裏 マルテテス宅
テロドヌス マルテテス宅 P1286年11.26
マルテテスの馬車に乗っていたサキ達はテロドヌスに着いた。
マルテテスはサキ達を持て成したいと言って、サキ達はマルテテスの自宅へと招かれることになった。
「これが我が家だ。」
マルテテスはそうサキ達に言って自宅を指差した。
その家は周囲の家の10倍は大きく、薄い水色の石でできた壁が全体を覆っているのが特徴的な家だった。
「これは水咢石ですか?」
サキは石壁を見てマルテテスに尋ねる。
「よく知っているな!!キノ殿!!」
マルテテスは自慢のコレクションを褒められたように嬉しがる。
「水の魔素の魔石、水咢石。これほどまで大きい天然物はフランリード大陸しかないでしょうね。
フランリード大陸に行かれたので?」
サキは石壁の見ながら尋ねる。
「ハハハ!!我らマルテテスは水の医術であるが故、ある魔物と交渉して手に入れたのだ!!」
マルテテスは上機嫌な様子でサキの問に答えた。
何でもないように軽い調子で話す二人。
しかし、
「ちょっと待ってください!!二人とも!!!」
メアリがマルテテスとサキに叫んだ。
「何だ?神官殿。」
マルテテスがメアリの様子を見て尋ねた。
「魔物と取引をしたのですか!!それは『対魔物協定条約』違反ですよ!!!」
メアリはマルテテスに向かって叫んだ。
「ハハハ!!神官殿。あの条約は魔物からの侵略に対する防衛を定めたものであるぞ?違反ではない!!」
マルテテスはメアリの様子を見てそう返した。
「しかし!!」
メアリはまだ言い足りない様子でマルテテスに詰め寄る。
「安心するがいい。6条や10条に違反するような事はしておらん。
それにその魔物は四天王の配下ではないぞ。」
マルテテスはメアリにそう言い聞かせる。
「四天王の配下でない魔物?そんな魔物いるわけないではないですか!!!」
メアリはマルテテスに詰め寄る。
そこへサキが割って入る。
「いや、いますよ。誰にも属さない魔物。」
「へ?」
メアリはサキを驚いたように見つめる。
・・・・・
(四天王(笑)は知りませんが、ベルちゃんとかでしょうね。多分、グループのリーダーの名称。
あの子らしいですね。魔物は群れますし...けれど、絶対群れないのが約1名。)
サキは死ぬ前、魔物達と殺し合ったりした日々を懐かしむ。
「あの子は魔物なのに魔物嫌いですからね...あの子は元気ですか?」
サキはメアリの様子に気づいていない様子でマルテテスに尋ねた。
「...すまんが、先に質問してもよいか?」
マルテテスはサキに尋ねる。
「いいですよ。」
サキはマルテテスの様子を気にすることなく返事をした。
「その魔物の好きな食べ物は?」
「メニカ。」
サキはマルテテスの問に渋い顔をしながらも即答する。
「あの方を『あの子』呼ばわりとは...いや、元気過ぎて怖いぞ。」
マルテテスは驚いた様子でサキに答える。
「何だか色々すみません。」
サキがマルテテスの様子を見て何かを感じ取って謝罪する。
「...おぬしも苦労したのだな。キノ殿。」
マルテテスが同情した顔をしてサキの肩をたたく。
一方、このよくわからない二人のやり取りを見たメアリは気が削がれたのか、
「もういいです...」
何も聞かなかったことにした。
・・・・・・・・・
「それよりも、柏崎君の治療をした方がいいと思います。」
サキは柏崎の怪我を思い出して言った。
「うむ。そうだな。幸い神官殿の風魔法で命に別状はないみたいであるが、精密検査をした方がいいだろう。」
マルテテスもサキの言葉に同調して言う。
「法印持ちとお見受けしますが...凄腕の風魔法使いのようですね。メアリさん。」
サキは柏崎の治療跡を見ながらメアリに言った。
「トーラ様の風魔法と私の柏崎様への愛で治療しました!」
メアリは誇らしげに胸を張る。
「トーラ様...?」
サキは聞き覚えのある名前を思い出す。
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「サキ君、君はこの世界で何をしたいと思う?私は...」
次回は回想です。
何話か続くかも?




