迷宮生活 五十一日目 第二区画増員
迷宮生活 五十一日目 第二区画増員
今日から日誌に題名を付けることにした。日誌の頁が増えてきて、日付だけでは内容を思い出せなくなってきたからだ。
過去の日誌にも題名を付けられれば良かったのだが、一度保存した内容を編集できない以上諦める他ない。
毎度の事ながら、神が創ったと言う割には使い難い機能だ。正直、前世の日記アプリとかの方が何倍も便利だったと思う。まぁそれは『日誌機能』に限った話では無いが……。
閑話休題。今日は題名の通り、第二区画の戦力配備を進めた。兵士達の隊長はまだ帰還していないらしいが、ギリギリに準備して何か問題があったら困るので、予め配置しておく事にしたのだ。
と言っても、やはりDPが心許無いので予定数の六割までしか召喚できなかった訳だが……。それでもそれなりの戦力を用意する事ができた。
現在、第二区画に配置している魔物は、
サハギン六十体
ゴブリン・ファイターと四体のノーマルゴブリンで構成されたゴブリン班が六組
軽甲虫二十匹
三体一組で同じ場所に『待機』させたサハギン・ウォーリア班が三組
スライム二十五匹
だ。数が揃えば、下級魔物でも兵士達に対抗できることは判明している。更に、第一区画よりも魔物の巡回密度が高いので、戦闘中の増援や連戦がかなり発生すると思われる。兵士の三、四十人程度は十分に撃退できる……はずだ。
少なくとも、第一区画の様に区画内の魔物を狩り尽くす、というのは現実的ではないだろう。取り敢えずの防衛処置はこれで十分だろう。
魔素濃度は昨日の『1.51』から『1.53』にまで増えていた。まだ魔素濃度をマイナスにまではできていないが、大分増加ペースが落ちてきた。
兵士達の再攻略を乗り切れば、大量のFPを稼ぐことができる。そのFPで【中級魔物召喚Ⅰ】を解放し、召喚した中級魔物をスケルトンと同様に夜だけ第一区画に置いておけば、流石に魔素濃度を下げられるだろう。
兵士達の再攻略に備える必要もあるので、スケルトンの増産は見送る事にした。
「収入」
DP…3343P
FP…297P
「出費」
DP…4259P
(食費18、第一区画2400、第二区画1841)
FP…0P
「合計」
DP…-916P
FP…+297P
「所持ポイント」
DP…4182P
FP…645P
「魔法」…広義では「魔力を用い術式により超常の力を操る技術」。狭義では「魔法系スキル」を指す。
「魔法系スキル」…魔法を扱うスキル。魔術式の理論や魔力操作の技術がなくとも、感覚で魔法を使用することができる。スキルの拡張性を超えた応用は効かないが、スキルの適応内であれば細かい演算をする必要がない。具体例を上げると静止目標に対してはほぼ必中である。
「魔術その2」…「魔術式」を手動で書く、あるいは「詠唱」することで魔法を発動させる技術。応用性は高いが、簡単な魔術でも全て自分で演算する必要があるため、戦闘で用いる事が難しい。そのため産業や医療の分野で使われることが多い。海水から塩を析出したりとか。




