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「嘲笑うなッ!」
「あ――っぶない!」
歪みがまた――っ!せっかく落ち着いたと思ったのに!もう何回も防げないのです!
「セピアちゃん!」
「――山浦さん!アッシュちゃんも!」
「セピア、お待たせ」
やっと来てくれた……っ!
「フー……フー……来るんじゃねぇッ!」
かなり苦しそうです、また暴れる前になんとかしないと!
「とりあえず報告だけ!能力は火と爆発、海野さんは爆発で気絶、爆発はそこら辺の火でもできる、です!」
「うーん。山浦、あれどうするの?」
「アッシュ、僕にだけタメ口なのはもういいんだけど、せめて呼び捨てはやめない?」
「典型的な火炎系能力だね。……だけど、爆破系統は別だからこっちは後天的。歪みから見てもだいぶ精神汚染が進んでる。被害を考えると消防と救急は一度待機させて正解だったかな」
「――っ!ダメです!あの家に子供が取り残されています!」
「いつから?」
「……少なくともわたしたちがあの人に会った時からです」
「…………わかった、僕が行く。アッシュ、能力を使うよ」
「うん」
僕が行くって言ったって、あの燃えてる家の中に!?
「無茶ですよ!能力もないのに――あ」
「ち、違うのです!そんなつもりじゃ!」
こんな風に差別しちゃいけないのです。
「大丈夫、分かってるよ」
「それに、アッシュが僕の能力の代わりみたいなものだからね」
「それは照れますな」
「はいはい」
「――こちら山浦、消防隊に通達。消火1班は対象上空への放水、2班3班は消火活動、4班5班は水源の確保。救急1班は消火1班とともに現場看護に来てください。少なくとも2名は搬送が必要です。それ以外は各自上長および桐生の指示に従って行動開始。以上」
「よし。じゃあすぐ消防の人たちが来るから、ささっと行ってくるよ。戻ってくるまでは申し訳ないけど、海野をたたき起こして頑張ってもらおうかな」
そう言う山浦さんは海野さんに近づいて、自分のカバンに手を入れて、手にした水を――海野さんにかけた!?
「おい起きろアホ」
「――――あ……こ、ここは……?」
「しっかりしろ間抜け。小さい子をひとり置いてくな。今は現場対応中だ」
「――そうだ、チビと対応すんのに現場で女の人に声をかけて、それで……ッ!そうだあの女!あの女が僕たちを!みんなを!」
「戻ってこい!何を見たのかは知らないが、少なくともお前の探してる奴じゃないだろ!」
「……冷静に考えろ、目の前の対象が推定いくつで、お前が探している人間は何年前の出来事だ」
「…………あぁ、いや、そうだな。それっぽいだけで能力の系統も違うし、何より若すぎる」
「時間が無い、やるべきことを思い出せ。傾向からしてもうセピアちゃんは何回ももたないぞ。義足はまだ動くな?俺はもう行くぞ」
「――お待たせ。僕は行くから、セピアちゃんは海野と一緒に頑張って。できれば、アッシュのことも守ってくれると助かるよ」
「了解です!」
でも、どうやって?
「そういえばセピアちゃんはアッシュの能力を見たことないんだっけ?終わったら教えてあげなよ」
「うん、いいよ」
「じゃあ頼む。今回はこの家とこれの2つだから負担かかると思うけど、緩めたら僕死んじゃうから頑張って維持してね」
「これはご褒美もんですな」
「はいはい」
山浦さんが、海野さんにしたみたいに持っている水を頭から浴びて、アッシュちゃんが山浦さんとこれから入る家に触れました。そのカバンにどれだけ水を入れてるんですか。
――火が、止まった……?いや、止ま……ってはないようです。よく見ると動いてるような……
「……早く戻ってきてね。思ったよりキツい」
「じゃあ行ってくる。よろしく!」
「――ッ!わたしの家に勝手に入るなッ!」
「させません!」
ぐ……ッ!なんかさっきより強くなってませんか!?
「がァ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
「セピア!」
「海野さん!動いて平気なのですか!?」
「あぁ、大丈夫だ。それよりお前、能力の使い方何とかしろ!」
はぁ!?
「今のところ寝てただけの役に立ってない人に能力について何か言われたくないのですけど!」
「今見てただけでも、お前が何も考えずに使ってることくらい分かるわ!」
「いいか、その能力の発動起点は手のひらなのか?」
「そうです!」
「範囲は固定なのか?」
「そうです!」
「両手を前に出すのか?」
「そうですってば!」
「前に出さないと防げないのか?」
「だ!か!ら!そうですって!」
なんですか人が心配してたのにうるさいことばかり!




