迷宮生活 五十四日目 レベリング
後書き設定集のネタがなくなってきたので、活動報告で募集しています。作中で分かりにくい設定などがありましたら、是非ご質問ください。
迷宮生活 五十四日目 レベリング
今日もまた兵士達が第二区画にやって来た。しかし昨日までとは異なり、第二区画まで降りてきたのは“貴族”を含めた十一人のみで、残りの兵士は第二区画への下り坂のある部屋で待機していた。
何のつもりかと様子を覗っていたところ、どうやら第二区画へ降りてきた者達もレベリングをしているらしいということが分かった。“貴族”達レベリング組は第二区画の浅層を彷徨き魔物との戦闘を行い、待機組はレベリング組の退路を確保しているようだ。
とうとうベテラン兵士達もレベリングを始めてしまい、かなり苦しい状況になってきた。兵士達の主力の戦闘力が上がれば、下級魔物だけでは対応できなくなるかも知れない。
第一区画の魔素濃度を下げる事さえ出来ていない現状では、第二区画の魔素濃度を下げて対応する、というのは現実的ではない。可能ならば、兵士達が強くなる前に魔物の大群をけしかけて、レベリング中の主力を討ち取ってしまいたい所だが、流石に浅層付近では逃げ切られる可能性が高いため迂闊に手を出す訳にもいかない。
その上、待機組は見張りの兵士以外はそこまで気を張っていないため、FP収入も昨日より少なくギリギリ【中級魔物召喚Ⅰ】の解放に届かなかった。
唯一の救いは、兵士達が第一区画の魔物の殲滅を止めてくれたことか。
レベリングに時間を割くために省いたのか、毎日補充される魔物を掃討する事に不毛だと感じたのか――あるいは、マスタールームから遠隔で指示を出す方法が無く、通り道の魔物以外は撤退の障害にならないという事に気付いてしまったのか……。
そのどれが理由かは不明だが、水汲みと第二区画への経路の魔物以外は倒されなかった為、DPに関しては大幅な増収となった。
取り敢えず、明日には【中級魔物召喚Ⅰ】が解放できるので、具体的な対策はその後にするしか無いだろう。もし【中級魔物召喚Ⅰ】でも現状を打開できない場合は……生活環境の向上を後回しにするしかないか?
いやしかし、いくら周囲に魔物しかいないとはいえ、裸族になるのは流石にちょっと……。
百歩譲って普段は裸でもいいとして、ダンジョンが攻め落とされそうになったとき、最終決戦(あるいは命乞い土下座)時にフルチンというのは、恥を通り越して無様と言うものではなかろうか?
【海の幸】も捨て難いし、本当に悩ましいものだ。
「収入」
DP…3390P
FP…469P
「出費」
DP…2213P
(食費18、第一区画1010、第二区画1185)
FP…0P
「合計」
DP…+1177P
FP…+469P
「所持ポイント」
DP…6131P
FP…1941P
「スケルトン・メイジ」…スケルトンが【メイジ】の特性付与により進化した魔物。死霊種は火に弱いが、火属性の適性がないわけではなく、火属性のスキルや魔術も問題なく使用することができる。習得スキルは【刺突耐性】【生命感知】【暗雲】【火矢】。
「【暗雲】」…煙幕の様な闇を展開し広範囲の視界を奪う闇属性の魔法。視覚以外の感知手段を持っている魔物はそこそこ多いので、かなり使えるスキルなのだが、怪魚種の魔物は陸地では視覚以外の感覚が弱まる為、【深海への入り口】とは相性が悪い。
「【火矢】」…【魔力矢】に火属性を乗せた魔法スキル。発射前に魔力を矢状に成形する為、「魔弾系」や「魔球系」よりも僅かにタメが長いが、その分弾速と貫通力に優れる。




