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魔法庁の現対たち  作者: ロータリィ少尉
Route 海野

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13/17

0.2561

 101(小規模災害)じゃなくていきなり102(中規模災害)の発令か。災害係数の高さからも納得だが、となるとやる事があるな。


 「チビ、測定するから一旦止まるぞ」


 まさかカバンで眠ってた謎の機械をつかうことになるとは。

 このアンテナみてぇな機械のコードをタブレットに挿して……これで掲げればいいのか?で、災害係数は……んだこりゃ?


 「どうしたのですか?」


 「っかしーな、これ見てみろ。測定が終わらん」


 「うーん、よくわかんないですけど、どうするんですか?」


 「……とりあえず聞いてみるからしまっといてくれ。これはチャットじゃなくていいだろ」

 「――こちら海野。対応時特別規定(特規)102(イチゼロニ)に従い局地的災害係数の測定を開始したところ、数値の変動が酷く測定が終わりません。確認できる範囲で最小値0.15、最大値0.38です。ちなみに、確認できる範囲で歪みはありません。どうぞ」


 『こちらコントロールセンター(CC)桐生。こちらでは現在0.2561を示している。ちょうど海野が爆発の報告をした時に大きく下がった。そちらの原因はわからんが、もし()()が事実を映しているとするなら、その場所のいわゆる"魔力"がかなり乱れていることになる。当てにはならないが、ひとまず災害係数は0.38あるという認識で動き、周囲の状況を注視しろ。それと、現着前に必ず連絡を寄越せ。いいな?以上』


 言いっ放しで終わりやがった。


 「どうでしたか?」


 「とりあえずヤバそうって感じだな。部長も何でなのかはわからなさそうだ」

 「だが、あれ以来爆発音は聞こえてこないから、能力のせいで変動してるってわけではなさそうだ。となると…… なぁチビ、何だと思う?」


 「わかるわけないのです」


 「仮にも魔法使いだろ?何かないんかよ」


 「あなたはいつも大雑把なのです!『なんかないのか』って言われて、あなたの言う『なんか』をわかる人なんかいないのです!」


 「いや、そう怒んなよ。同じ魔法使いとしておかしいとこがないか聞いてるだけだろ」


 「じゃあそう言えばいいのです!」


 「ったく、なんなんだよ」


 「こっちのセリフです!」


 ガキの沸点がわからん。こいつはなんでこんな怒ってんだよ。


 「で?なんかあんのか?あといつまでも止まってるな」


 「………………違和感とかはわかりませんが、使いやすそうな気はします。相手の能力は攻撃系でしょうから、系統の違う私じゃよくわからないだけかもしれませんが。そもそも能力自体が歩いたり息を吸ったりするのと同じで、気付いたら使えてるものなんです」


 「へぇ、そうなんか」


 「ですから、走っても息が上がらなそうな感覚です。やろうとは思いませんけど」


 「ふーん。よくわからんな」


 「ふーんってあなた、ほんっとに……」


 ほんとのこと言ってるだけじゃんか。


 「要は『言われてみたら体の調子が良いかも?』みたいなことだろ?そんなん体調にもよるし、言われてみたら(その)程度で変わる感覚なんか、当事者の心持ちでしかねぇじゃねぇか。自分でもはっきりとわかるならともかく、その程度で言われても何なのかわらんだろ。平時ならいいかもしれんが、今は緊急なんだからそんなもの違和感と――っておい、泣くなよ」


 「な、泣いてなんかいません」

 「………………」

 

 あー、やっちまった。ガキ相手に何ムキになってんだ。


 「涙パンパンに溜めて何言ってんだ。あーほら、タオルあるだろ?目擦るなほら」


 「泣いてなんかいません」

 

 「わかったわかった。俺が悪かったって。いよいよだって思って気が張ってたんだ、ごめんって。」


 「別に、いいのです。泣いてませんから」


 「そうだな、泣いてないな?いい子だ」

 「ほら、これが終わったら飯でもいこうぜ、な?」


 「……もういいのです。初めての対応だからよくわかってなかったのです」


 「いや、俺も初めてだから……」

 「よし、現場はすぐそこだ。気を取り直して行こうか」


 「はい」


 くそ、何やってんだ俺は。自分が情けない。だが失敗するわけにもいかない。切り替えていかねば。

 …………くそ。

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