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魔法庁の現対たち  作者: ロータリィ少尉
Route 海野

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0.0820

 「んなっ!?」


 「ガキとは失礼しちゃうわね〜?この娘は貴方のパートナーよ、海野君」


 酷いわね〜と、一緒に入ってきた竹田さんが言っている。いや、だって――


 「こんなちんちくりんが、現対(ここ)の魔法使い……?」


 暗めの茶髪が腰のあたりまで伸びている、どう見ても、どう見積もっても小学生のチビだ。そこらの小学生と違うのは、嫌な予感がする、濃い赤色の首輪を嵌めているくらいか。能力が発現するのは基本的に成人までだから、こいつが魔法使いなのは理解できる。()()()()


 「なぁ副長。ここは一応、()と付くからには行政機関なんだよな?」


 「えぇ、そうね」


 「このガキがなんだって?」


 「だから、現対(ここ)の魔法使いで、貴方のパートナーになる娘ね」


 「いや……えぇ……?」


 嘘だと言ってくれ。理解したくない。


 「どう考えても――いや、考えなくても犯罪だろこれ。普通小学生を働かすか?それともアレか?この見た目で『実は合法です』ってワケか?」

 

 「そう思うけど、お上が認めている以上犯罪じゃないのよ」

 「この娘は見た目通りの子どもよ。ほら、失礼な金髪に自己紹介して」


 「は、初めまして、セピアです!10歳です!働いているので、ガキでもちんちくりんでもないですが!よろしくお願いします!」


 よくできました~とセピアと名乗った子どもの頭を撫でている。ガキでもちんちくりんでもないらしい目の前の子どもは、照れくさそうにしながらも、どこか嬉しそうな顔をしている。……いやいや。


 「とりあえず、色々と説明してくださいませんか。副長サン」


 「そうね。まず、セピアちゃんを含めたウチの魔法使いは、全員が孤児なの。で、引き取られた彼女たちは、9歳までは魔法庁が運営している施設で暮らしながら教育を受けて、10歳に配属先が決まるわ。セピアちゃんは現対(ここ)ね。配属先ではこの娘を含めた魔法使いが4人一部屋の寮生活って感じ。普段はそれまで同様勉強しながら、現場対応時には貴方とともに行動するわ。以上。あとは貴方の知るところではないわね」

 

 「……その首輪は」


 俺がガキの首輪を指差すと、ガキはきょとんとしている。


 「私たちの社員証と似たようなものね。対応時に位置情報がわかるようになっているわ」

 「あとは貴方がお察しの通り、()()()()ことになるわね。この場では言わないけど」


 ――最悪だ。つまり、俺が押したあのスイッチがトリガーとなって首輪が作動し、爆発でもすんのかは知らんが、死ぬんだろう。

 違う。俺はこんな、こんな何も知らなそうなガキを殺したかったわけじゃない。魔法使い(奴ら)はヒトの言葉が通じないが、少なくともこんなガキを殺すほど落ちぶれちゃいない。


 「ごめんな、チビ」


 「……?謝られる理由が分からないのです。あとチビって呼ばないでください!まだ成長するのです!」


 俺は魔法使いを許せない。それでも、()()はなんか違うと思った。


 「とりあえず今日は簡単な顔合わせだけだから、後々の話はまたにしましょうか。親睦を深めるって意味も込めて、はじめのうちは週一で会うことになるから、ふたりとも頼んだわよ?」


 「了解です!」


 「それはいいんすけど、――いや、嫌なんすけど、親睦を深めるってのに週一すか?」


 「そりゃ貴方と違って勉強を疎かにできないじゃないの。あなたと違って」


 「……うっす」


 なんで2回言ったし。

 しっかし、親睦ねぇ……厳密には小学生じゃないんだが、俺の半分も歳を取ってないチビッ子との親睦を深めるって、話が通じるのか?大丈夫か俺。


 「じゃあこれにて解散!私はセピアちゃんを送ってくから、貴方は帰りなさい」


 「なんでだよ!?」


 「病院に行けって言ってんの!そんな湿布だけで済まして、後に響いたらどうすんの!」


 「……うっす」


 世話焼き副長様に命じられ、早退することになってしまった。

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