。」

ジェシカが即答する。



「あれ?昨日も食べたような気がするんだけど...」

レウは自分の記憶に自信がないのかジェシカに確かめる。


「気のせいです。ボケているんですか?レウ。」

ジェシカはレウのことを可哀想な目で見つめる。


「ごめんね。ジェシカさん。私忘れっぽくて...」

レウはジェシカの反応を見て自分の記憶違いを詫びる。



本当の所は二週間もメニカを食べ続けていることをレウは覚えていない。



「それより、もうそろそろお茶にしましょう。

結構長い時間ぶっ続けで研究してたし。私、彼呼んでくるわね。」

ジェシカの言葉を信じたレウは上の方を見つめながら言った。



「レウ、無理をなさらないで下さい。あなたは記憶が曖昧になってしまう程作業をしていました。

あのモヤシは私が呼んでくるのでご安心を。」

ジェシカは無表情のまま、しかし早口で自分が呼んでくるとレウに伝える。



「ありがとう。ジェシカさん。私のことをそこまでいたわってくれるのはあなただけよ...」

レウはジェシカの不審な態度に気づかない様子で目をキラキラさせながら感謝した。


「気になさらず。では」

ジェシカはレウのことを見もせず、そう言うと上への階段を駆け上がる。



・・・・・・・・・・・



二階のある一室。膨大な本の山がそこにはあった。


その山の中に一人の男がいた。


「興味深いな...」

男は手にしている一冊の本を読んで呟いた。


そこへ、

「サキ!お茶です。来なさい。」

ジェシカの声が部屋に響いた。


「ちょっと待ってくれ。今手が離せない。」

男、サキはジェシカを見てそう返答する。


「ほう...私の言うことが聞けないとでも?」

ジェシカは殺気を込めてサキを見つめる。


「すみません。後に」

だが、サキはジェシカのそんな様子にも気づかない様子で本を読み続ける。


「おっと、虫が飛んでますね!!」

ジェシカはサキに向かって魔法を放つ。普通死ぬレベルの魔法。



しかし、

「虫は嫌ですね。でも、本のある所で魔法を使わないでください。」

サキはジェシカの魔法を相殺した後、辺りを見回して虫を探す。



「そんなことより、サキ。お茶です。」

ジェシカはサキの様子を気にしないような素ぶりでそう告げた。


「すみません。ちょっと出かけてきます。」

そういうとサキは自分の外套を探す。



・・・・・



「は?今からですか?」

ジェシカがサキの予想外の答えに虚を突かれたように言った。


「はい。この本の著者に会ってきます。」

そう言ってサキは手にしている本をジェシカに見せる。



「ええと、『万物の根源は風』。著者『トーラ・エンドラフ』ですか?」

ジェシカはサキが見せた本のタイトルと著者を読む。



「はい。『アナクシメネス』っぽいこと書いてまして気になるので、ちょっと会いに行ってきます。」

サキは自分の外套を羽織ってそう言った。


「サキ!待ちなさい!!大体『アナクシメネス』って何だ!!また女か!!!」

ジェシカはキャラを若干崩壊させながらもサキを止めようとする。



「もう、二週間もメニカはうんざりです。では。」

サキはそれだけ言うと窓から逃げた。


「待ちなさいサキ!!」

ジェシカはサキを追おうとする。


しかし、ジェシカはなぜか動けなかった。


「何ですかこれは!!ん?

『接着魔法です。あなたでも5分は動けません。byサキ』ちょ、本当に虫が...待ちなさいサキ!!!」

ジェシカはサキの置き手紙を読んで激怒する。






これがサキがトーラが出会うきっかけであった。




サキは知らない。彼女との出会いがサキの運命をさらに大きく変えることを。

そして、彼女との出会いが後の伝説の始まりとなることを。




アナクメネスとは、古代ギリシアの自然哲学者です。プネウマ説で有名です。

まだ、続きます。

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