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迷宮運営日誌  作者: 飛翔
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迷宮生活 五十三日目 第二区画防衛戦

迷宮生活 五十三日目 第二区画防衛戦


 今日は兵士達が第二区画に攻め入って来た。人数は“貴族”を合わせ二十六人。兵士のみの構成だった。予想とは裏腹に“聖職者”は参加せず、漁師達も動員されなかった。


 敵の人数が少なかったこともあり、第二区画の二割程度で兵士達を撤退させることができた。用意していた防衛戦略も上手く機能しており、上々の結果だったと言えるだろう。


 特に効果が高かったのは、ゴブリン達の()衾だろうか。第二区画では、ゴブリン達にあえて【逆棘の投銛(短槍)】ではなく【三叉の長銛(長槍)】を装備させ続けていた。第一区画ではゴブリン三体では数が足りず、部屋もあるため殆ど機能しなかった槍衾だが、第二区画では五体一組編成にし、通路の幅を少し狭くしたことで、防御陣形として十分に機能していた。


 ゴブリン達に手間取っている間に他の魔物の増援が間に合い、連戦・挟撃が発生する場面が多かった。戦果としては一人の負傷者を出しただけだったが、殆どの隊はゴブリン達との戦闘後に撤退しており、十分に脅威となっていた事が分かる。


 唯一、“貴族”が率いる部隊は、“貴族”が【魔力矢】を連射することで素早くゴブリンを蹴散らしていたが、他の部隊が撤退したことで後方から魔物が現れる頻度が上がり、「他の部隊が撤退または全滅している」可能性に気付いて帰還していった。


 やはり魔法を使う“貴族”は最大の脅威だが、数で攻めれば撤退に追い込めるという事もわかった。第二区画の後半では、更にゴブリン・メイジを一体追加した六体一組編成を何組か用意する予定だし、数日後には【中級魔物召喚Ⅰ】も解放できるので、第二区画が突破される事は当分ないだろう。


 迷宮防衛に関してはしばらく安心できそうなので、【中級魔物召喚Ⅰ】の後は『道具作成ツリー』の【海の幸】か【粗末な衣服】を解放するとしよう。


 魔素濃度調整系を始め、必須と言える権能はまだまだあるのだが、いい加減【質素な食事】にも飽きてきたし、転生時に着せられていた貫頭衣もボロボロになってきた。


 何だかんだ言って【居住区】以外は迷宮運営を優先してきたのだ。そろそろ生活環境にFPを回しても罰は当たらないだろう。


 ……いかにタコ野郎とはいえ、五十日以上毎日働かせ(祈らせ)ている「御使い(部外)」に罰を与えてくるようなことはない……はずだ。



「収入」

DP…3387P

FP…525P


「出費」

DP…3558P

(食費18、第一区画2400、第二区画1140)

FP…0P


「合計」

DP…-171P

FP…+525P


「所持ポイント」

DP…4954P

FP…1472P



「第二区画その2」…第二区画の通路は第一区画よりも通路幅が少し狭く、各所に緩やかな傾斜が作られている。傾斜は侵入者の体力を奪うだけでなく、軽甲虫を叩き(踏み)潰すときに転がりやすくするためでもある。対した効果ではないが、嫌がらせ程度にはなっている。


「御使い」…神が直接使命を与え創造した存在。「使徒」とも呼ばれる。基本的に人間やそれに近い存在(ダンジョンマスターとか)の場合が多いが、「天使系」や「悪魔系」、竜種の魔物も「御使い」として使われることがある。便利ではあるのだが、「人界への不干渉」の誓約があるため、創るのには色々と制限がある。


「創造主と被創造物」…基本的に被創造物は創造主に対して絶対の忠誠を持って産まれてくるが、主人公の場合は「別世界の魂」を流用して創られた“擬い物”であるため、『青き神』に対する忠誠心は微塵もない。「転生」を「蘇生」と捉えるならば『青き神』は命の恩人であるのだが、転生後の対応があまりにも投げっぱなし(・・・・・・)だったため、主人公から感謝の感情は完全に消え去っている。


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