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料理学園  作者: マーたん


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7/8

キララ流カレー vs 大我流カレー

同じ材料を使っても、

同じ料理にはならない。


料理は、手順を守れば完成するものではなく、

どこで何を信じるかによって、

まったく違う顔を見せる。


鷹宮葵蘭タカミヤ・キララのカレーは、

正解を積み重ねた味だ。

誰が作っても、同じ場所に辿り着ける。


暁月大我のカレーは、

その日の鍋と向き合った味だ。

同じ手順でも、同じにはならない。


この工程比較は、

優劣を決めるためのものではない。


料理に向き合う姿勢の違いを、

可視化するための一枚である。



キララ流カレー vs 大我流カレー


――工程と思考の比較



① 仕込み段階


鷹宮葵蘭タカミヤ・キララ

•玉ねぎ・肉・野菜は規定サイズにカット

•重量・水分量を事前に測定

•仕込み時間を最短化

•「誤差が出ないこと」を最優先


▶ 思考


再現できない工程は、工程ではない



◆ 暁月大我流

•カットは揃えるが、食感を想定して微調整

•肉の筋・脂の付き方を見て切り分ける

•水分量は素材の状態で判断


▶ 思考


同じ素材でも、今日は同じじゃない



② 油と火入れ


◆ キララ流

•油は既定量

•中火で安定加熱

•温度が上がったら即、具材投入


▶ 思考


油は媒介。主役ではない



◆ 大我流

•最初に油だけを温める

•香りが立つまで、具材を入れない

•火加減は鍋の反応で調整


▶ 思考


油は、香りを運ぶ器



③ 玉ねぎの扱い


◆ キララ流

•色づき始めたら次工程へ

•甘味は計算内

•炒めすぎによる苦味を回避


▶ 思考


玉ねぎは甘味担当。役割以上は不要



◆ 大我流

•色だけでなく匂いの変化を見る

•飴色直前で止める

•焦げる一歩手前で火を落とす


▶ 思考


甘味と苦味の境界が、深みになる



④ スパイス投入


◆ キララ流

•規定配合

•温度が安定してから投入

•香りを飛ばさないことを重視


▶ 思考


スパイスは、味を完成させる部品



◆ 大我流

•油が最も香る瞬間に投入

•一部スパイスを後入れ

•香りの層を作る


▶ 思考


スパイスは、時間差で語らせる



⑤ 煮込み


◆ キララ流

•既定時間

•アクは定期的に除去

•味を「整える」


▶ 思考


煮込みは、誤差修正の時間



◆ 大我流

•煮込み時間は流動的

•アクは最低限

•味を「変化させる」


▶ 思考


煮込みは、覚悟を固める時間



⑥ 完成判断


◆ キララ流

•味見は最小限

•予定通りなら完成


▶ 判断基準


正解に到達しているか



◆ 大我流

•最後に一口、必ず味を見る

•予定と違っても、踏み込む


▶ 判断基準


今、この鍋が一番強いか



総評(作中評価)

•キララ流カレー

 誰が作っても安定する

 安心と完成度の塊

•大我流カレー

 再現しづらい

 だが、一度ハマると忘れられない

安定した料理は、強い。


再現性があり、

失敗がなく、

評価されやすい。


だが、

すべての料理が

そこに留まる必要はない。


踏み込む料理は、危うい。

失敗すれば、何も残らない。

それでも、

心に残る味は、たいていその先にある。


キララのカレーは、

料理という学問の到達点だ。


大我のカレーは、

料理という選択の結果だ。


夜月学園が問うているのは、

どちらが正しいかではない。


どこまで、料理に賭けられるか。


この二つの鍋は、

いずれ交わる。


そのとき、

正解と覚悟は、

同じ皿の上に並ぶだろう。

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