裏 温泉街
テロドヌス前 P1286年11.26
魔物の群れに走っていたサキは魔物達と戦っている二人が見えた。
(あの二人、特に男...いや、女性ですね。強い!)
サキは戦っていた二人の様子を遠目で見て、二人の強さを感じ取った。
サキは短髪の女?が自分の三倍はある魔物を刀でいなしつつ切りつける姿に目を見張っていた。
(あれでは私の助けはいらないかもしれませんね。ですが...)
サキは魔物達に圧倒的強さを見せる二人の様子を見ながらも嫌な予感がして急いだ。
サキの嫌な予感は、
「へへ、強いじゃあねえか!お前ら!!我こそはベルウ特攻隊のキース!!
さあ!この俺様あいてにどこまで持つかな!!!」
的中した。
・・・・・
「ウルトラアタック!!」
魔物、キースが叫びながらただ単に短髪の女?に向かってただ単に突っ込んできたように見えた。
しかし、
「がは!!」
突っ込んできたキースの速度がぶつかる直前に上がったため、かわすタイミングを見誤った短髪の女?に直撃した。
「柏崎様!!」
それを見て、もう一人の仲間である僧侶服の女性が叫んだ。
「糞!一体何だ!!」
短髪の女?、柏崎はキースの攻撃を受け血を吐きつつ、崩れた体勢を立て直す。
しかし、ダメージが大きいようで思うように動けない。
「フハハハハ!!良くぞ耐えた!!だが、何をしたかわからないようだな?そのまま死ぬがいい!!!」
キースは自分のウルトラアタックを受け生き延びた柏崎を称賛しつつも、柏崎を殺そうと襲いかかる。
そこへ、
「相手とぶつかる寸前、手を後ろに回して何らかの火魔法を噴射することで、スピードを急速にあげた応用魔法ですね?」
到着したサキがキースと柏崎の間に割って入る。
・・・・・
「いいところだったのによ!!空気読め、てめえ!!」
キースはいきなり目の前に現れたサキに対して怒りを露にした。
「空気読めない...」
サキは自分が気にしていることを言われて落ち込む。
「...空気が読めなくて結構!!キースさんと言いましたね。
あなたのネタはわかりました。あなたの仲間もだいぶ戦死されてます。引いて下さい。」
サキは開き直って、キースに戦闘を止めるように言う。
「ああん!!...って本当だ、死んでやがる!!糞!!!」
キースはサキに言われて初めて仲間の大部分が戦死したのに気づいたようだ。
「仕方がねえ!!引くか、だが、その前に...」
キースは引くことを決めつつも、サキを睨む。
「俺様の必殺技がウルトラアタックだけだと思ったら大間違いだぜ!!!
相手になってくれよ。やさ男さんよ!!!」
キースはそういうとサキに襲いかかる。
・・・・・
サキとキースの戦闘が開始して数分。
柏崎は僧侶服の女性に治療されていた。
「すごい。」
柏崎はそう呟いた。
「スペシャルインベーダ!!」
キースはそう叫んで、サキに向かい魔法を放つ。
「叫ばなくても、魔法って使えますよね...操作魔法とは恐れ入ります。」
サキはキースの魔法が自分の方へ曲がるのを見て驚きつつも、当たる直前で魔法を使い相殺した。
「さっきから俺様の魔法を全部撃ち落としてるお前に言われてもな!!」
キースは減らず口を叩きつつも内心焦っていた。
(コイツ何者だ!人間でここまで魔法を使える奴なんてこの辺じゃあリファス騎士団のロードくらいじゃねえのか!!糞っ!!)
キースは自分を打ち負かした唯一の相手、ロードと今戦っている相手が同等若しくはそれ以上と判断していた。
(こんな終わり方はアレだが仕方がねえ!!)
キースは隠し持っていた煙幕弾を取り出した。
「バン!!」
キースは地面に煙幕弾を叩きつけた。
煙が辺りを立ち込める。
「フハハハハ!!卑怯って言ってくれるなよ!
お前が強すぎんのが悪いんだぜ。煙でわからないまま死んじまいな!!!」
キースは煙で見えないであろうサキを切りつけようとする。
「卑怯とは言いませんよ。むしろ称賛に値します。しかし、遅かったですね。」
サキはキースが煙幕を使ったことを称賛する。
すると突然後方から、
「充填完了!!!超濃度圧縮温泉砲用意!!!放てぇ!!!!」
キースに向かい超高密度の温水が凄まじい勢いで放たれる。
「グハァ!!!」
キースは温水の流れに乗ってどこか彼方に吹き飛ばされた。
「キースさん、あなたの敗因は周りを見なかったことです。
なぜ、私が距離をとっていたのか。それをあなたは考えなかった。」
サキはそう言うと柏崎の方へ歩いていく。
「大丈夫ですか?そこの女性?」
サキは柏崎に向かって問う。
「ええと///」
柏崎は顔を赤くし、声をどもらせる。
「そこのあなた!!!」
僧侶服の女性がサキに声を荒げる。
「っはい!!」
いきなり僧侶服の女性に怒鳴られてサキは驚く。
「柏崎様は私、メアリの将来の夫となるお方。女性ではありません!!!」
僧侶服の女性、メアリはサキに向かってそう叫んだ。
「なんと!!!そうでしたか。いや、ご無礼を!!すみません!!!」
サキはメアリの言葉を聞き、柏崎に謝る。
「いや、違」
柏崎は何かを言いたそうにする。
しかし、
「そういえば、ジェシカ君も最初女性かと思ったら男性でした!!!そういうこともあるんですね。」
サキにその言葉は届かなかった。
(この糞女!!!まだ私のこと男だと思ってんのか。この脳内腐れ『ピー』が!!!)
柏崎はメアリのことを脳内で罵る。
柏崎はメアリの所属するトーラ協会によって召喚された人工勇者被検体1号。
ようするに惑星地球から魔王ベルウを倒すべく秘密裡に召喚された人間である。
柏崎は召喚された当初のやり取りでなぜかメアリと婚約したことになってしまい、
自分が女だと言っても信じてもらえないという境遇にいる。
柏崎はサキの勘違いを解こうとする。
「あの!」
しかし、
「諸君らか!!!我が町の、テロドヌスのために戦ってくれた勇者とは!!!」
厳つい男の大声によってその声はかき消された。
「我が名はマルテスス!!!この温泉街の主にしてついでに医師!!!
そして最も偉大なスポーツであるエノピオクの協会現会長である!!!!」
厳つい男、マルテススはそう高らかに叫んだ。
「馬鹿な...マルテスス君があんな厳ついわけがない...」
サキは自分の知っているマルテススとはだいぶ違うので放心状態になっていた。
「諸君らを歓迎しよう!!!このエノピオク協会会長マルテススが!!!!」
マルテススはそう高らかに宣言した。
なお、ジェシカは女性であったのだが、サキは知らない。
私の過去の短編「よくある光景。ねえよ。」から登場、柏崎とメアリ。
今後、どう彼女達が絡んでくるのか...
おまけ キースのオリジナル魔法一覧
「ウルトラアタック」
キースが開発した火魔法と体術の混合技術。
ぶつかる寸前に手を後ろに回すことで魔法を放ち急激に加速する。
基本的に初見の相手を試すとき使用する魔法。
威力はトラックにぶつかったくらい。
柏崎はトーラ協会から譲り受けた装備で衝撃を緩和されたものの、普通は死ぬ。
単純な威力だけなら、普通の戦闘魔法よりも強い。
そんな魔法なのでキースも柏崎を称賛した。
「スペシャルインベーダ」
キースが開発した今のところ最も高度な魔法。風と火の混合魔法。
DBの繰気弾に近い。基本的に直線上にしか放てない魔法の弱点を克服した技。
火魔法を直線上に放ち、風魔法で横方向に起動を修正する結構すごい魔法。
サキも似たような魔法を開発した事があるが恐ろしく高度なため、
戦闘中にこの魔法を使ったキースの、魔法技術を称賛した。
しかし、弱点として風と火魔法で相殺されて威力が落ちてしまう。
サキはこの弱点を克服しており、むしろ威力が倍増するという恐ろしい魔法になっている。
キースが割とお気に入りなので専用の魔法欄まで作ってしまいました。




