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“Effects of selfishness/利己主義の影響”(Another story of Civil war)  作者: 河崎浩


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4/13

利己主義の影響(4)

(国内)

(韓国/半島情勢)


(国内)

山田と石田をして田圃(たんぼ)コンビが、まず、最初に取り掛かったのは、この政権に対する国民一般からの生理的な不信感の排除であった。

全ての政策・意志決定プロセス(要は、国民の税金を使用して決済されるあらゆる国事)は、必ず記録を残し、詳らかにする事を石田は、政権(マニュ)公約(フェスト)として国民に約束し、永田町や霞が関の持ってた(堅持していた)従来からの常識と距離を置く事を山田が、宣言させた。

一部、霞が関の役所を改変し、省庁の垣根を横断した情報と広報部門専任の役所を新たに設け、彼等がこの政策決定プロセスの公開に関し『責任を持つ事』を国民の前で、官房長官として山田は、丁寧に説明した。山田の言葉を借りるならば

「今日、此処で、私、山田は、主義者としての鎧を置き、自由な、真の意味での保守を志向する首相を『一心を賭して』お支えする所存です」

この言葉から、国民や社会に対する、その説明は、始まった。

官房長官受諾の際の、彼の演説の冒頭により、この作業に従事する人員は、石田や彼のシンパである自▽党議員の推薦で選ばれた、官僚(行政職)ではなく旧来与党と、接点が極力少なかった、要は、この業界の慣例や常識とは無縁の、民間の広報や情報関連、海外との実務交渉の経験が少なくはない、世界的に通用する公約数を常識として持つ“実業界の人物”を人材として、広く一般に求め(公募し)、その分、余剰となり、この業界の慣例が常識と勘違いをしている、規制(内務)官庁の縮小や旧内務関係の中央省庁(主に総務省や産業政策推進官庁関係)の人員削減と人件費削減(要は官僚の大リストラ)を計画し始めた。

その反動は大きく、抵抗は凄まじかった。この流れで外国人乃至は元外国人(帰化した日本人)を登用する事が憚られたが。結局、国際的常識を持った人材の選出には非常に困難が付きまとう事になった。

とは言え、日米合同委員会を構成していた人員や、会議場所、残されていた全ての議事録(残念だが、記録の無いモノも少なくはなかった)そして、国家間(特に日米間)の秘密条約の様な事項も、其の暴露(公表)内容には含まれたが、その締結や考え方のプロセスを記した報告文書も、合衆国と言う実態が消滅した現在、それ等の秘密(条約)に関しては、原則、即時公開をした。

しかし、内容により、即時公開をするには“差し障り”がある。と田圃(たんぼ)コンビや石田政権が、判断した文章や内容に関しては、最長で二〇年と五〇年の公開猶予期間を定めた。

但し其処に『墨塗等の忖度の無い』完全公開をする約束も国会で議決させた。

とは言え、日米合同委員会関連事項の殆どは、かなりの部分が即時公開された。

又、悪名高かった官房機密費には、全て領収書とその使用用途内容が記載れた記録を付ける事が義務付けられ、日米合同委員会議事録同様に、即時公開をするには“差し障り”がある、内容に関しては、最長で二〇年と五〇年の準備期間を定めたが、完全公開をする約束も国会で議決させた。(これは、反墨塗宣言と後日呼ばれるようになった)

結果、代々木だけでなく、永田町や霞が関で、かなりの人数が民主的な粛清により即時に、権威や権力を失って行き、後追いで、警察や検察、そして国税が、彼等の罪を追求し起訴・訴追され、その後追いで、マスコミやSNSが、それを大きく報じ、関連した人間の社会的生命を奪って行った。

従来は、この手の社会的問題(対外的問題解決や国政に直接影響のない)の個人情報のリークに勤しんでいた、国内調査部門(内調)は、存続こそ許されたが、石田の強い指導の下、従来の動きを完全に休止させられていて、寧ろその様な、市井の国民の目を逸らすには好都合な、芸能や諸々のスキャンダルや社会問題の芽を摘(基本、個人のプライバシー権の侵害として)む事に、彼等は、従事させられていった。勿論彼等の調査報告の方向性や決定事項も、『完全公開』原則の例外では無かった。

結果、それらの従来型権力保持者(国会や地方の議員や行政官僚)の既得権益は、何らかの形で奪われるか、完璧に蓄財して来た財産や、権益を吐露させられ破棄させられた。

結果、彼等は、再起する事は叶わなくなり、淘汰されて行った。

この頃から延命を図る行政官の、所謂『代々木詣』成る説明レクが始まり、この結果、国内外の諸状況を正確に、かつ客観的に把握し始め、元々高学歴者が少なくはなかった、代々木系の人間が、それ等の件に関し猛勉強をし始めた。

結果として、代々木系の議員は、益々オープン且つ柔軟に変貌していった。

今迄と決定的に異なるのが『駄目なものはダメ』と言う姿勢で『言ってる事が解らない』と言われた瞬間、複雑怪奇な霞が関語や専門用語を解り易く説明する事が何事にも求められ、そのレクの内容はSNSや◇旗、一般紙を通して即時完全公開された事で、旧時代のレクとは、全く異なり、説明担当以外の無関係な官僚にも、緊張感が有った。

又、代々木の党本部には、そもそも記者クラブ等と言う閉鎖的な『モノ』が無かった事で、レク内容そのものに関する世間の討議が、全て、瞬時完全オープンになって行った。

放送局も、総務省からの(悪名高き許認可と云う)縛りが無くなり、自由競争の元、旗幟を鮮明にし、小規模なWeb系の報道や海外通信社、新聞、国内通信社に対して、客観性と公正性と公平性の担保に、より腐心するようになり、与信性の有無が重要な課題となった。と同時に、体力のない『地方局』とか『ゴシップ専門』とレッテルを張られた“事業体”で、ニュース専業かコンテンツ制作専業に『特化』出来なかった場合、淘汰、乃至、中央の放送局や、財力の有るWeb系の媒体に吸収・合併、最悪は、誰からも支持を得ず消滅(その事業体は維持不可能になり)された。

(只、海外の報道機関は、此の吸収・合併には資本参加すら出来ず原則、参画出来なかった。但し、海外の報道機関も記者クラブ制度が崩壊した事により、自由に取材・配信する権利は得ていた)

結果、日本の開放度や報道の自由度は、自由主義社会で最下位に近い下位グループから、一気にトップに躍り出て、その信頼性は増して行った。

ただアメリカの、分断の原因となった、偏ったニュースの検証や、直ぐ情報を垂れ流す(フェイクニュースの)媒体とは、全く資本などの利害関係のない、政府からの独立を旨とした、透明で新設された第三者機関の、内政(国政)等の検証広報機関の現場職員として、余剰人員の中で、優秀な人材が、其処を受け皿として転職して行った。

こうして行政機関の規模と構造は大きく様変わりをして行った。

第三者機関(検証広報機関)による検証は、必須となり、広く国民から強く求められ、彼等をして、当に報道機関は第四権力と呼ばれるように、名実共になった。

此の検証は、出自が党機関紙でもあっても広く一般が購読できる◇旗の全記事にも例外無く実施された。

山田が、石田に懇願し、真っ先に強く推し進めた政策は、公正取引委員会の完全な政府(行政)からの独立と透明性が担保された(財源確保を伴う)自立であった。

此れは消費者(弱者)保護と言う側面が強かった。

これにより企業にも、強い緊張感が走った。

その様な社会環境下、最も、報道課各社から抵抗を受けたのが、掲載されている個人情報の保護(公益通報者の保護)とニュースソースの秘匿。これ等の権利擁護であったが、此処は、山田の所属する共◇党らしく、国家、国民の共通の利益の前に一個人の権利は原則『棄損される』と言う考えの下、慎重な扱いこそは求められたが、僅差で抵抗は、排除された。正確で客観性が担保された報道力の差が此処で拡大される事となった。

「山田君」

「はい総理」

山田は、石田の女房役の官房長官であり、泥除けも、自任していた。

「この、EUからの提案なのだが、私も欧州の『この方針』で行きたい。と考えているが、君の処(代々木)は、このベクトルで、纏められるかい?」

「だめならば、このベクトルに賛同する議員を一本釣りするしか無いと思うのだが?」

石田は、自身が、自党の旧来からの地元への利益(誘導)還元が国会議員の唯一の仕事、と認識している、又予算と同額以上の隠れ予算の分配を牛耳る、未だ党内に残る半数の守旧派と呼ばれる自党員からは、全く人気がない事を自覚していた。『下手を打てば、数ではまだ負けそうだ』と云う自覚があった。

又、山田の様な、突破力の欠如も自覚していたのだ。

「お任せください総理、ダメならば、今の世間を『ぶっ壊して』でも纏め上げます」

山田も自信は、無かったが、彼は、この自信の無さを奥備にも出さず、言いのけた。

「頼むよ!」

「かしこまりました、しかし総理、防衛大臣の説得はお願いしますよ」

そう、石田の数少ない保守系(小さな政府)の賛同者が、民〇党出身で、彼等と同じ趣味(機械(めか)好き)を持つロジカルで且つ、暗殺された国家予算の嘘を暴いた『爆弾男』と異名を取った議員の正統なる後継者を自認する防衛大臣であった。

彼女は、女性ながらの機械(めか)好きは、彼女の大学(留学)時代の恩師の影響が大きかった。

彼女は、アメリカのラストベルトと呼ばれる地域の数少ない民主党関係やNRAのロビーに、友人を日本の議員としては、最も多く持ってはいて、一見リアリストの様ではあったが、実態は性善説を信じる『ゴリゴリ』の一国平和主義者ロマンチストでもあった。

二人の見方は『彼女は、要は、未だお花畑に居る、世間知らずな利己主義者』の一翼には過ぎなかったが、世間からの一定の支持は得ていた。

「制服組と副大臣(自民党のミリオタ)が、彼女の理解を得る様、実態を正確・客観的に詳らかにし、説得できるかどうかだな?」

石田の腹は、決まっていた。


(韓国/半島情勢)

韓国は、相変わらずであった。六〇年代から続く、洗脳とも思える教育の結果、壮年世代以下は、基本、進歩(革新)という獣の皮をかぶったバリバリの反日と言っても良かった。只、現在の日本を知り、旅行やビジネスで日本の実態を知る人間はノンポリであり、彼等の考え方とは、一線を画していた。

しかし韓国社会全体の空気ムードは、その様な、現代日本を知る人間の心象を自由に発言する場を彼等には、未だ(いまだ)与えていなかった。

実際、反日を声高に叫ぶ、ポピュリスト政党の所属議員のみが、未だ未だ、国会や地方議会の過半数を占めていた。

この嫌いな国(日本)と、与党及び大統領は『話し合い』をしなければならなかった。

もう昔、自党の大統領達が採った北を抱きかかえる太陽(抱擁)政策が『徒労』に終わる事は、流石に、彼等を支持する全国の洗脳世代の有権者にも理解されていた。

あの地域の面倒を親族の様に看る事は、自国の、今迄苦労して蓄えてきた『国富』を無駄に『吐き捨てるだけ』に過ぎない事は、声なき大衆、特に中流以上の階層には、実感は無くとも理屈で十二分に解っていた。

同じ言葉を話す、同じ民族と言う感覚が、反日を声高に叫ぶ『ポピュリスト的投票行動をとる人種(有権者)』にも『意味が無い』と、理解は深まっていた。

彼等は、我々とは異なる種族。と言う概念は国内でコンセンサスを得てきていた。

只、アメリカは、別であった。女真族(満州族)の清に代わる、新たなる異民族・異人種の支配者。

独裁化された今のアメリカ。即ち、漢民族に代わる『冊封国』然とした、彼等の変節は、自由と民主主義を勝ち取った韓国の民族意識(自尊心)を強く刺激し続けていた。

現『内戦』真っただ中の合衆国は、自国第一主義者によって唯一韓国の良識派を繋ぎ止めていた『フェアネス』に基づいた『フリー』と『デモクラシー』と言う姿勢を忘れたのか?の様な態度を執り始め、韓国民全般をして米国からの乖離を真剣に考慮させていた。

しかし一方で、彼等の担っていた、対外的威嚇力を自国軍、単独で肩代わりする事も経済的にも物理的に無理(無駄)な事も、解っていた。

唯、其の威嚇が無ければ、北隣の『跳ねっ返り』が、勘違いをして間違いを犯し易くなる事も理解していた。

『その様な惧れは無い』と、信じていた現政権と同じ系統のポピュリスト系政党が、リーダー職から離任し、世間知らずのリアリストが政権に就いた途端、この跳ねっ返りは、手の掌を返したかの様に、ミサイルや核弾頭の試験をし続け、接続していた道路や鉄道路線を自ら破壊した上で、ポピュリスト政権が代わって復活した今も、我々を脅し続けている。

それが事実、現実であった。

そして、前政権が日本との同盟関係を再構築した結果、この韓米日のトライアングルが、世界で見えている間、隣の『跳ねっ返り』は、『大人しく』せざるを得なくなっている現状で、在韓米軍の存在は無視できない威力でもあった。

今ここに駐留している、米国の軍隊は、何れに(くみ)するのか。それは、国民の大多数が大嫌いな、日本と協調して話し合い、できれば、これを機に速やかに米国の軍隊は、自国から退場願うか、でなければ、指揮権を自国に取り戻し、駐留米軍を自国の完全なコントロール下に置いて措く以外の『選択肢』しか、なかった。

が、後者の選択は、物理的に無理だとも、現与党の大統領は、分かっていた。

「日本は、どうするのだろう?」

故に、日本と話し合い、日本政権と協調するしか、手はなかった。

日本政府は、米国の分断事件から間髪を置かず、日米合同委員会との話し合いに、日米関係の実態を熟知している代々木系の人間も加わり、彼の指導の下、在日米軍の今後の立場スタンスに関し話し合い(半分恫喝)によって完全に管理下に置き掌握出来ていた。と現政権は見ていた。

しかも、この様な時間に、平和裏且つ短期間で、ドラスティックな政権交代迄、平和的に済ませていた事実は、彼等に執っては衝撃的であった。

しかし韓国の場合、在韓米軍の主体は、陸軍の実働部隊のみであり軍の統合指揮系統が存在(駐留)する日本の場合とは、事情が異なっていた。腕力は有っても、頭の無い彼等の機嫌を損なえば、同族。しかし、異種と認識している地続きの隣国が、これ幸いと、攻め込んでくる事態も想定の範囲内であった。

其の上、彼等の機嫌を損ね、其の上、隣国日本の機嫌も損なえば、その様なエイリアンな彼等とサシで、実力だけで対峙しなければ、ならない。

彼等を単に排除する事は、簡単。しかし、自国内が戦場と化し、ウクライナの事例ではっきりした事だが、その場合、米国や自身が属してると信じている民主国家からの援助は、全く期待出来ず、今迄積み上げて来た『貯え』の浪費に繫がり、形だけの同盟国(日本)からの援助も、まず期待できない。その様な事態は、避けたい。のが本音であった。

故に、張子の虎の様な『在韓米軍』の存在。そして気にそぐわない日本との関係の維持・強化は、確かに抑止力でもあった。

しかも、現政権には、民主・共和両党に対し、日本の様に、太い、話し合いで、物事を解決できる複数の『パイプ』の様な存在がいなかった。

現状迄の駐韓米国大使は、韓国政府に対するアドバイザー(相談相手)ではなく、合衆国政府の対韓お目付け役でもあった。


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