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良くないモノを見つけた俺

 前に食事の事で、リ・スィやホロンと揉めた事があったんだが。

 そいつを思い出させるような事件が起きたんだよね。

 それは、植林作業が一段落したある日の事だ。育ち始めた森の散策をしていたインゼクトから、こんな連絡があったからなんだよ。


 というか、散策ついでに遺伝子をいじってない方の種蒔きも頼んでたんだよね。

 それと同時にに侵入者に対する備え… ってな一面もあるんだけどね。


<異人の姿を確認したが、殲滅してもよいか?>


 そいつカカラーカって言ってさ、動きが素早いから広い範囲に種をばら撒かせるのには丁度良いんだよね。見慣れちまえば、こいつらも可愛い… くはない。

 可愛いなんて、口が裂けても言えないが、有能なのは確かだよ。

 それに丈夫ってか… ここ数日の暑さも気にしてないみたいだからなぁ。


 で、そのグループのひとつから連絡があったんだ。


『宿主さんがGと戯れる事の是非について』


 言うなホロン! ここは我慢だ。いいか、何があっても我慢するんだぞ?

 俺は言ってる事が建前だってことは重々承知で… その上で言うからな。


 種類差別はいかん! ダメ、絶対!


『……宿主さん?』


 ……とっ、とにかく、現場に行くぞ。

 異人てのを実際にこの目で見ておきたい… っと、ケイファル(かぶとむし)のテレパシーか。


<わざわざ汝が出る事もあるまい。家来(われわれ)に任せておくがよい>


 まあ、そうだよね。普通ならそうするさ。ケイファルの言ってる事は決して間違いじゃない。これが戦争なら、おれだって間違いなくそうする。

 でも今の俺なら… あいつらに後れはとらんよ。

 つかさ、普通のゼムル兵なら瞬殺できない理由はないね。


 という訳で…… いたいた。

 旗印はウロボロス… って事はあいつらゼムル帝国だな。鎧とかはこの前の正規部隊のものよりも飾りとかが多いな。

 って事は、あいつら兵士というより騎士か何かかな?

 人数もそこそこいそうだが… 大体30… いや、40人ってとこか。


 そして荷車が3台もあるじゃないか。何を運んでるんだろ。

 もしかして森に放火するつもりじゃないだろうな。


『どう対処しますか、サクマユウマ』


 最初に知っておきたいのは後続部隊がいるかどうか… だな。

 あいつらだけで動いてるりゃ何とかなりそうだけど、後続部隊がいたら厄介なんだよね。人工衛星でその辺の確認は出来るか?


『はいはーい、森に来てるのはあの部隊だけみたいだねぇ♪』


 じゃあ、あいつらだけで来たって事か。独立部隊として動いている訳で、後方との連絡とかは無いんだな? ふっふ、それなら、いくらでも手はあるぜぇ。

 今はまだ着いたばかりだから、放っておいても問題はないだろ。

 じゃあ。さ。リ・スィに頼みたい事があるんだけどさ……


<異人を殲滅しては拙いのか?>


 分かるよ? ケイファルの気持ちは分かるけどさ、それは後でな。

 いや、森に手を付けるようなら話は別だよ。その時は反撃あるのみだ。

 それよりも、こんな危険地帯に何しに来たってんだろうね?

 まさか、訓練って事もないだろ。


<たしかに汝の言う事にも一理あるな>


 だからさ、あいつら何でここに来たのかを知る方が先だと思わないか?

 なら、分からない事はさ、知ってる奴から聞けばいいんじゃないか?

 でも聞いたところで素直に教えてくれるとは思えないんだよね。

 だからさ、あいつらを捕虜にしたいんだ。


 とにかく今は、下手に動いて姿を見られるとかは無しだかんな?

 ここにあるのは、誰もいない森だけだって思わせたいんだよ。

 あいつらが油断してバラバラに行動を始めたらしめたもんだ。

 そうすりゃ個別撃破じゃないけど、捕まえるのも簡単だと思う。


 そういう訳だから、お前らが監視してる事はバレないようにしてくれよ。

 できれば… じゃなくて、確実にあいつら全員を捕虜にしたいんだよね。

 残しておいた連中に逃げられたら、そっちの方が面倒な事になるもん。

 俺には帝国相手に戦争するほどの度胸は無いからな。


 あとは… あいつら俺の家来に出来そうにないから、尋問が終わったら全員引き渡すけどね。それでどうよ?


<そういう事であれば承知した。汝の命に従おう>


 こうしてみると人手があるってのは良い事だ。

 ぬふふふふ…… インゼクトがいれば作戦の幅も広がるってもんだ。あいつらが手伝ってくれなかったら、少しづつ人数を削っていくしかなかったんだよね。

 そのための準備というか、道具の準備は進めているんだけどね。


 じゃあ、俺も着替えに帰るとするか。

 このお出かけ着も悪くないけど、この場合はちょっと都合が悪いんだよね。

 状況に合わせて装備品をチョイスするのは基本だろ。

 というわけで、ど・れ・に、にしようかな……


『ねえねえ宿主さん、ようやくその気になってくれた?』


 うっせぇ。これも作戦なんだ。

 何も好き好んで、こんな事したくは無いんだよ!

 もう一度言うけど、これは作戦の一部なんだからな!

 だから必要に迫られてだな、やむを得ずにする事なんだぞ。


『うーそーはー、よくな~い。バレバレじゃーん?』


 なっ、何の事だホロン… 何が言いたい?

 俺は何もやましい事なんか考えてもいないから。

 いいか? そういうのは……


『最近の宿主さんが着ている、ぱ・ん・つ、なんだけどねぇ……』


 ……ヲイ?

 それは仕方がないだろ、俺はちゃんと作ってくれって頼んでるんだぜ?

 でもお前それしか作ってくれないじゃないかよぉ……


『宿主さんに言ったもん。トランクスも作ったよって、ちゃんと言ったもん。

 先月からクローゼットに入ってるのに、一度も穿いた事ないよねぇ?

 データーを見ると、宿主さんのお気に入りはレースの…』


 うわあぁああああ!

昭和レトロとか平成レトロいう言葉が出てきたせいか、あの時代の服を着ても違和感が無いような気がするのです……

それって、私の感覚がおかしいのかなぁ。

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