迷宮生活 八日目
迷宮生活 八日目
今日は『魔物強化ツリー』の【基本戦闘職】による「特性付与」を試してみた。
【迷宮知識】で得られた情報によると、魔物と特性付与には相性があり、組み合わせによっては魔物がより上位の種へと「進化」するらしい。
【迷宮知識】の情報はわりと使えないというか、広く浅くでそこまで重要な情報は載っていないので、進化によってどれだけ強くなるかや、進化する組み合わせは自分で試して見るしかない。
そういう意味では、この日誌機能は研究記録としても使えそうだ。
【基本戦闘職】での特性付与は名前からして人型モンスターと相性が良さそうだったので、最初はサハギンとゴブリンで試してみることにした。
まず、ゴブリンの中でもボス的な存在の一体と、適当なサハギン(サハギン達は未だに群れの序列が定まっていない)に【ファイター】の特性を付与した。
付与した直後、二匹は突然蹲り、メキメキと音を立てて体格が大きくなった。ダンジョンコアで調べてみたところ、二匹はそれぞれ、【サハギン・ウォーリア】と【ゴブリン・ファイター】に進化していた。
進化によって変わったのは体格だけではなく、「スキル」も新たに習得しており、元から持っていたスキルに加え、サハギン・ウォーリアは【ストレートランス】を、ゴブリン・ファイターは【身体強化】のスキルを得ていた。
最初から二体とも進化するとは幸先が良い、と思っていたのだが、次に【シーフ】の特性付与を行ってみたところ、サハギンとゴブリンの両方とも進化せず、若干「ステータス」の「能力値」が増減しただけだった。
気を取り直して、次は【メイジ】を特性付与した。結果はゴブリンは【ゴブリン・メイジ】に進化し、サハギンは進化しなかった。
最後に、【プリースト】を試してみたところ、サハギンは【サハギン・シャーマン】に進化し、ゴブリンは進化しなかった。
知能の低いサハギンは魔法職には進化しないだろうと予想していたのだが、結果としてはそれぞれ一種類ずつ魔法系の種族に進化した。
サハギンでも魔法系種族に進化できるのは朗報だが、予想が付きにくいということは、特性付与の組み合わせを模索するのも難しいと言うことだ。
僅か八体の特性付与でもかなりの魔素を消費したので、進化しないのであれば、特性付与はしたくないのだが、少しずつ総当りで試していくしかないだろう。
「収入」
魔素…523P
信仰値…40P
「出費」
魔素…226P
(食費31、通路整備35、特性付与160)
信仰値…消費なし
「合計」
魔素…+297P
信仰値…+40P
「所持ポイント」
魔素…675P
信仰値…141P
「【基本戦闘職】」…『魔物強化ツリー』の初期権能の一つ。【ファイター】【シーフ】【メイジ】【プリースト】の四種類の付与が行える。付与には、付与する魔物の召喚にかかる魔素量と同じだけの魔素が必要。
「特性付与」…ダンジョンの魔物には特性を付与することができる。魔物と特性の相性が良ければ「進化」し、そうでないなら「能力値」が変動する。特性付与は基本的に一体につき一度しか行えず、特性の付替えもできない。
「進化」…ダンジョンの魔物が特性付与により別の種族に変わること。新しい「スキル」の習得や能力値が変動する他、行動パターンが変わることもある。




