いろいろと分かってきた俺
あれから色々あったんだが、ホロンのお陰で色んなことが分かってきた。
古城のおっさんが俺の身体に何をしたのかって事とか、鎖で縛り付けられてたアレの正体とかだな。
とにかく肉体的な強化おかってのが大きいよな。
筋力が強化されてるのが大きいか。筋力と同時に骨格とか内蔵、皮膚なんかも強化してくれたそうだ。筋肉だけ強化しても、それを支える骨格とかが元のままだったら……
『歩き出した途端に、全身の骨がコナゴナ。よかったねぇ、宿主さん』
そうなんだよな。これと似たような事が皮膚や内臓にも言えるんだ。
心肺機能とかも大事だよ? こういうのはバランス重視。どれかひとつの数字が突出していても、身体が自壊しかねないもん。
というわけで元の身体をベースに、バランスよく… ってね。
でもさ、それなら身長も伸ばしてくれても良かったんじゃない?
たった20センチじゃん。出来ないこともないと思ったんだけどねぇ……
てなわけで、俺の身長は155センチのままだそうだ。
……ちくせう。
超次元通路を漂流しながら、色々と強化した内容をチェック。
これしかする事が無いからな。魔法が使えるって聞いた時は、とにかく舞い上がってまった。魔力を使い切った俺は、白目をむいて気絶していた… らしい。
ホロンが言ってるだけだから、話半分に聞いておけば…
『ウソは言わないよ? だって、私には宿主さんの全てのデータが集まって来るんだよ? 身体の状態とか精神状態、感覚とかも… ね。だからね、表情筋がどんなことになってたか… なんてのもは基本中の基本だよ?
あとはシミュレートすれば、ほら、こんな事だって…』
のおぉぉう!
いきなりウインドウ開いて俺の顔を映すのヤメレ!
だーかーらー メイクとかしなくても…… うっ……
『どしたん?』
……可愛いじゃないか。
『宿主さんって、すごぉい! どんなオトコだってイチコロよっ』
「わーい ……なんて言うと思ってんのかあぁあ! 俺はノーマルだ」
『こんなに可愛いのに?』
やかましい。それで? データーの表示は? 元の身体のデーターしか無いから表示しなかったとか言ってたけど、それって修正するように頼んだよね?
そろそろ見せてくんない?
『おっけー。じゃあ、表示するよん』
よしよし、ホロンはやれば出来る子じゃん。
今回の仕事は大成功じゃないか? うむうむ、褒めてつかわす。
とりあえず見せてもら・・・ お ……おぉおおおお?
って、わからん。これって普通なん?
名前: 佐久間 結馬
年齢: 15
性別: ♂(?)
種族: TERRANER
【STR】 500/500
【INT】 324/1500
【DEF】 256/500
【KRM】 現在値:中立
【SKL】 スキル:宝玉の瞳
【DEG】 ------
【AUX】 サポートナビゲーターを呼び出す
(ホロンちゃん可愛くてデキる子だよね? そうだと言って?)
他にも細々としたデーターを表示する事も出来るけど、表示しないようにした。
最終的には、このあたりのどれかに集約する事になるし、何よりも面倒くさい。
だから途中経過みたいなものと考えて良いよね。
『えへへー、頑張っちゃったんですよ? 宿主さんのパワーアップ』
それで魔力が1500って… すごいな。これだけ突出してないか?
『宿主さんはアホ毛の先っぽまで、しっかりずっぽしバケモノの領域に漬かってますよぉ。地球の基準でも規格外間違いなし! いやいや、褒めてるんですよ?
だって普通の人の数字って平均25ってところだもん?』
どうやら、そのようだなぁ。
で、シラフェイア宇宙だと達人クラスでも50だって?
超人を通り越した何か… わけの分からないモノになっちまったなぁ……
でも、これはカタログデーターに過ぎんのだ。
古城のおっさんが言うとおり、こういうのは実戦経験が必要だな。
力があっても使いこなせなきゃ意味がない。要はコントロール出来るかどうかというのが重要だ。うっかり掴んだ何かを握りつぶすとか御免だからな。
それが握手した相手とかだったら最悪じゃないか……
『伸びしろは、まだたっぷり残ってますよぉ。ふふ、やりがいがあるねぇ』
やらんでもいい。
もうチートが欲しいなんて言わないよ。生命があれば、それで良いからさ。
それより俺は、背丈が欲しかった……
『やっぱり基本は牛乳と煮干し?』
うっせ。
それなら、ずっとやってたよ。
それでも妹に追いつかれたけどな。
……泣いてなんか無いぞ。
やめい。シミュレートしなくても良いって。
やめろおぉおおお!
うんうん。ホロンは、やれば出来る子なのです。