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第11話 幽霊の渦
闇の回廊を進んだ一行の前に、異様な光景が広がっていた。
狭い空間の中央で、無数の幽霊が吸い寄せられるように集まり、渦を巻いている。呻き声と冷気が混じり合い、空気が振動していた。
「……何だ、ありゃ」
魔理沙が帽子を押さえる。渦はただの集合体ではなく、意思を持っているかのように蠢いていた。次の瞬間、渦の中から幾つもの霊火が射出され、弾幕となって襲いかかってきた。
「来るわよ!」
霊夢が札を投げ放ち、妖夢が楼観剣を抜き払う。
魔理沙は八卦炉を構え、光弾を撃ち込む。
チルノは渦の周囲を飛び回り、氷結の矢を散らす。
幽霊の渦は弾幕を絶え間なく生み出し、さらに周囲の壁から新たな霊を引き込み、規模を膨張させていく。
「これ、倒せるのか……!?」
魔理沙が舌打ちした。
しかし霊夢は微動だにせず、渦の中心を睨みつける。
「必ず核があるはず。そこを狙うのよ!」
一行は激しい弾幕をかいくぐり、連携しながら渦を削り取っていく。冷気と怨嗟が吹き荒れる中、札の閃光と剣閃が中心を穿ち、ついに渦は崩れ散った。
だが、その静寂は長く続かなかった。