迷宮生活 四十六日目
生存報告の意味を込めて更新。
リアルが忙しいので定期更新はまだ先になりそうです。
迷宮生活 四十六日目
とうとうゲジワサ部屋が突破された。それなりのDPを使った作戦であったが、まさか三日も足止めできるとは思わなかった。いい意味で予想外であった。
兵士達はゲジワサ部屋の次の部屋から続く、「第二区画への下り道」と「元食糧生産部屋」を調査して帰っていった。
時間は十分にあったはずなのに第二区画に進まなかったことを考えると、やはり兵士達は何らかの理由で迷宮調査を足踏みしているようだ。
お陰で今日はウォーリア部屋の「補充」は倒されずに済み、少しだけDPの節約になった。
しかし、それでもDP赤字の現状には焼け石に水でしか無い。【獲得魔素量増加Ⅲ】の解放も行ったが、それでも兵士達の迷宮攻略が再開すれば、DPは底を突くだろう。
その場合はDPが枯渇する前に魔物の大群で蹂躙し、兵士達を撤退させる予定だ。しかしこれは最終手段である。長期的に人間と付き合っていく事を考えると、何とか穏便な手段で兵士達の活動を縮小させるか、DPの大幅な節約をしなければならない。
兵士の活動縮小化は現状現実的ではないので、第一区画のDPを削るしかないだろう。
熟考の末、ゴブリン達の武装を15DPの【三叉の長銛】から10DPの【逆棘の投銛】に変更することにした。これにより、第一区画のDPを150P節約することができる。
元々ゴブリンと人間の体格差を埋めるために【長銛】を持たせていたのだが、三体では十分な槍衾を形成できず、兵士達にはあっさり切り込まれていた。漁師達には【長銛】よりもリーチのある投銛で蹂躙されるため、やはり【長銛】の利点を活かせていない。
そこで、【投銛】に換装させることで、ゴブリンの小柄な体格による“身軽さ”を活かす方針にシフトするわけだ。
まぁそれが有効かどうかは、ぶっちゃけどうでもいい。問題は、人間側がこの方針転換をどう捉えるかだ。
迷宮が兵士達に合わせ戦術を変えてきたと捉えるか、リソース不足により“軍縮”を行ったと捉えるか……。どちらの場合でも、兵士達の迷宮攻略が再始動する可能性がある。
兵士達の反応が見たいので、できれば【現地言語翻訳】の解放を待ちたいところだが、DPに余裕がない。装備変更は今日の補充から行うことにした。
「収入」
DP…2255P
FP…630P
「出費」
DP…2418P
(食費18、第一区画2400)
FP…1000P
(【獲得魔素量増加Ⅲ】)
「合計」
DP…-163P
FP…-370P
「所持ポイント」
DP…1771P
FP…136P
「元食糧生産部屋」…元々マスタールームの魔物の食糧を賄うために使われていた部屋。現状部屋を削除する方法がなく、また大量の【食糧生産施設】を撤去すると第一区画の魔素濃度が上がりすぎるため、“休憩場”として残すこととなった。流石に“鼠溺死システム”は削除された。
「マスタールームの移動」…迷宮の基本機能としてマスタールームの位置を変更することができる。ただし、隣接する区画、移動先の区画に侵入者がいる場合は移動できない。また一度移動すると三日間のクールタイムが発生する。
「迷宮の光源」…「洞窟型」の迷宮では迷宮内の壁が淡く発光しており、光源を持ち込まずとも探索することができる。『迷宮内装ツリー』の【壁光制御】という権能を解放することで、迷宮内を完全な暗闇にすることもできるが、当然暗視能力を持たない魔物の戦闘力も激減する。