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“Effects of selfishness/利己主義の影響”(Another story of Civil war)  作者: 河崎浩


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7/13

利己主義の影響(7)

(韓国)

(北米事情)

(脱出1)

(リーダー)

(韓国)

米国の混乱により、彼等の存立基盤でもあった、価値観を共有する巨大市場の脆弱化を認識せざるを得なくなった、韓国のポピュリスト政権が、自身の持つ、小中華主義的傾向を先程訪韓して来た日本の外務大臣の影響もあって、再認識せざるを得なくなり、実体経済自体が北の同胞?に比べ、日本と変わらぬ、下手をすると個々人レベルでは、凌駕出来る位、豊になり、その様な余裕もあって、相対的な考え方に基づき、自身の非を(自国の歴史を科学的に質し“過去の歴史教育の間違い”を認識)認めた事に依る、対日関係が『正常化』した結果。現在、この地域のリーダーとしての、韓国に求められ懸念しなければならない事は、韓半島から見て、価値観を共有しない潜在的巨大市場。

『隣の大国の正常化』だけであった。

隣の大国は、数十年周期で、資本主義と共産主義の間を行き来していて、今は、共産主義の時代であった。

従来の韓国のポピュリスト政権が、建前上堅持している自由主義的で多様な考え方を採り入れる事は、彼等の国名に『人民共和国』と付いている限り、彼等に対し『事大主義的』な、臣従の礼を執る事が『あり得ない』のは、以前の大統領の失策からも、承知していた。

又、隣の大国の共産党が唱える『共同富裕』の思想は、正に、理想ではあったが、実現は、不可能な、空論である事は、党員だけではなく、其の大国に住む、一般国民も、知ってはいても、口に出しては言えない(監視)環境と強制(漢人化)が其処いら中に完備されていた。

そして、その様な環境は、韓国国民に採っても、広く共有される、常識でもあった。

勿論、つい最近まで、日本の為政者が言っていた『トリクルダウン』理論も、同様の『嘘』という認識も、あった。

幾ら既得権益の常態化(財閥)があり、そのお零れで生きている環境に在るとは云え、ある程度、頑張った人間が、それなりの対価が、得られない社会は、人々のモチベーションを奪うだけである事は、自由で、民主的な社会で生きている韓国国民にとっては、常識でもあった。

唯、その解は、近頃リモートで、よく杯を交わすようになった、日本の石田首相の解説に依れば、意外と単純で、現状環境と情報を公平公正。

且つ、優しく言い換えて、詳らかにし、その利害調整を我々は、フェアーで、オープンな公開された(平)場でし、選択肢を提示した上で、その選択を国民の判断に委ねれば、良いのであった。

自身の判断ミスによる、結果不平等が、甘受できるのが、民主主義と自由を自らの手で勝ち取ったと自覚している韓国の国民の一般的感覚であった。

ただ日本同様、韓国も、敗者復活、失敗を経験した者が、やり直しを『し辛い』のが、欠点でもあった。

「後は、公平公正な民主主義の手段に則り、選挙民(国民)が判断する事だ」

と日本政府(石田も山田)も考え、韓国大統領及び、韓国政権の構成員も、そのベクトルは、維持していた。

韓国大統領とその政権は、お得意のSNSを利用し、国民を感化していた。

故に、クローズアップされてきた彼等の課題は、隣にある大国の、国家主席なる人物の折伏(篭絡)だけであった。

只、韓国は、隣国との間で、ルーツに関する歴史的な遺恨を抱えていた。

世に言う『東北行程』と言う奴で、韓国・北朝鮮(半島国家)を隣国の辺境の一部と見做すか、独立した民族国家と見做すか、韓国・朝鮮の源泉は、漢民族の一派か、純粋な韓民族の何れか?と言う問題であった。

韓国のポピュリストに執っては、この件は、彼等の琴線に触れる大問題でもあった。

隣にある大国から見れば、自国の一辺境に在る、元々冊封国に過ぎない(渤海や高句麗の末裔である)北が、宗主国の意思を無視し、ロシアに近づく事は、看過出来なかったし、自身と同じ種族の末裔が造った(と考えている)百済や新羅の末裔である、元々は属国(冊封国)であった半島南部(韓国)が、自身に逆らう事は、元々属国民であった朝鮮人の、執るべき態度ではない。とも考えている節が、政府間の外交でも散見できた。

一方、平均的な韓国国民に執っては、同じ言葉を話す『同胞』とは言え、余りにも、経済格差が開き。

且つ、ブラックボックスの様に毎度期待を裏切る答えしか出さない、理不尽な態度を採り続ける、政権(独裁者)に仕切られた、地続きの同胞の面倒を体面上(倫理上)看ざるを得ない事態は、ロジカルに考えても真っ平な事態でもあった。

要は、両国にとって、北は『御荷物』なのであった。

この辺の知識があった山田は、石田に、先ずは渤海(高句麗)の一部でもあり、満州族のルーツでもあった沿海州をロシアから奪還を目指す事を両国で働きかける方が、東・南シナ海の領海の専有を試みる『今の行為』より我々や、米国を除く西側諸国からの理解を得易く、国民からの納得と共感も得易いと、韓国と共に、隣にある『大国の国家主席』には、レクチャーし始めていた。

実際、比較して圧倒的な、経済的強さの面から、スラブ人が専有する沿海州に目立たぬ様に、だが、確実に自国民をインフラ整備の為の労働力と言う形で、隣の大国は、侵入させていた事も、日韓は把握していた。

自国民の保護、と言うのは。ロシアが、クリミアやウクライナ東方地域の違法併合で採用した常套手段である。

先ずは、隣国の地方政府に公権力の象徴としての、隣国系の警察組織(海外派出所)の存在(常駐)を認めさせる事から、彼等は、着手する様、党総書記や幹部連中に囁きかけていた。

ロシアは、この手段を使われては、公に、表立って抗議する事は、出来ないであろう(国際的に自身の行動との整合性が取れなくなる)。

又、現在進行形で有る紛争の資金援助をしてくれている国の機嫌を損ねる事も、得策ではない。故にロシアは、表立って隣国を誹謗できない。と言うのが、山田の算段であった。

結果、もし隣国が、沿海州の平和的奪還が出来れば、三方を隣国に囲まれる事になる、北は、陸路では、ロシアに直接近づく事は、もはや出来なくなる。北極海周りの海路の開拓も、彼等の能力では、かなり困難さが出るだろう。

結果、隣の大国は、北を韓国とのバッファーとしてコントロール下に完璧に置く事が出来る。其の際、樺太や千島に、アメリカが、四分五裂している現状では、対隣国への軍事プレゼンス(自国の軍事拠点や、在日米軍基地)を置く心配も無い現状・環境下では、返却(シベリアと呼ばれた地域を元々其処に住んでいた人、そう、彼等は、隣国人で在るべき人々の手=匈奴とか鮮卑、突厥と呼ばれた人々=の手元に領土を戻す、開放するだけ)をモンゴルと共に、公に、国際的に宣言すれば、世界も、その態度に対して、安心するだろう。と言う算段もあった。

ウクライナを攻め込んでいる『兵隊』の中核、実は、北朝鮮を除けば、シベリアのツングース(満州系)やチュルク(トルコ)系、蒙古系等、アジア系、所謂、隣国式に呼べば、匈奴とか鮮卑、突厥の人々で、ロシア正教徒や、辺境に住むスラブ人以外は、兵の中核がスラブ系ロシア人では、無いのは、この頃では、世界的常識でもあった。

一方、ロシアへの出入口を塞がれた北は、体制存続の為、隣国に縋るしかなく、隣国が、韓国との国境バッファーとして、存続させる事に『異議』を唱えなければ、自己顕示欲と、プライドだけは強い、北の独裁者は、生き残りを賭け独力で国を維持しようとするので、面倒を今迄以上に看る必要は“ない”ので、三方共に、問題は、解決する。

と言うベクトルで、隣国の党幹部との間でも、実務者間でも、話を進める事をコンセンサスにすべき。と山田は、日韓のボス達には、説明していた。

勿論、樺太は、隣国と接する地域であり、間宮海峡の幅は、宗谷海峡より狭い、僅か七キロしかないので、この地域と千島列島沖のオホーツク海の環境維持等の扱い(要は、資源開発の凍結)と隣国が安心できる安全保障に関しては、何事に於いても、彼等の意向と、そぐわない様にする(その為の三ヵ国による定例の)常設会議を設置する確約を両国と、必ず交わして置く事が肝要。

其の上、オホーツク海に潜む。ロシア原潜のあぶり出しを、隣国と海上自衛隊で進める事で、両国海軍の信頼醸成が促進でき、かつアジアにとって、重要な北極海航路の開拓もこの三ヵ国を中心にして進められる。と言うオマケ迄、ちらつかせた。又、樺太の自然環境の絶対維持。要は、これ以上、地球環境の破壊につながる営利行為=資源開発の凍結。と言う事も、念には念を入れる意味で、付け加えた。

この一文を忍ばせる事で、無秩序な千島樺太の乱開発や民間(と言う名の隣国資本)による土地購入も防げる、と云う思惑もそこにはあった。

この地域(東アジア)に、紛争の『種』を残す様な事は、絶対に在ってはならないのであった。

この件は、隣国も今、直面している地球環境の異常さから来る、自国領内の環境保全の為に化石燃料の開発や使用の凍結。この問題解決は、急務であり、この事を掲げておけば、文句は、出ないだろうと言う、算段もあった。

此の樺太問題を契機にして、対等な立場で、三ヶ国が、腹蔵なく、且つ、戦術的な政策の違いによる、中断の心配が無い形で御互いの見解を定期的に言い合える環境の整備が、日韓両国、及び、隣にある大国との関係性では必要。と、云う事を韓国大統領との間で、コンセンサスとして『詰めておく』必要性を山田のレクチャーの間、石田は、強く感じていた。

石田は、この頃、気心が分かって来た、元ポピュリストの韓国大統領との間の、ホットラインに手を伸ばした。

そう、この地域の行動指針に関する決定権者は、日本ではなく『韓国大統領で在るべきだ』と言う『自覚』を韓国大統領に持って貰う。責任ある地域リーダーとしての韓国(民)のポピュリズムからの『卒業』の必要性を石田は、強く感じていた。


(北米事情)

テキサスとカルフォルニアの連合は、カリフィルニア州知事を仮の米国(自由主義者の西部連合)新大統領として、首班指名していた。ドルと云う名の国際基軸通貨の価値も彼等(西部連合)が担保すると宣言した。

彼と、彼を支持する勢力が、米国第一主義を掲げる大統領(米北軍大統領)と対峙している構図は、山本達も理解できていた。が、未だドルを印刷する設備やFRBは米北軍オリジナル大統領の支配下にあった。

只、昨今、自分側だと考えていた、エスタブリッシュメントと言われる、リベラル階層が多く住む、ニューヨークから東部のカナダ国境に近い地域(但し、五大湖隣接のラスト・ベルト州を除く)と、支持層。

特にスポンサーとなる支持者の層が、西部連合とは、異なる事が、明確化して来た事で、米国は4分割の様相を呈して来た(西部自由主義、日和見/中部、北部エスタブリッシュメント、そして、自身をオリジナルと称する米国第一主義者/MAGA達)。

此の西部と北部の対立は、西部やハワイ・アラスカの支持者には、アジア系のネイティブや新興移民(2~3世)が多く含まれ、思想的にも、小さい政府により、行政からの自由を重視する世俗的な西部と、大きな政府による、正しいコントロール(ポリティカル・コレクトネス)を標榜する北部は、産業構造も新産業と言われる、情報通信技術、半導体や航空機に代表される先進精密機器である点(西部連合)。エスタブリッシュメント層や、リベラル層等のSNSやコミュニケーション産業などに従事する知識階級(理想主義者)が、多くを占めている北部との間で決定的に異なっていた。

人種的に言えば、北部には、無神論者のプラグマチストやアジア系よりアフリカ系(黒人)やキリスト教系の人種が多かった。またイスラム系ユダヤ系も北部には、少なからずいたが、西部系は、アジア系以外に、ヒスパニック系も含め、ネィテブアメリカンが多く居て、分裂の『原因』と成る『宗教(観)』や、『人種差別』を恣意的に極力排除(要は世俗主義の徹底)、政策決定には、宗教に基づく道徳観を持ち込ませない様に論理的ロジカルに且つ実利的に物事を進めようとする傾向が、明確化した時点で、西部と、宗教的な『絶対』に基づくポリコレが少なくはない北部、それがキリスト教やユダヤ教、イスラム教に基づく道徳観に由来していた為に、分裂は避けられない様相になった。

そして西部は、経済的強者でもある世俗主義のアジア系の発言力が強く、特に日韓台印系企業をバックとした、先進産業のコミュニティーの発言力が絶大であったが、唯、其処に大陸系(共産党系)の華人社会が内包されている点を、北部は、問題視した。

北部の持つ絶対的な民主主義と正義の価値観(ポリティカル・コレクトネス的理想主義)とは相容れない、目的達成の為には、手段を択ばない考え方を許容する、大陸系の息が掛かる華人社会が根底に持つ考え方は『絶対に受け入れられない』人種が、北部エスタブ層や、リベラル層であり、彼等の考え方の根本であった。

しかし、日韓台系企業系の社会は、大陸系華人社会が、根底に持つ考え方に対し、受け入れる事はないが、鷹揚であり、敢えて彼等を刺激するような言動は控えていた。

大陸系も敢えてその面を表に出す事は控えていた。インド系は、本国では、大陸系との間に領土問題があったが、基本、対華人社会に対しては、様子見を決め込んで、実害が無い限りに於いて、その存在を許容していた。

基本、西部連合の中心を成す世俗的な階層は、プロテスタントのキリスト教や、イスラム教的、厳格な一神教的な宗教価値観の押し付けや、其処から来る『絶対』と言う、物事に白黒をはっきりつける考え方に、アレルギーに近い拒否反応を示していた。

LGBTQや、女性の人権としての中絶権を擁護する立場・階層の考え方を『芯』に掲げ、北部に多く居るイスラム教徒の価値観や、原理主義的イスラムやユダヤ教徒。オリジナルと自身を称する、高慢な白人達の掲げる、キリスト教福音派の持つ原理主義的な考え方に対し、それこそ、悉く、生理的な拒絶反応を示していた。

北部エスタブ層は、その点に関しては、鷹揚であり、ケースバイケースを認めていた。

西部連合の支配州では、公立学校や、施設における服装や、ベジタリアン(ビーガン)以外の食べ物に対する宗教観に基づく『規制』(ハラル食等)に関し、無理解(無許容)を貫き通した。此れは、民主主義先進国の世俗主義を貫くフランス的でもあった。

イスラム教には付き物の、祈りの時間は『さぼり』と看なされ、公共の場所で、スカーフを頭に付ける女性は、テロリストと見做し、公共施設の利用を一切禁じ、屠殺や、調理法に規定がある忌避食ハラルの記載をあらゆる食品に対し『敢えて』認めなかった。

イスラエルの首都は、あくまでテルアビブであり、エルサレムは、共通管理地とし、イスラエルとパレスチナは、各々独立国家として『存続を認められるべき』と考え、西部連合の核を為す層は、その点で、北部エスタブ層やユダヤ系の知識産業を牛耳る裕福な階層の執る、厳格な宗教観に理解が無かった。

只、その様な行政だけでなく、アジア系の人達の、イスラムや、各派各宗教の原理主義が採る、宗教的な習慣や儀礼的な行為に対する『不寛容な姿勢』は、東部のアフリカ系や、中東以外の、アジアのイスラム系、及びユダヤ系の人々からも生理的な反感を買っていた。

只、キリスト教由来の各種行事(フェスティバルや、クリスマス等)仏教的な行事(花祭り)やイスラム教やヒンズー教由来の行事の中で『楽しむ』事(祭)に、一切の規制は掛けず、寧ろ推奨した。

故にブラジルなどのキリスト教国やインド等は、西部連合には接近し易かった。

宗教由来の催事は、日本のように、完全な世俗的行事。それが。西部連合の宗教に基づく祭祀に対する考え方であった。

西部連合に組する一般人には、カナダを除く、東部アメリカや、中西部。そしてMAGAの白人は、共通項を認め合って、許し、(コミュ)合体(ニティー)を継続する。より、些末な違いをお互いに論って(あげつらって)、分離する道を選ぶ人々、それ等が起こしたのが、この内戦の実相と捉えていた。

故に、自身の考え方と少しでも異なる考え方を許さず。許しが無い故に、存在を消し合っているだけに、内戦が進むに連れ、それは肉食人種特有の『凄惨な光景(虐殺や絶滅)』しか産まないのだ。と捉えていた。

その様な姿勢が、進歩的と見做されていた西部と北部間でも顕著化してきたのであった。

古き良きアメリカ人の持っていた、大らかさ、アメリカ合衆国の建国時の理想は、此処に完全に消え去っていた。


(脱出1)

山本と田中。そしてキャサリンは、今のアメリカで起こっている事態を周囲で実感し始めていた。

彼等の親族や、古くからの友人(と思っていた)人の中でさえ、考え方の相違に対し妥協点を探すのではなく、違いを(あげつら)い、断絶する道を選ぶ人間が、散見し始めていた。

山本は、そろそろ潮時。と考え始め、田中も撤退方法を考え始めていた。少なくとも、日本迄の航路が維持されてる、南(メキシコ方面)には、非人道的で完全自立自動化された機械壁ウォールが完備され、逃げ道は、無かった。日本も、韓国も、内戦の実態が、凄惨さを増すにつれ大使館は疎か、代表部や領事館すら、西部連合支配地の米国内にも、未だ、置けていなかった。

内戦開始から数週間は、頑張って居たが、オリジナルの北部や西部連合への攻撃はテロ化し、ニューヨークにあった筈の、UNは、既にジュネーブに本部を移し、合衆国籍以外の、事務総長以下、各国の国連大使と呼べる存在も、職員も、米国には、誰一人、居続けられなかった。(居ればオリジナルによるテロの標的とされた)

米国内に活動拠点を持つ、国際機関の体を成していた物は、職員の安全面から、民間路線が就航している間に、全てG5(EU)特に永世中立国のスイス(ジュネーブ)やベルギー(ブリュッセル)、一部は東京に所在を移動していた。

米国からの独自情報は、米国発の報道機関からが、主たるものとなりCNNは西部、3大ネットワークや古くからのメディア(新聞)とFOXは、北部とオリジナル(DC以南)の(独自=偏った)情報をもっぱら流していた。

日和見を決め込んでいた中部地区とオリジナルと称する一派は、専ら各自各様に、地元局とSNS等を使って独自の見解や、裏付けの無い情報も、流していた。

これ等の情報により、テキサスから、メキシコへ抜けるルートの監視が、最も厳しい事が、実感としても、客観的な情報としても、徐々に判明して来た。

カリフォルニア州には、未だ、西部連合圏という事で、ハワイ、太平洋の西部連合圏の島嶼部やアラスカ行きのローカル航路(但し軍が所管する)が、辛うじて有ったので、先ずは、其の便に乗る事が優先された。(ハワイ、グアム以外の太平洋島嶼部の旧米国自治領=米海軍基地がある地域の情報は、民間メディアから入手は出来なかった)

サンアントニオから、カリフォルニア州の、サンディエゴ迄には、日和見州としては、最大の、ニューメキシコ州を陸路で通過しなければならず、(合衆国が、管理していたGPSや米国産の衛星リンクの信頼度が下がった事、しかも、民間資本の航空機が、州の上空を通過する事を殆どの州が、認めなかった=要は、ミサイル以外に、小型ドローンや無人機による、コミュニティーへの攻撃阻止の為、あらゆる『未確認飛行物体』を一律で、上空の通過を拒絶するのが、今の戦術であった。

先週の探検で、此処や、ニューメキシコとアリゾナの状況は把握できていた。

ルート8で、約半日と言う行程だが、出発時間によっては、途中で、路上宿泊も覚悟した装備を持っていく事にした。日和見州も有難い事に、カリフォルニア州、いや日本迄(正確には、世界中に対し)ケーブルによる通信環境は、細々とだが途絶させず、随時維持、時々解放していた。

特に西側の日和見州は、基本、世界からの、隔絶や、孤立だけは、畏れていた。

義父(キャサリンの父)と義兄は、自宅に残る事を決めていた、但し、山本が持参した、通信機器は置いて措く事を強く依頼された(正確には、破却を拒んだ)そこで、出発前の彼等の大仕事は、この装置の隠匿であった。

この日本製装置の存在は、少なくとも、オリジナルの連中から観て『裏切り者の証』以外の何物でもなかった。


(リーダー)

日本の首相、韓国の大統領そして隣国の総書記(実態としては、主席)は、ロシア問題の話し合いの為に、ソウルで、一堂に会する事にした。これは、総書記が、韓国の北にある、跳ねっ返りの若造が、ボスとして君臨する地域を押さえつける確約をしたので、中間地点と言う意味で、選ばれたのだが、日本政府に執っては、この位の特典(名誉)を韓国政府に与えるのは、自然であった。

当然、隣国の総書記の訪問なので、(元)米軍基地の有るソウル市内ではなく、基地とは真逆に位置する、ソウルに隣接する、風光明媚な観光地が選ばれた。

米ロを除く、全世界が注目する中で、韓国は、国威を掛けた会場を用意していた。セキュリティーの厳しさは、隣国も舌を撒く程であり、此のセキュリティー環境の構築に関しては、日本政府も、素直に今後の参考とした。

「総書記、貴方をお呼びする場合は、此の肩書だけで宜しいのですか?それとも親愛の情を込めて“宋さん”とお呼びすべきでしょうか?実は私は、個人的に悩んでいます」

この様な石田の言葉の投げ掛けから、会談は始まった。


勿論、此の厳重なセキュリティー環境の下、元在韓米陸軍基地関係者は当然として日本や隣国の情報部や報道関係者も、その会談内容を窺がい知る事は出来ず、内容把握は、韓国政府によるプレスリリースを頼らざるを得なかった。

隣国の総書記の滞在は、一日限りであったが、隣国にとっても、その存在は、目の上のたん瘤である、日韓両国懸案の在米基地問題に関して、しっかり隣国の立場と、考えを述べて(両国には懸念事項として、釘を刺して)基地問題は、隣国を安心させる形で解決して欲しい旨を宣告した。

一方で、日韓両国は隣国の、九段線や台湾に関する拡大主義や、現状の西蔵とウイグル地区の問題。と言う従来からの主張。要は、今迄通り、貴国の『核心的利益』という考え方に関しては、断固、日韓両国は、許容出来ない旨を告げて、帰国の途に就かせた。

総書記の帰国を見届けた後、そのまま総理と大統領は、基地の対処に関して、考えを擦り合わせた。

基本案は、同様の基地を抱える、独伊両国とも、話を合わせる必要性が有る事の認識の一致で、四ヵ国共同で、一致した対応を在外米軍基地に対して採る事が求められたが、四ヵ国共、其の地政学的、又経済的な見地から、在外米軍基地の戦力や存在意義を自国単独で代替し賄う訳には行かず、故に、米軍に、即、帰国を促し、基地を自国に取り戻す。という選択肢は、現実的では無かった。

しかし各国共、在野勢力と、基地内の米国民(米兵)の気持ちは、多分、四ヵ国の政権や国民感情とは、真逆であろう事は、容易に想像できていた。故に駐留米兵を内戦最中の本国に其の儘戻すという選択肢は、採れなかった。

EUの中心としての独伊は、ロシアの、今日迄の態度に対し、危機感は、日韓と共有していた。

同様に日韓両国も、隣にある大国の『覇権的』な態度に対し、マーケットとしての魅力以上に、独伊と危機感を共有していた。只、駐留米軍の維持費や最悪撤退の費用負担を、四分割された、米国政府の、何れが、実質的に肩代わりするのか?我々が、その費用分担を何処迄するのか?何処迄、出来るのか?其れとも、四勢力共、在外基地の存続の必要性は、感じていないのか?その判断と、その交渉は、一致した方向性を持って、為さなければならない。

それが、最大の、日韓独伊四ヵ国及び、その他在外米軍に対し、突き詰めて、統一させておくべきテーマであった。

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