迷宮生活 四十四日目
迷宮生活 四十四日目
昨日はようやく第二区画を作成することができた。と言っても、魔物に関してはDP不足のため予定の三割程度しか配置できていないが。
通路や【食糧施設】は、第二区画の魔素濃度をおおよそにでも把握するために、魔物を配置していない部分も完成させている。【食糧施設】の生成物がややもったいないが仕方がない。
DP不足の原因は、第二区画の魔物の質と量を上げたこともあるが、一番の要因は【三叉の長銛】である。最初の探索時は、兵士達は長銛の殆どを放置していたのだが、昨日と今日は全ての長銛を持ち帰っているのだ。
もし迷宮のリソースに付いての知識があり、意図的に回収しているのだとしたら、何かしらの対策が必要だ。【小規模迷宮】のDP増加量が思いの外多かったが、このままDP赤字が続けば、遠からず迷宮経済が破綻してしまう。
【中級魔物召喚Ⅰ】や【現地言語翻訳】も早目に取りたいところではあるが、次に解放する権能は【獲得魔素量増加Ⅱ】にせざるを得ないだろう。幸いなのは、兵士達から大量にFPが得られており、かつ兵士達の迷宮攻略が停滞していることか。
今日も兵士達は迷宮にやってきたのだが、ゲジワサ部屋で軽甲虫駆除に時間をかけている。ゲジワサ作戦の遅延効果が高いというよりも、兵士達が本腰を入れていないという様子だ。
昨日の“貴族”も今日は来ていない。あくまで予想でしか無いが、【竜の卵】を詳しく調べたり上層部に報告するために、本拠地に引き上げたのではないかと睨んでいる。
“貴族”が戻ってくるか替えの人員が派遣されるまでは、積極的な探索は控えている、といったところではなかろうか。過信することはできないが、現状の兵士達を見る限り、すぐさま大規模攻略作戦を実施する、ということはなさそうだ。
予想外の活躍を見せるゲジワサ作戦だが、倒された軽甲虫の補充はしないでおく。DPがキツイというのもあるが、あくまで第二区画ができるまでのツナギのつもりだったからだ。
逆にウォーリア部屋については、昨日衝動的に「補充」を行ってしまったので、今後は「正午時点で全滅していた場合は補充を行う」というルールを定めた。神経質がすぎるかもしれないが、例外的な出来事は極力無くして行きたいのだ。
ゲームの様に規則的に、無機質に。こちらが侵入者に合わせて戦略を立てているなどと思われず、どこまでも迷宮が続いていると錯覚させるように。そんな迷宮運営を心掛けていきたい。
まぁ人間側に迷宮の知識があれば完全に独り相撲だが。
「収入」
DP…1456P
FP…629P
「出費」
DP…2943P
(食費18、第一区画2925)
FP…0P
「合計」
DP…-1469P
FP…+629P
「所持ポイント」
DP…3667P
FP…882P
「【三叉の長銛】」…【漁師の仕事道具】で15DPで購入できる銛。防錆性の高い青銅で作られている。ちなみにモルズ領軍の装備は、青銅ではなく特殊な防錆処理が施された鉄が用いられている。
「軽甲虫の甲殻」…鉄程の強度はないが、それなりの防御性と軽量性から馬車や舟の装甲として用いられる。魔化すると【堅牢】の特殊効果が発現しやすい傾向があるため、軽戦士向けの防具として使われることもある。
「自律式迷宮創造ノ儀その4」…非常に便利で画期的な権能ではあるが、UIが見にくかったり、レベルを測定する機能が無かったり、そのくせ何故か「日誌機能」とかいうわけのわからんモノが「設定」の中に紛れていたり、一部の権能に不具合があったりと欠点も多い。




